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2008.11.12
2008年 10月26日 開催 GRAツアー 2008 静岡Rd 』 参加者 各位
一日が あっと言う間に 終わったね♪

前略 予定よりも随分遅くなりましたが、先日開催の『静岡Rd』を振り返り、全体の総括と個別のアドバイスなどを順に発表していきますので、どうぞよろしくご覧ください。

まず、天候は週間天気予報に裏切られ、当日の予報にも少し裏切られ(?)、特に朝には降雨となってしまいましたが、とても印象に残る充実した一日になりましたね。

特に、今回の『 GRAツアー・静岡Rd 』は、久しぶりの静岡での開催という事と、以前とはイベント運営スタイルが変わっていたという事、そしてその運営スタイルをマスターしている方が少なかったという事で、実は運営面で心配もしていましたが、始まってみれば、当日参加によって初参加の方が増えていたにも関わらず、その運営スタイルの意図を汲んでもらえたので、充実したカリキュラムが実践できて何かしらの“刺激”“インパクト”も受け止めてもらえたと感じています。
そして、出来るならば、今回の様な“刺激”や“インパクト”を年間に3回程度は提供していきたいと考えておりますので、また来年もよろしくお願いします。

 ただ、反省点もあります。
   ○ 進行面の読みが甘く、また進行面での“声出し”パワーが不足
   ○ 運営スタイルの意図の説明が足りず、皆さんの力が充分に発揮できなかった
などが挙げられます。 これらは、基本的には運営企画を行なっている私が先ずは改善していくべき点ですが、今回のイベントを通じて体験した事を次の機会に活かしてもらえるととても助かりますし、そうなれば本来の意図に合い狙いを達成できるのも間違いありませんし、折角の“持ち込み企画”が不発に終わる事も無かったでしょう。

最後にタイム測定コースの件ですが、コースを記憶するのは比較的簡単だったとは思いますが、より効率良く走り抜ける戦略“ストラテジー テクニック”が必要な設定になっていましたので、充分に実力を発揮できなかった方も多かったですね。
別項で“ストラテジーテクニック”の説明と今回のコースへの適用例を追加していますので、ぜひ今後の参考にしてもらえると幸いです。

では、また次の機会にも、オートバイを整え、オートバイと会話して、頭を使った走りでたくさん楽しんでいきましょう ♪♪

草々

GRA 事務局 小林 裕之

 

  アドバイスを届けます !aa
当日参加された方へ、ゼッケン順にアドバイスを致しますので、参考にしてもらえると幸いです。

西田  昌雄 さん 】
 

今回は、運営の事ではテキパキと作業を進めてくれて、大変に助かりました!
特に 機材のセットアップについては、充分に経験を活かして責任を持ってやってもらえたので、随分助かりました! どうぞ、次の機会には、他の人の名前を覚えて、積極的に声を掛けたり、行動や作業を促していきましょう!
さて、今年の5月には怒涛の“キレ”のある走りで一気に向上した実力を見せてくれたのですが、それ以降はコース設定も変化している関係でしょうか、充分に実力を出し切れない“歯がゆさ”を私は感じています。
走り方についてアドバイスを差し上げるとすれば、9m間隔以上の 2本または3本パイロンで210°以下のターンをつないでのセクション練習を増やすと効果があると思います。
セットアップ面で補足するならば、単純なオフセットも含むスラロームコースやS字・クランクコースとは異なり、上記の設定コースでタイムを伸ばすには舵角の入り易さよりも限界バンク角のコントロール性に尽きます。つまり、フロントタイヤの舵角メインで曲がるセットアップよりも、最大バンク角を安心して使えるセットアップを考慮される事を薦めます。
実際に、フラットコースでのパイロン設定では単調な設定は少なく、180°以下のターンの最低速度を如何に高めるかが“カギ”になりますし、上記のパイロン設定のコースでの練習でのみ対処が可能になります。健闘を期待しています♪

     

村松  啓司 さん 】
  今回は初めての会場での、初めてのイベントでしたから、戸惑ったりした面もあったと思いますが ・・、うまいですね ♪
特に細かなセクションが連続する箇所でも、綺麗に素早く向きをコントロールできていました。きっと、普段から練習量が豊富で、しかも走らせ方についても研究熱心に取り組んでいる成果が表れていたのでしょう。恐らく、講習会に参加したとしてもインストラクターを追走できると思います。
充分な練習量やセンスがあるようなので、次の事を勧めますので一読下さい。それは、車両のコンディションを整える事です。
お勧めはフロントサスペンションについてですが、フロントフォークを完全分解して、現在入っているフォークオイルを可能な限り抜き&拭き取り、その後に正規のオイルレベル(オイル量ではなく!)に合わせて指定オイル(恐らくホンダ#10/動粘度 35.2mu/s)或いは カヤバ G10S(動粘度 37.29mu/s)へ交換し、フロントフォークの整列と、クランプボルトの抜き取り&清掃(ワイヤブラシにて)そして正規トルクでの締め付けを行なうだけでかなり自由度が高くインフォメーションに溢れた状態に戻ると思います。 ぜひ! お試しください。 更にレベルの高い新しい世界が眼の前に開くでしょう。
または、GRAの開催イベントに参加の際に、「セットアップをしたい!」 と要望を出して下さい。
私達はセットアップについても、可能な限り多くの事を伝えて実践して、体験や見聞&知識を深めてもらっていますから、どうぞよろしく!

 
荻野  優 さん 】
  2004年4月の参加以来、久し振りの参加ありがとうございました。「運動不足解消のために・・」 とのメッセージでしたが、目的は達成できたでしょうか?また楽しめたでしょうか?
また、走りについてですが、以前と較べて上達されているのがはっきりと分かりましたよ! きっと、4年半の間にしっかりと機会を作って練習を積んでこられたと思います。それ程に良い走りでした。
特に感心した点は、“流れ”が途切れずスムーズに走りが繋がっていた点です。
大きくて重く排気量の大きな車両の場合には、小さな車両とは違って、ともすれば車体を持て余してしまい、細かなセクションでラインが出せずに詰まった走りになりやすいものです。しかし、そんな“詰まり”も見せずスムーズに細かなセクションでも抜け、且つアクセルもしっかりと開いており、明らかに前回とははっきりと異なっている点でした。
その上達レベルがはっきりと表れたのは、午前中に行なった基礎パターン練習の「180° ターンイン」でしたね。 ターンインを開始してからスムーズに曲率が増す走りが比較的早く達成出来るようになっていて、失敗したとしてもほんの僅かな狂いに留まっていましたから、一つ一つの事を着実にこなして吸収していく着実な取り組み姿勢がよく現れていましたね♪ 一歩一歩レベルアップさせていく姿に好感を持ちました!♪ これからも、少しずつ楽しみつついきましょう♪
ただ、ひとつ気になった点は、アクセルを開けた時のリアタイヤのスリップ音です。 恐らく 2.5 〜 2.8 kgf/cu 程度に合わせてあると思いますが、一度エアゲージの校正(他の方数名から借りて、同じタイヤのエア圧を測定して誤差や傾向を確認する作業)をお勧めします。 憶測ですが・・、本来のエア圧よりも低くエア圧設定されていたように思います。(ゲージが高目に表示するために)参考にしてもらえれば幸いです。

 
太田  智彦 さん 】
  初めての内容やコース設定のイベントだったと思いますが、楽しめましたか?
私が走りを拝見して何よりも感心した点は、要素を一つ一つ解析しつつ走りを組み立てていらっしゃる点です。きっと、練習の量だけでなく車両の構造やメカニズムの勉強もされている事でしょう。
ただ、車両面で気になった点がありましたので、アドバイスを参考にしてもらえると幸いです。
その気になった点は、以下の点です。
 ○ 左ターンの際にスムーズに舵角が増していかない
 ○ 右ターンの際に、特に中間バンク域では舵角がつきやすい
 ○ 同様に、左へのバンクは容易で 右は時に立ち気味になる
基礎パターン練習「180°ターンイン」の際には、トレーリングスロットル(完全にアクセルOFFにならない操作)を疑っていたのですが、そうではない様です。
上記の現象が出る要因は ・・ 、
 1) フロントフォークの不整列 (タイヤが左側へ向く方向に)
 2) 前後タイヤの不整列 (リアタイヤが進行方向右側へ向く)
の二つの要素が考えられます。
もし、その様な症状を感じていらっしゃるならば、一度チェック&調整をされる事をお勧めします。
また、フロントサスペンションのスプリングがシングルレートになっていると思いますが、仮に可能であるならば 0.55 kgf/mm 程度から 0.9 kgf/mm 程度の間でレート移行するツインレートスプリングへと換装を検討されるのもお勧めです。 フロントサスペンションのセットアップは誰もが苦労する点ですが、サスペンションの基本特性はスプリングによって決まりますし、レース等と違って小さな荷重域から高荷重域まで様々なターンをこなす状況ためには、様々な状況に対応できるセットアップの方が、より活き活きと走らせられるでしょう。

 
丸山  芳幸 さん 】
  いやあ〜〜 参りました!!
脱帽です !コース設定自体は、スピードを乗せたままこなせるセクションが連続していて、まさに VTRでタイムを稼ぐにはうってつけのレイアウトだったとはいえ、さすがです。 (小排気量車は STOP & GO! 的なセクションが 大排気量車と較べて不利) 特に最近の著しいレベルアップには感心させられています ♪
ただ、「180°ターンイン」練習での現象で明らかな様に、現状のセットアップではターンインバランスが崩れているのが明らかですね。
原因はいくつか考えられますが、一番大きな要因はタイヤ変更によるものだと思われます。 以前のタイヤと異なり、中間バンク域でのフロントのキャスターアクション(切れ込み)が大目に出るタイヤ特性だと思います。タイムトライアル時のようにブレーキでタイヤの動き(回転方向以外の)をコントロールでき、切れ込みの出難い最大バンク角域で走行するならば表には出てきにくい症状です。
しかし、タイヤのポテンシャルを有効に利用する為には、バランスを取る事も必要ですから、以下の対策を参考にしてはどうでしょうか?
 1)フロントの車高を1〜2 mmの範囲で高くし、方向安定性を高める。
 2)同様の考えで、フロントのイニシャル荷重を0.75〜1.5 mm程度高める。
 3)使用可能な範囲で、フロントタイヤのエア圧を高める。
他には、オイル粘度を 10%以内の範囲で高める手法も考えられますが、あまりお勧めではありません。(高荷重&高バンク角を好む性格のタイヤなのか?)参考にして、うまくバランスが取れるポイントが見つかれば幸いです ♪♪


さて、話は変わりますが、イベント運営&進行についてお願いがあります。
当日は機材の設営から運営面の様々な事まで、誰よりも頑張って動いてくれて大変に感謝しておりますし、そのお陰で スムーズに進行できた点もたくさんありました。ただ、可能であれば、少し力を抜いてラクにしてみてください。
そして、他の方全員の名前を覚え、性格を把握して、一緒になって運営などを楽しんでは如何でしょうか? そうして、少しラクになった分だけ、もっと一生懸命に“やりたい事”をやって率先して楽しんでくださいね ♪

 
児島  寛之 さん 】
  ふっふっふ! 初めての会場での初めて参加したイベントとは思えないほど、誰よりも走る事とイベントを楽しんでいる姿を今でも思い出し、微笑んでしまいます。きっと、こんな想いをした方は他にも多かったと思います。イベントの雰囲気をうんと明るくしてくれてありがとうございました!♪
また、走りの方も“天性”の感性が備わっている事を強く感じました。
基本をしっかりと押さえて、実効性のある内容やコースの練習を重ねれば、ぐんぐんと才能を発揮している事は充分に分かりました。
何よりも、素直に車両の動きを感じて受け止め、それらを楽しみながら走っている事が何よりも優れた素質です。大切に育てて下さいね。
そして、これらを助けていたのは、車両が新車状態に近かった事です。
整備を重ねる事が原因となって発生するコンディション劣化が無く、本来の設計状態に近い動きを出せていたのが良い結果に結びついています。
当面は基本整備(アライメント&トルク管理を含め)をされる事をお勧めします。ただ、今回の様なコースを走るに当たって、より高いレベルを目指す場合には、車両の車両特性上、若干の調整を考慮しておくと良いでしょう。
それは、トレール量の確保です。
車両の特性上、フロントサスペンションのストローク量が多く、またトレール量が元々多く確保されていません。従って、ターンイン時にフロントの舵角で曲がる際に、高い荷重を掛ける領域になると必要がトレール量が確保できず、とても不安定な挙動を示す事になります。 そう! あの車両は元々リアへの高荷重とスライドで曲がる車両です。
対応策については、別な機会に説明しますね ♪
 
藤田  崇広 さん 】
  最初に行なった基礎パターン練習「180°ターンイン 」では、最初から見せてくれましたね! 誰よりも初めから曲率を変化させながら、コース幅ぎりぎりで曲がりきる走りを。初めてのセクションだったと思いますが、最初から出来た所に優れた才能を感じましたし、日頃からの練習量も伺わせますね。
そして、それらはタイム測定結果にも表れており、あの様なコース設定にも関わらず“タイム指数”が 11000 を切るとはさすがです。
さて、ここでは更に上のレベルに上がる際のアドバイスをさせてもらいます♪
それは、バンク角コントロールとリアスライドコントロールのマスターを勧めます。 バンク角コントロールというのは、更に 5度以上深いバンク角でターンに進入する事で、これはさほど難しくはないでしょう。
続いて“リアスライドコントロール”というのは、先日もターンの最中で早めに大きくアクセルを開けていった際に自然に出ていましたが、もっと積極的に早い段階からリアのスライドを使っていく事を勧めます。
というのも、19インチのフロントタイヤで 180mmのストローク量、そしてあのエンジンとフレーム特性ですから、進入で稼ぐよりも、コーナーからの脱出で稼ぐ方がより自然に性能を引き出せる筈です。
次に会える時を楽しみにしています ♪

 
田中  英子 さん 】
  いつも走る度に一つずつ“テーマ”を設けてクリアし、着実にステップアップを目指して努力されている様は多くの人の見本ですね。
特に良い見本となったのは、基礎パターン練習「180°ターンイン」でした。恐らく左のターンインは初めてだったと思いますが、右と同様に良い感触で走れていましたね。腕などで余分な操作をせず、オートバイなりに走らせる感覚を充分に掴めている証拠です。
また、以前は多くあった“コースミス”的なミスも今回は全く無く完走できており、コース把握能力が上達していますね。
ただ、時折見せてくれる“爆発(?)”が今回は無かったので、次の機会に期待しています ♪
車両のセットアップ面で言える事は、車両は標準体型の方に合わせて設計してあるために、掌や足の大きさにグリップ太さやブレーキペダル長さが合ってなくて、違和感やフィット感の不足がライディングの邪魔をしていると思います。
どちらも対応型の市販部品は無く、すぐの対応は難しいと思いますが検討してみる価値は充分にあると思います。

なお、運営面について随分頑張ってくれた事に感謝しています。
特に、積極的に参加者の名前を覚えての“声掛け”や“提案出し”、そして“持ち込み企画”の実行など、とても大きな影響を残してくれました。
現在の運営スタイルに慣れている方は少なかった中で、“声”を出して動かしていく事を実践してのですが、次は他の方も“声”が出せるように促してもらえると更に充実した一日になると思いますので、どうぞ よろしくお願いします。

 
南  謙吾 さん 】
  実は ・・・、午前中は随分と心配していましたよ ♪
昨年10月に拝見したオートバイに逆らず車両特性を活かした素直な走りを覚えていた分、オートバイと意見や意思が一致せずに苦労している走りを見て。
よほど体の状態が良くないのか?、と心配するほどでしたが、全くの杞憂に終わりました。
昨年の時に感じた以上に“走り”のキレは健在でしたね。
恐らく、車両のコンディションは崩れていて、左右のターン特性の違いだけでなく、低速中間バンク時の挙動の不安定さは出ていましたが ・・・、ウォームアップの時から特性をカバーする方法を見出していたのでしょう。
実際のタイム測定での走りでは、昨年更新していたタイム指数 「10169」に迫る 「10431」を出せたのですから。 さすがです !!
ますます、次の機会にも“走り”を見たくなりました ♪
ただ、車両のセットアップのアドバイスの要望はいつでも歓迎ですから、より良いコンディションの車両にしていきましょうね ♪

 
伊与田  浩 さん 】
  いつも積極果敢な走りで目を見張らせてくれているのですが ・・、今回は車両のセットアップ状態があの路面とコース設定には全く合っていなかった様ですね。 その為に、いつもの“キレ”のある、ねじ込む様な走りが見れなくてとても残念でした。
同じ車両で7月にも走り走りを拝見しているのですが、その時のような“活気”ある動きが車両から無くなっていましたので、恐らくセットアップの内容をかなり“安定側”へ変更されている様に見受けられます。( 実際に尋ねた訳でもなく、乗った訳でもなく、あてずっぽで スミマセン! )
仮に推理がそれなりに当たっている様であれば ・・ 、
 1) フロント、リア の伸び側減衰を “ソフト側”へ変更
 2) フロント、リア の縮み側減衰は 標準セット値を基本にする
 3) フロントは車高を2mm程度上げて、トレール量を確保する
という方法を 先ずは提案します。
1) と 2)の処理で、動きが大きくなり不安定になる面は出てくると思いますが、動きを予測して“腕”でカバーできる範囲は我慢(?)許した方が良い結果が出ると思います。
あと 3)の処理ですが、以前の車両で培った感覚を活かす為にも、キャスターアクションを感じやすくなりますし、何よりも不足しがちなトレール量(方向安定成分)を確保してフロントタイヤからのポジティブな情報を得るのにも役立つはずです。
願わくばですが・・、シングルレートのスプリングをツインレートへ換装とか、ストローク量調整まで踏み込めると更に良い結果を出せるように思います。
是非、次の機会には試乗させて下さいね ♪♪

 
磯野  喜宏 さん 】
  今年の7月のイベントでの車両の“動き”を覚えているのですが、全くその時とは違う“動き”になっている事に驚きました。
前回はフロントサスペンションのストローク(ピッチング)が低い荷重域から発生していて、“活き”が良い分だけ忙しくせわしない操縦性に苦労されていた面を拝見していましたが 、ユニット換装されたとの事で、全く別物の安定感溢れる走りになっていましたね ♪♪
ただ、タイム測定結果ではペナルティ抜きで見ても、充分に実力が出し切れていなかった様に見受けられましたが、どうだったでしょうか?
仮に、現状のセットアップに満足できずに次の方向性を検討されているのであれば提案します。フロントサスペンションの安定性を減らす事を提案します。
【操安性】という言葉は、「操縦性」と「安定性」を合わせた言葉で、車両の評価項目としてご存知だと思います。ただ、「操縦性」と「安定性」は相反する要素を含んでいて、「安定性」は“鈍さ”“重さ”で、「操縦性」は“敏感”“軽快”という表現になり、前回のセットアップは「操縦性」に偏り、今回は「安定性」に偏っていた様に見受けられました。
コース走行では「安定性」も必要ですが、腕でコントロールできる範囲内で「操操縦性」側へほんの少しだけシフトした方が良い結果を出せると私は思います。
具体的には、フォークオイルは純正指定粘度または10%アップ以内、ダンパー調整はソフト側からハード側へ調整していく際に必ず“変換点”があるので、その“変換点”か1クリック(または45°)ハード側にすると良いと思います。 ( 変換点、ダンパーバランス などについては 次の機会に ・ ・ ♪ )
また、ストローク量が純正の 130mmのままだと 「安定性」に欠ける場面もあると思います。 その際には、オイルレベルを調整して“残ストローク量”を10〜20mm増やし、ストローク量を 110〜120mmにする事をお勧めします。
因みに、私は自車のセットアップでは 通常 100mmでセットアップしています。

 
宝積  美代子 さん 】
  もう〜〜 すごいですねぇ〜 ♪♪
以前のゼファー750から乗り換えていらっしゃった事は知っていたのですが・・、今回は一気にタイム指数を伸ばしてDクラス入り! おめでとうございます ♪
車両が変わったとはいっても、今回のコース設定の様に中・高速区間が設定されたコースで達成できた訳ですから、日頃から練習の機会を作って鍛錬されてきて、体の“キレ”も随分とアップしている成果だと思います。
また、車両の整備についてもしっかりと進めてきていらっしゃると思います。
ただ、気になる点もありましたので、それについてアドバイスを聞いて下さい。
それは、基礎パターン練習「180°ターンイン」の際に、フロントフォークが小刻みに揺れ、同時にハンドルの舵角が変わろうとする為に若干苦労されていた点です。
この様な現象の原因は、通常はライダーの責任ではなく、車両側にあると思いますし、考えられる要因は以下の通りです。
 1) フロントフォークの減衰不足(フォークオイルの劣化)
 2) フロントフォークの不整列 (タイヤが右側へ向く方向に)
 3) フロントタイヤのエア圧不足 (キャスターアクション過大)
 4) フォークオイルレベルが低い (フォークオイルが過少)
 5) 前後タイヤの不整列 (リアタイヤが進行方向右側へ向く)
特に、長期間フォークオイルを交換していなかった場合には、完全分解しての整備を行なわないと、内部に残るスラッジ成分などで所定の粘度が出ず、充分な減衰が出ない場合もあります。
また、同じ 180°ターンイン でも 右側へのターンでは発生しない様であれば、2) および 5)の要因が、どちらでも同じであれば 1)および 3)& 4)の要因が考えられます。是非、参考にしてご検討くださいね ♪
次の機会には、更に良い走りを実現されている事を楽しみにしています ♪♪

 
木下  智弘 さん 】
  とても素直で綺麗に乗りこなせる方ですね。
特に、最初に行なった基礎パターン練習「180°ターンイン」で感じました。
一般的によく見かける無理やり操作する方法ではなく、車両からの情報を感じながら(会話しながら♪)走りを慎重に組み立てている様子がよく伝わりました。
そうやって、しっかりとターンインを達成できているのですから、良い素質を備えていらっしゃいます。 しかも、その後で行なったコース走行でも、徐々にペースを上げて充分なレベルでの走りが出来ていましたから、自信にもつながったと思います。
ただ、タイムトライアルコースは充分に練習が出来ず、しかも日頃やっていない回転などのセクションがあった為に、2回だけのタイム測定では充分に実力が発揮できなかったでしょう。 しかし、心配は不要ですよ。会話をしながら慎重に走りを組み立てていく才能が一番大切で、後は経験を積めば大丈夫です ♪
その会話について、車両のセットアップに関するアドバイスをします。
拝見している限りでは、車両の動きが「安定側」に入っていて、充分な情報を発し切れてない様に見えました。
情報量を増やす為に、前後のダンピング設定(伸び&縮み)を“ソフト側”へ変化させると、より良い結果を導き出せる可能性が大きくなります。
特に、伸び側の変更が有効ですから、現在の設定値を記録した後に1要素毎に順次変更させて“変化”を感じた値でセットする方法が良いでしょう。
設定時のコースは、180°ターンイン、ノーブレーキ の同一条件で行なうと、きっと分かる筈です。
または、次に機会に ・・・ よろしく !♪

 

*  *  *  *  *  *  *  *  *  *  *  *


 180°ターンインについてaa




  180°ターンインの走行練習は、オートバイの基本的な運動特性を理解して、更にレベルアップする為には欠かせない要素がたっぷり含まれています。
オートバイは自動的にスムーズに回転半径を変えながら安定して走れる様になっています。そして、ターンに進入して進むにつれてブレーキング現象も高まり、漸進的にハンドルの舵角が増していき、ターン後半には回転半径がかなり小さくなり、この時にオートバイが描く軌跡を通称:クロソイドライン(クロソイド曲線)と言います。
この「180°ターンイン」を習得する事によって、より自然なラインで走行する事が出来るようになるばかりか、実際の走行でもターン進入後にフロントブレーキを積極的に使って舵角コントロールする事も可能になり、レベルアップと安全性を大幅に向上させることができます。
仮に、これら一連の動き(変化)がノーブレーキで出ない場合には、車両のコンディションの劣化やセットアップ(調整)が崩れている可能性がある事を示しています。
傾向として、新車でノーマル状態に近い車両はスムーズにライン(クロソイドライン)を描きますが、何らかの変更をしている車両ではバランスが崩れている場合も多く、充分にクロソイドラインを描けなかったり、安定感に欠ける事が多いものです。
「180°ターンイン」は、この様に車両の状態を簡単にチェックできる基本パターンの一つなので、セットアップの確認や車両の動きの学習、そしてボディパランス(ライダーとオートバイの関わり方)のチェックや修正に役立てて下さい。


 ストラテジーテクニックの活用を !aa




  タイムトライアルでは、通常下見(完熟歩行)をしてコースを覚え、即!タイム計測を行なうのが一般的で、オリンピックのアルペンスキー競技「スラローム」などでも同様です。
そして、この方式だからこそ真の実力がはっきりと見えてくるのです。
では、この様な場合に必要となるテクニックは何かといえば、

(A)
ライディングテクニック ・・  オートバイを操作する技術
      (直線スラローム、単純オフセットスラロームなどでそのレベルは計測が可能)
(B)
ストラテジーテクニック ・・  コースを攻略する技術・頭脳
      (単純な設定コースでは計測は不可能創造性や独創性、イメージングやマネージメント能力を指す)

  以上二つのテクニックが必要となり、特に“ストラテジーテクニック”がとても重要になる事は理解してもらえるでしょうか。
つまり、タイムトライアル前になってライディングテクニックを高める事は出来ないが、“ストラテジーテクニック”は意識して訓練する事で高める事が出来るのです。
同じライディングテクニックのレベルの方同士でも“ストラテジーテクニック”に優る方が良い結果を残せますし、例えライディングのテクニックでは劣っていても“ストラテジーテクニック”次第ではより良い結果を残せます。

 ストラテジーテクニックの基本はaa




  タイムを短縮させていく観点から考えれば、必要な考え方は一つです。

それは、【 平均速度を高くする 】という事です。
そして、平均速度を高くするには二つの手法があり、

 1) 全走行距離を短くする
 2) 全体の速度レベルを高める

というものですが、ここでは効果が高く難易度レベルがより高い 2)の手法の基本を伝えます。

“ 速度レベルを高める ”を実現させるための幾つかの基本的要素を羅列すると ・・
 (a) コーナーの通過速度(最低速度)を高める
 (b) ブレーキングおよびパーシャル状態(*注)の回数を少なくする
 (c)ブレーキングおよびパーショル状態の距離を短くする
 (d)高い速度の区間の走行区間は長くして、出した速度は有効に活用する
 (e)低い速度の区間は短くする
 (f)クロソイドライン(加速時&減速時)をコース全てに適用させる
 (g)必要な向き変えやブレーキングはより低い区間で済ませる
 (h)全ての操作はシンプルに最小限に留め、無駄な挙動を出さない
  ・・・ etc       ( *注 ・・ アクセルが全開でない状態の事 )
・ ・ などが挙げられます。

実際にこれらを活用させながら攻略イメージを構築させるには、理論的イメージングや練習、そして実際の経験が必要になりますが、それらをこなす程に“ストラテジーテクニック”が身につきます。
具体例の適用例や質問については喜んで応えますので、どしどし要望や質問をお寄せ下さい。



ストラテジーテクニックの解説 (PDF資料)
 (タイム測定コース攻略的解説 / 手書きでごめんなさい!
  (3.04Mb)



 リザルトの見方は !aa




  GRAではタイム測定を行なう度に『タイム指数』を算出して、ライディングスキル等がどの程度向上したのか、或いはベストの時と較べてどの程度ダウンしているのか?を簡単に見分けられるようにしています。
ここで読み取り方の説明を致しますので参考にして下さい。

『 基本タイム指数 』 その方が過去に記録したベストのタイム指数の事で、その人の上手さのレベルを表すものです。 新たにタイム測定を行なった際に、この 「基本タイム指数」 よりも小さな値のタイム指数(結果タイム指数) を出せれば、今までよりも上手に走れた事を示します。
ちなみに、この基本タイム指数(タイム指数)を更新した方にはもれなく! 奨学飴” (飴)を差し上げます。
『 結果タイム指数 』 その日のタイム測定で算出されたタイム指数の事です。
『 実力発揮度 』 持っている実力をどの程度発揮したかを表す数字で、計算方法は、『結果タイム指数』を 『基本タイム指数』で割ります。
つまり、実力発揮度が小数点以下になればスキル(実力)が伸びている事になるのです。
『 仮想ベストタイム 』 その人が実力通りの走り(基本タイム指数通りの走り)をした場合、どんなタイム結果になっていたかを表しています。

  この表を見るのに慣れるのに多少時間は掛かるかも知れませんが、スキルが伸びたかどうかが一目で判断できますし、どの程度のタイムを出していれば “奨学飴”がもらえていたのかも簡単に見分けられますので、とても便利ですよ ♪
 


関連資料一覧  
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