では、ステムベアリングの確認と調整で大切な事を、項目ごとに、順番に解説をします。
項目ごとの詳しい作業の様子については、ページ下段で紹介している『ステムベアリング整備』や ページ3で紹介する 解説動画・『ステムベアリングの調整について』を参考にしてください。
なお、フロントホイールの取外しや、フロントフォークの取外し作業の説明は割愛します。
1. べアリングのボールとレースの傷を確認します
フロントホイールとフェンダー、フロントフォークなどを取り外して、ステム中央部にある
ステムナットを緩めて取り外して、アッパーヨーク(トップブリッジ)とアンダーヨーク
(ボトムブラケット / 三つ又)を取り外します。

続いて、ベアリングの中のボールと、ボールと接する円環状の部品・レースに残る古いグリ
ースを拭き取ってから、ボールとレース表面の状態を確認します。小さな傷や窪み(打痕)
は。爪先で表面をなぞるように触ると、確実に確認ができます。
ボールとレースの双方に問題が無ければ交換の必要性は低く、明らかに傷がある場合には交換
がお勧めです。


2. グリースを新品に交換・給脂します
ベアリングには、ボールとレースの間に僅かな“すきま”があり、その“すきま”には新しい
グリースが満ちている事が正常な動作の絶対条件です。必ず、古いグリースを拭き取り、その
粘度やザラつきを指で確認した後、ベアリングの全ての“すきま”を新しいグリースで充填
します。
【 補足説明】
オートバイで数多く使用されているベアリングの中で、ステムベアリングが最も特殊な
用途と環境で使用され、その為にオートバイ特有の問題を起こしている事を次のページ
で解説していますので、ご覧下さい。
3. アジャスティングナットは軽く締め、全体を組立てます
いよいよ、組立てに入りますが、この時、最も気をつけたい事はアジャスティングナットを
締め付け過ぎない事です。車両メーカーが指定の締付けトルク値よりもずっと軽い力で締め
付ける事をお勧めします。(理由は、次ページ で解説していますので、ぜひ、ご覧ください)

以上、簡単ですが、ステムベアリング整備について解説をしました。
また、別コラムで『 ステムベアリング整備 』を掲載していますので、参考にしてください。
ここまでの解説で、もし、ご不明な点や確認が必要な事がありましたら、ぜひ、お問い合わせください。 また、次のページでは、「オートバイに使われているベアリング」や「ステムベアリングの特徴」などを詳しく解説していますので、興味のある方は、一読をお勧めします。
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