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2009.7.23

2009年 7月 5日 開催 “体験”ライディング練習会 』 参加者 各位

根付き始めた“わがまま”
大切に育てていこう!

前略 、先日開催の『“体験”ライディング練習会』を振り返り、全体の総括と個別にアドバイスなどを順に発表していきますので、どうぞよろしくご覧ください。

さて、今回開催した “体験”ライディング講習会 に対しての私の感想は、「欲求不満が残った一日だったのではないか?」 です。
ただし「欲求不満」とは言っても、私が感じたものではなく、参加した皆さんが感じたのではないのか? と考えているのですが、どうだったでしょうか。

イベントを迎える前から「やりたい事」を胸に抱え、当日の朝に発表(主張)して、一日のスケジュールの中で“わがまま”を実現する方式は、初参加の方は別として、当日の参加した多くの方にとって慣れてきた方式でしょう。
そして、そういう方々は心の中で、「今日は目一杯やりたい事を達成するぞ!」という想いで参加されていた筈ですが、消化不良、 欲求不満 になってしまった印象があります。

そうなってしまう原因は幾つかあったと思います。
○ イベント全体の流れを良くしたい。
○ 初参加の方を始めとして 他の方のフォローをしたい
○ “わがまま”を出し過ぎていないか 不安に感じる ・・・ etc

特に、継続的に GRAのイベントに参加してくれている方や その理念や目的を理解してくれている方にその傾向が強かったように感じました。

・・が、そういう方にこそ、“わがまま”を精一杯に主張して「やりたい事」を達成できるようにして、人一倍大きな“満足感”を味わって、初参加の方など他の方の“見本”となって欲しいのです。

ともすれば、規律や規則を守る事が一番大切! という風潮の中で多くの方々が小学校、中学校などの学生期間、そして会社などの組織において育ち慣れてしまい、団体行動の中で“わがまま”を主張する事に対して違和感や後ろめたさを感じるのは当然です。

しかし、GRA の 活動目的は違います。
もっと大きな展開を図り、より価値を高められる活動を目指しています。
そのためにこそ、“わがまま”を存分に追求し主張しあう行動こそが、一番大切な“原動力”になりますので、どうぞこれからも要求を高く持って参加して下さい。

草々

GRA 事務局 小林 裕之


収支報告 今回の表面上のイベント収支は、 + 14,500 円 でした
( ※ 交通費、運搬費用、人件費などの経費を含まない収支 )


  アドバイスを届けます !aa
当日参加された方へ、ゼッケン順にアドバイスを致しますので、 参考にしてもらえると幸いです。
奥  久行 さん 】
いつも、自分自身の目的を追い求めると同時に、イベント全体の流れまで目を配ってくれて大変に感謝しています。
ただ、今回は 私・小林の参加内容や体調などに気を配ってくれた関係でしょうしょうか、いつも以上にイベント全体への配慮に気持ちが移ってしまって、自分自身で抱いていた“自己目標”の達成へのエネルギーが中途半端になっていたのではないでしょうか?
そして、その追求レベル、集中度などが中途半端になってしまった事も関係して、タイムトライアル中での転倒に繋がり、ひいては充分な結果が残せなかった事に繋がってしまったと推測しています。
もちろん、タイム測定作業に連続してミスが発生してしまった事も、タイムトライアルへの集中度を高められない結果を呼び込んだとは思いますが、それ以上に “モチベーション”の振り分け先を迷い遠慮してしまった事が大きいと思います。
どうぞ! 次回参加の際には、存分に「やりたい事」を口に出し、実際に行動して、自己満足度が高い一日にしてください。
大丈夫です。心配しないでください。その位で丁度良いバランスになりますから。
* * *
さて、車両状態の件ですが、前回の参加時に良好なバランスポイントがほぼ見つかり、今回はそのバランスポイントを広くするためにフロントフォークオイルを純正指定粘度へと変更(粘度を低く)して、残ストローク確保のために5ccほど オイルを追加したとの事でしたね
ただ、走行状態を拝見する限りでは前回よりも逆にバランスが崩れている点が目立っていた様に思います。・・で、一つ考えられる事は、フロントフォークの伸び側ダンパーの調整作業ですが、粘度の高い時の調整レベルと粘度が低い時の調整レベルとは変更する必要がある筈ですが ・・・ どうだったでしょうか?


 
小田  裕朗 さん 】
参加回数は多くないものの、参加される度に確実にライディングスキルレベルをアップさせている様子に、いつも感心させられています。
もちろん、イベントの一日の間にレベルアップする事もあるでしょうが、それ以外に大きくレベルアップしている事がはっきりと見て取れる事に感心させられています。
きっと、イベントに参加する毎に何らかの「課題」を見つけ、次のイベントに参加する前にその「課題」を克服するための学習や練習を重ねる努力をされているからこそ、こうして誰の眼にもはっきりと分かる成長が残せているのでしょう。
特に今回のイベント参加で一番感心した“変化”は「リアタイヤの走らせ方」に一段と大きな進歩があった事です。
リアタイヤの存在を感じ、その設置面(トレッド面)と会話し、自由にリアタイヤを走らせる技術(感覚)を磨く努力にかなりの時間を費やしたのは明らかです。
もしかすると、お得意(♪)のトライアル車を使っての旋回(サークル)走行の練習という有効な方法を活用されたのかも知れませんね。
兎にも角にも、今掴んでいる「リアタイヤの走らせ方」は忘れずに大切に育てていって下さい。次のステップは、リアタイヤへ荷重とパワーを同時に高めていくダイナミックな走法と、リアタイヤで高めた荷重をスムーズに有効にフロントタイヤの荷重へと繋げ、フロントタイヤを走らせる走法へと繋げる事でしょう。
どうぞ、次に参加の際にも、何か大きな“ヒント”や「課題」を得るためにも、“わがまま”で「やりたい事」を主張して下さいね。
これからも、一つ一つ楽しみながら着実にレベルアップしつつ、オートバイとの会話を高めて見本となる素晴らしい走りを実現される事を期待しています。

 
田中  英子 さん 】
いつもいつも、熱心にイベントに参加してくれるだけでなく、GRA活動の理念や目的の理解も深く、それを実現させるイベント活動への参加意欲を高く持ってくれている事に深く感謝しています。
ただ、仕方無い面もありますが、どうしてもイベント全体の流れや他の参加者の行動などに意識が向いてしまい、自分自身の“わがまま”、「やりたい事」の実行に対して貪欲になれない生真面目さが見受けられますね。
生真面目さはとても良い資質ですし大切な事ですが、どうでしょう? 完全に自分自身の事に集中する“スイッチ”を設けては?
もしかすると、(本当は)“スイッチ”は準備済みで、ただ!スイッチを入れる事ができないでいるだけ! であれば応援しますよ!♪
さて、今回は以前のセッティング練習会などで一通り基本的なセットアップが済んでいる車両を、もっとしっかりとバンクコントロールできるように修正するという目的(わがまま)があって、それを「ノーブレーキでのターンイン&ターンアウト」の走行練習で行なう考えでしたね。
ただ、セットアップを修正しようとした箇所がリアのダンピング調整だけだったために充分な成果が出なかったのではないでしょうか?
私がセットアップの際に拝見していた状況から判断する限り、リアサスペンションのイニシャル再調整の処理の方がより的確に効果が出るように思います。
ただ、あの車両のイニシャル調整は専用工具と若干の力技も必要ですから、次の機会には「リアのイニシャルの微調整を手伝え!」と“わがまま”(要望)をはっきりと主張して下さいね♪
きっと、今回の調整よりも良いセットアップが手に入ると信じています。
※ ) ここでイニシャル調整(初期荷重調整/プリロード)を勧めるのか説明すると ・・ 以前のセットアップは基本的なサグ調整方法を行なっただけで、 静止状態、ライダー乗車状態でリアホイールのトラベル量の1/3位置に合わ
せ、ストローク方向へ2/3、リバウンド(伸び)方向へ1/3を残す基本セットアップをしただけでした。この基本セットアップでほぼ良好なバランスが得られるのが一般的ですが、実際に乗車するライダーの特性、感性などに合
わすには、その基本状態を元に微調整するのが望ましいからです。
( 説明が不足している場合も、是非!“わがまま”で再説明要求してくださいね ♪ )

 
金山  伸壽 さん 】

はじめての GRA のイベントの感想はどうだったでしょうか?
また、機会がありましたら 「感想文」などで聞かせてもらえると助かります。
さて、当日の朝に聞かせてもらいました“わがまま”(要望)は、「低速走行を練習したい!」との事でしたね。
お聞きしたところによれば、信号待ちなどの後の発進の際に、うまくバランスが取れずに低速での立ちゴケを経験されたとの事ので、実際にコースを走行されている状態をしっかりとチェックさせてもらいました!
しかし! 残念ながらライディング技術の不足している点は全く見当たりませんでした。それどころか、小さなターンでの走行の際などには上手に車両とのバランスをとって走行するテクニックは一般的なライダー以上のレベルで、文句をつける箇所はありませんでした。
ただ、ひとつ気になった点ありました。
それは、当日にお話した内容ですが、前後の車高が本来の状態よりも15mmほど下げる変更(改造)がなされている点です。
フロントはフロントフォークの突き出し量変更、リアはサスペンションのリンクプレート変更 という、「ローダウン」(車高低下処理)としては一般的な手法の処理ですが、実は その様な簡単な処理をした車両で本来備わっている良好なバランス、安定性をスポイルさせていない車両はお目にかかった事はありませんし、私の考えでは公道で乗るには危険な変更(改造)です。
その理由を簡単に言えば、主にフロントサスペンションの“トレール量”が不足してしまうからです。この“トレール量”というのはフロントタイヤが向いている方向に進むのに必要な“安定成分”で、車両を設計時にはあらゆる場面で安定性を失わないように“トレール量”を必要充分確保できるようになっています。
それを意図的に、足付き性向上とはいえ、大きく減らす変更をしてしまっては、ジャイロ効果が期待できない極低速走行時(発進時も)や、強めの下り坂でブレーキを使用する場面などで安定感が不足してしまい、バランスを失ったり安心して走れない症状を招きます。
また、今回の様な練習走行でもその弊害は現れていました。それは 僅かなバンク操作で本来の設定以上にハンドルが切れ込んでしまい、小ターン時に充分なバンクコントロールさえできない状況が散見されましたが、これはライダーの責任ではありません。 車両のバランス・方向安定性を失う設定の車両になっているからです。
どうでしょう? その後、本来の状態へ戻しての走行感は?
足付き性は悪くなりますが、安定し安心して走れる車両の方がずっと安全で楽しめると思います。

 

森田  智 さん 】

はじめて (やっと?)GRA イベントに参加して下さって、どうだったでしょうか? 期待を裏切らない(?)感触もあったようで少し安心もしています。
さて、今回実際にその走りを拝見した感想を率直に言わせて下さい。
「とても上手で、何も指摘すべき事はありません!」
一般公道を普通に走行していただけでは決して得られない程に(?)ライディング技術のレベルは高く、きっと何らかの機会を見つけて努力されてきた結果が見事に身に付いていますね。
・ ・という訳で、ライディング技術に関する指南は一切行なうつもりはありま
せん。 ただし、当日の“わがまま”で要求してもらった様に、車体のアライメント調整などは得意種目の一つですから、当日に行なったフロントサスペンションの簡易チェックに留まらず、車体全般に亘りより緻密なチェック作業の指南や実施を、是非!次の機会に“わがまま”(要求)して下さいね。
さて、ここで当日行った処置を確認のために改めて説明すると、フロントフォークの“捩れ”が原因と思われる左右のターン差があったため、簡易的な処理でしたがフロントフォークの整列調整を行ない、同時にフォーククランプボルトの締め付けトルクが過大になっていたために指定値の 1.8 kgm に調整しただけです。 この処理によって、車体側が原因の左右のターン差は大きく改善するでしょうし、フロントフォークの作動性が高まり、操作性が軽くなり、ターン中の安定感も高まったのが感じられたでしょうか?
この様に、GRA の講習の特徴は ライディング操作そのものよりも、オートバイとの会話をする技術を磨く事にあり、会話を深めるための車両の基本メインテナンスからセットアップの指南、そして車両の構造や基本メカニズムから導かれる基本的な運動特性の理解を深めるためのレクチャー、そして基本的な会話をするための基礎カリキュラム(練習)などは豊富に用意しています。
どうぞ、次の参加の機会にもたくさんの“わがまま”を用意して、オートバイとの会話を深めて、楽しいライディングの世界をもっと味わって下さい。

   

灘井  秀夫 さん 】

久し振りの参加でしたね !♪
2004年以来でしたから、ほぼ5年ぶりに“走り”を拝見してびっくりしました!
それは、それは、長足の進歩! という以外にありません!
以前に較べて、バンクコントロール技術、活用できる荷重コントロール範囲の広さ、そして挙動の“キレ”の鋭さ、それらどれをとっても格段の進歩を実感しました!
きっとこの5年間の間に、車両の変更だけでなく、たゆまない努力(練習)を人一倍に重ねていらっしゃった事は容易に推測できます。 立派です。
ただ、逆に言えば、GRA の知識や経験を盗み奪ってもらえたならば、現状の世界からは想像できない異次元の世界へと“ワープ”できるだけの“基礎体力”を備えている状態だと言えるでしょう。
どうぞ、“わがまま”を存分に活用して、奪い取って下さい!
とかく、一般的な「オートバイのライディング講習」の世界は、どんな状態の車両でも思い通りに操る事を目標、最善、としています。
しかし、GRA では オートバイ本来備わっている特性を尊重し基礎レベルから理解を深め、オートバイが持っている能力を最大限発揮させ、且つライダーは可能な限り最小限の操作に留め、オートバイと会話を深めてオートバイ任せで乗せてもらう事を目標にしています。
どうです? 最強の組み合わせが見えてきましたか?
でも、今回体験してもらった例はごく一部です。
車両各部の最適なアライメントチェック&調整方法に始まり、基本的物理特性から導かれる基本的な運動特性の理解、車両本来の資質を最大限有効に活かすためのセットアップ方法など、ちょっとした“わがまま”だけではゲットできない程に役立つアイテム満載です。
どうぞ、またあの“走り”を見せてください。 そして、更にレベルアップさせる楽しさを味わって下さいね。

  

山本 篤 さん 】
懸案の(念願の?)テーマを達成するための良い一日になったでしょうか?
昨年までとは異なった銘柄のタイヤへと変更したため、一般公道走行では看過してしまうような操縦特性の変化が発生、しかしスポーツライディングでは大きな変化となって目の前に立ちはだかってしまった問題の解決は進んだでしょうか?
以前の銘柄のタイヤは、現在の銘柄との比較で言えば、全体にマイルドな特性でいてターン初期からの操縦性(向き変え特性)が表れやすい性格で、それに合わせてのセットアップを施して良いバランスをみせていたのですが ・・・
変更後は、初期は方向安定性が高く(曲がり難い)、ターン中期以降は積極的に向きを変えていく操縦性の特性がはっきりと表れてしまいましたね。
大幅に異なる特性には、大幅に方向性の異なるセットアップが必要になり、現状の変更方向はイニシャル(初期荷重)を減らして初期の方向安定性を減らし、ターン中期以降の方向安定性を確保するために(トレール量確保)残ストロークの最適調整を行なう方向で進めている事は理解されている通りです。
今回はフォークオイルの追加作業などで残ストローク量の変更を行ない、より良い方向へと向かっている事はタイムトライアルで残せた「タイム指数」でも明らかです。 ( 今回の結果タイム指数は、現在の車両で残したベスト!です ♪)
ただし、今回のような僅かなセットアップ変更でも大きな変化が得られた事で満足しないでください。もっと貪欲になりましょうね。
更に最適な残ストローク値の追及や乗車時(1G ’ )車高(前後)バランス調整などを行なっていけば、もっと&もっと 感涙(?)の世界が待っています。
どうぞ、“わがまま”をしっかりと主張して、知識や調整、説明を強要してくださいね 。
( “わがまま”を出した分だけ 願いが叶う! ・・ 筈 ♪ )




*  *  *  *  *  *  *  *  *  *  *  *


 サークル理論 と 応用練習aa





【サークル理論】と言っても、オートバイの 解説書や物理工学書にも出てこない言葉ですから誰も知らない筈です。
( GRA 用語/ GRA 造語です )

しかし、その内容や本質はライダーなら殆どの人が理解できる筈です。
つまり、サークル理論とは、オートバイを一定の速度(アクセル開度)に保ち一定のバンク角で走らせると、オートバイは一定の半径の円(サークル)の上を安定して走り続ける! という理論です。
(とても簡単な理論ですから、もしかするとライダーでなくても理解できる方は多いのではないでしょうか )

では、実際に試してみましょう!
充分な広さのある平滑な舗装路面を選び、走行して描く円(サークル)の中心とする箇所にパイロンなど目印になるモノを置き、その周りを右回転でも左回転でも好きな方向に旋回してください。ただし、ブレーキは一切使わないで走行します。
どうでしょうか ・・? 毎周同じ箇所をタイヤが通るでしょうか ?
旋回に慣れてきたら、タイヤが通る路面にチョークなどで目印をつけて同じ場所を毎周通れるかチェックしてみましょう。( ブレーキで調整するのは一切無しです )
本来、同じ円(サークル)の上を走り続けるのはオートバイの基本特性ですから、周回する度に大きく外れてしまう方の場合はライダーが余分な操作をしていると言えます。
えっ? 同じ円の上を走れるようになったのですか?
素晴らしいですね! オートバイ本来の能力を邪魔しないという大切な感覚が身に付いたのかも知れませんね。 では、慣れた方は片目あるいは両目をつぶって走行してみましょう! ( 必ず周囲の安全確保の上で! )
急に大きく姿勢を乱してしまったとしても恥じる必要はありません。
安定した周回をしたと思っている時にもライダーが無意識に細かな修正をしていたというだけの事です。更に上のレベルへ上達できる近道が見つかったのですから。
どうでしょう? 全くオートバイ任せに走らせる時に感じる不安感と同時に、オートバイが自主的に走る力強さや頼もしさを感じられたでしょうか?
それが、オートバイが備えている大きな能力ですし、その能力を活かした走法を身につける“ヒント”です。

では、サークル理論(練習)の応用を紹介しましょう。
ある程度練習すれば、厳密に同じ円(サークル)でなくても構いません、ほぼ安定して走るのに慣れてきた方にお勧めします。
最初に用意した回転中心とは別に、7m以上離れた箇所にもう一つ回転中心の目印(パイロンなど)を置きます。(9〜12m程度がお勧めです)
そして、左右どちらかの回転方向を決めて、先ず一方の目印を中心に安定した円(サークル)を描くように走行します。そしてほぼ安定した円(サークル)が描けたならば、加速してそのサークルから脱出してもう一つの目印を中心にした円(サークル)を描くように走ります。
この時、回転方向は一定方向でブレーキは一切使用せず、バンク角もほぼ一定に保ち、アクセル操作だけで二つの円(サークル)を連続して描けるようにしましょう。
そうすると、きっと色々な事が理解できる筈です。
例えて言えば、一つの惑星の周りを安定した周回軌道で周回していた宇宙船があったとして、ロケット再点火して周回軌道を離脱して別の惑星へと向かい、その惑星の直前でロケットを逆噴射して狙った周回軌道に無事に入るためには、ロケットの点火タイミングや逆噴射のタイミングはとても限られた範囲にあるのと同じ事です。
つまり、バンク角を保ちつつ別のサークルへと向かいアクセルを開けるポイントは限定された箇所にあり、次のサークルへ安定して進入するためにアクセルを閉じるポイントも限られた地点にあるという事が理解できるでしょう。
これらの特性が見えてきた時こそ、オートバイ本来の特性に気付く時で、オートバイと親密な会話を達成する第二段階に到達したと言えます。

走行して描く二つの円(サークル)を空から見たとしましょう。
サークルを離脱して次のサークルへ向かうにはサークルのどの地点でアクセルを開けると良いか? 角度にして何度の位置が良いか探ってみましょう。
アクセルオフにして次のサークルへと減速を開始する地点も同様に考えてみると、オートバイの特性の理解に役立ちます。

では、更に次の応用練習へと向かいましょう!
二つの目印(回転中心)はそのままに、一つを右回転に、もう一つを左回転にします。
一方のサークルを描いた後に次は逆の回転方向で安定したサークルを描き走行します。
どうです? 結構難しいと感じたり、意外とやりやすいと感じたりするでしょう。
左右への切り替えしが入る分だけ難しさは増えますが、切り替えしという絶好の加重タイミングでコントロールがし易い分だけやりやすいと感じる人も居るでしょう。
( もちろん! ブレーキは一切使用せず、アクセルとバンクコントロールのみです )
ここでのポイントは、必ず一周以上は安定したサークルを描いた後に次のサークルへ向かう事と、安定する範囲内でより小さな半径のサークルを描けるようにする事です。
そして、どの地点でサークルから離脱し、どの地点でサークルに入るのが最も自然で楽に走れるかをチェックしましょう!
きっと、サークル上のその二つの地点はあまり離れていない事に気付くでしょう。

では次の段階へと進みます。
今まで一回転していたのを止め、安定したポイントでサークルに進入したら、すぐに離脱すべき地点でアクセルを開けて次のサークルへと向かってみましょう。
ごく短い期間ですが、オートバイが本来求めている安定した円(サークル)の上を走行している事を感じつつ走行できるでしょうか?
実は、これが 8の字走行 、オートバイの基本練習 と言われる走法の基本です。

ターンに進入する前に、オートバイが自然に描く円(サークル)の大きさを決め、それに合わせてバンク角やアクセル開度、進入ポイントを守ってやった時こそ、オートバイが持っている能力を最大に活かせるし、円(サークル)が事前に設定できるという事は脱出速度を設定できるという事で、本来の 8の字走行 には様々な重要な要素が含まれて(必要になって)いるのです。
ところが、一般に行なわれている 8の字走行 は、ただ 右ターンと左ターンを繰り返す練習に他ならず、しかも アクセルやバンク角コントロール とは別に ブレーキコントロールという要素が加わり、様々な事を整理しないままに一挙に慣れるまで練習している例が殆どのように見受けられます。

今回、サークル理論を最初から読み、理解をしつつ実際に走行を繰り返し、様々な会話をオートバイと試みながらここまで来た方は既に理解できた事でしょう。
8の字走行 は 難易度が高い! でも いつかは攻略したい テーマ である事が。

この様に 【サークル理論】はオートバイのターン(旋回)のマスターには欠かせない理論で、90°ターンを始めとして 180°ターン、30°ターンなど様々な場面で基礎となる大切な理論です。
ここでは紙面の関係もあり充分な解説は出来ませんが、様々な場面でこの理論を応用して、あなたなりにオートバイ本来の能力を活かした、安全性や走行レベルが高く楽しいライディングを実現させていきませんか。
  


 リザルトの見方は !a




GRAではタイム測定を行なう度に『タイム指数』を算出して、ライディングスキル等がどの程度向上したのか、或いはベストの時と較べてどの程度ダウンしているのか?を簡単に見分けられるようにしています。
ここで読み取り方の説明を致しますので参考にして下さい。

『 基本タイム指数 』 その方が過去に記録したベストのタイム指数の事で、その人の上手さのレベルを表すものです。 新たにタイム測定を行なった際に、この 「基本タイム指数」 よりも小さな値のタイム指数(結果タイム指数) を出せれば、今までよりも上手に走れた事を示します。
ちなみに、この基本タイム指数(タイム指数)を更新した方にはもれなく! 奨学飴” (飴)を差し上げます。
『 結果タイム指数 』 その日のタイム測定で算出されたタイム指数の事です。
『 実力発揮度 』 持っている実力をどの程度発揮したかを表す数字で、計算方法は、『結果タイム指数』を 『基本タイム指数』で割ります。
つまり、実力発揮度が小数点以下になればスキル(実力)が伸びている事になるのです。
『 仮想ベストタイム 』 その人が実力通りの走り(基本タイム指数通りの走り)をした場合、どんなタイム結果になっていたかを表しています。

この表を見るのに慣れるのに多少時間は掛かるかも知れませんが、スキルが伸びたかどうかが一目で判断できますし、どの程度のタイムを出していれば “奨学飴”がもらえていたのかも簡単に見分けられますので、とても便利ですよ ♪
 


関連資料一覧  
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