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いつまでも、楽しく、安全な、オートバイライフの
環境作りに必要な事を、4項目に分けて解説します

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Common sense and insane

殆どのオートバイのハンドルに装着されているバーエンドウエイトは、殆どのライダーに注目されない部品の一つです。グリップの保護だけでなくバランサーとして機能している事に注目すれば、ライダーや使用用途に合わせて調整・セッティングすべき部品の一つです。

The bar end weight on most motorcycle handles is one of the parts that most riders don't pay attention to.If you pay attention not only to the protection of the grip but also to the fact that it functions as a balancer, it is one of the parts that you need to adjust and set according to your rider and usage.



  たかが、バーエンド ウエイト、 されど ・・
  
  It's just bar end weight, but...





『 バーエンドウエイト作成記 』 Bar end weight production note


試乗した人からの評価はいつも「怖い」で、軽量化だけを狙って作成した本人・僕は、軽くキビキビと反応するステアリングの不安定感には目をつぶっていた。しかし、いつまでもステアリング周りの不安定感を我慢していても先は長くない。 不安定感を解決する為に、構想一日・作成一時間、最適なウエイト(重さ)の バーエンド ウエイト作成に挑戦してみた。

先ずは、今使っている 最軽量版・自作バーエンドを分解する。


バーエンド試作 「たかが バーエンドウエイト、されど ・・」

   
自作して使っていたバーエンド(プロテクター)は、内部に制振用(振動や衝撃吸収)のゴムは入っているが、とても簡単な構造だから “ ウエイト(重り)”の追加加工も楽だった。


バーエンド試作 2 「たかが バーエンドウエイト、されど ・・」    
  
最適なウエイト(重さ)を探るのが目的だから、適度な外径と重みのある ワッシャー(プレート)をウエイト用に購入して、そのワッシャー が外周方向へ遊ばない様に 位置決め用のカラーを作成して、ワッシャーの枚数をいつでも変更できる構造だ。
見た目にチープ感が一杯のワッシャーをウエイトの代用にしたのは、最適なウエイト(重さ)を確認した後で本番用ウエイトを真鍮材から削り出す構想だからだ。










『 試作バーエンドウエイトの効果は? 』  Effect of prototype bar end weight


バーエンドエンドウエイトの試作第一号は、1枚の重さが 12gのワッシャーを 5枚、ウエイト 60g の仕様で組み立てて、一般道の直進路を走ってみた。

  
バーエンド試作 3 「たかが バーエンドウエイト、されど ・・」
バーエンド試作 4 「たかが バーエンドウエイト、されど ・・」    
  
最初に感じた効果は「乗り心地が良くなり、直進安定が性高まった」だった。
確かに、左右 60gずつ、合計 120g の重さが感じられるハンドリングにはなったが、それ以上に タイヤのトレッド面が路面にしっかりと当たっている感触が伝わってくるのだ。


 
 ■ 考察 ■   Consideration of the effect

この効果(変化)が出た理由を考えてみて、フロントサスペンション周りの 余分な振動(前後方向・X軸を回転中心にした振動)が減った為という仮説を思いついた。 つまり、走行中のオートバイは様々な場所で様々な方向の振動をしているけど、その振動の中でフロントサスペンションの動きを妨げる振動を 試作バーエント ウエイトが減らしたのだろうと考えたのだ。
 


バーエンド 効果 「たかが バーエンドウエイト、されど ・・」
 
  

オートバイを直立させて走っている時、オートバイを正面から見て、左右のハンドル端部(バーエンド)はハンドル中央部を軸に回転するような上下振動をする。その振動成分はフロントフォークのスムーズな伸縮を妨げる様に作用してしまうが、バーエンド ウエイトによってその振動が抑えられたので、その結果でフロントフォークの動作摩擦(フリクション)が減り、サスペンションの作動性が高まり、タイヤの接地性も良くなって、乗り心地やグリップ感の向上に繋がっているのだろう。

では、最も気にしている ターン/コーナリング(旋回)時に与える影響はどうだろう?










『 バンクさせた時の効果は? 』  Effect of bar end weight when leaned


オートバイのハンドリングが一番不安定になるのがバンク開始時だから、直進走行時の乗り心地や安定感が良くなっても満足はできない。そんなテスト走行が可能な専用のエリアで、最初は 60g仕様のまま、直進状態からバンクさせてターンインを開始させた直後のステアリング周りの安定性を確認するテストを行なった。 その結果は、一般道・直進路で感じた時と同じく、「 重さは感じられるが、安定感は高くなった 」だった。

この効果が出たのも余分な振動成分が減ったためという仮説が考えられる。
ただし、今回の振動成分は、ステアリング(ハンドル)の回転軸を中心にハンドル端部が回転方向に振動する、ステアリング軸周りの振動成分だ。
 
 

バーエンド 効果 2 「たかが バーエンドウエイト、されど ・・」

 
 
このステアリング軸周りの 回転振動成分は、直立・直進走行している場合にはあまり気づかないけど、バンクさせる時にはオートバイに左右非対称な力を加えるので、左右の力のバランスが崩れた時には顔を出しやすいのだろう。
 
 

バーエンド 効果 3 「たかが バーエンドウエイト、されど ・・」

 
 
もちろん、バンクさせて暫くすれば、タイヤのトレッド面が路面との間で起こした振動は収まり、フロントフォークの上下振動も収まるので、そのステアリング軸周りの振動は収まる。
しかし、低速時やバンク角が大きい時には振動が発生しやすい。それなのに、今まではバーエンド にウエイト(重り)をつけていなかったので、ステアリング軸周りの振動成分が抑えきれず、フロントタイヤの方向安定性を減らし、タイヤのグリップ感を減らしてしまい、初めて試乗する人には“ 怖さ ”を与えていたのだろう。

試走した後、念の為にウエイトを全て外して、昨日までの状態(ウエイト 0g)と較べてみた。
すると、その違いは明らかだった。0gだと不定感を大きく感じて、直進路は気にしなくても、バンク開始した時の違いは大きく、もうウエイト 0gには戻れない !

では、何gのウエイト(重り)が一番バランスが良いのだろうか?










『 最適ウエイトは、48g? 60g? 』  Is the optimum weight 48g? 60g?



最適なウエイトを探るために、ワッシャー枚数を3枚にして、ウエイト 36gを試した。
確かに、ウエイト 0g の場合よりも安定感は増しているけど、不安定感をは一掃できずに残っている。もう少しウエイト増やす必要がありそうだ。

次に、ワッシャーを 4枚、ウエイト 48g で試してみると、ステアリング軸周りの回転振動もずっと少なく、バンク開始時の重さも不快に感じられない。 かと言って、60g の時の安定感は忘れ難いが、60gで感じたあのバンク開始時の重さ感は・・出来れば避けたい。

どちらにしても、ステアリングとフロントサスペンション周りが上手にバランスする最適なウエイトは見つかるだろうし、見つかれば 専用のウエイトを削り出して綺麗に整えたい。
参考までに、市販車両に装着されているバーエンド ウエイトはもっと重く、軽い場合でも 片側100g、重い場合には 200g以上の場合もある様だが、それもメーカー側が設定した 操縦安定性にするためだ。(でも、安定し過ぎるのは僕の好みではない)

このバーエンド ウエイトの試作と試走を通じて、僕はバーエンドウエイトの大切さと、その重さの僅かな違いが操縦性と安定性にはっきりと影響を与える事を初めて知ったので、その体験と知見を 『 その他・考察 』で書き留めておきたい。











『 その他・考察 』  Knowledge gained from trial and test ride


■ 振動系の制振機能 ■   Role of vibration control system

〇 バーエント ウエイトは、フロント周り、特にステアリング周りで発生している様々な振動が
  操縦性や安定性に悪い影響を与えない様に、制振用ゴムを介して取り付ける事によって、別の
  一つの振動体として全体の振動バランスを中和する働きをしている。

〇 慣性質量を持つ物体として安定成分に寄与しているとも考えられるが、例えハンドル両端に
  装着されていると云っても、高速で回転するエンジンやホイール(タイヤ)や、もっと重い
  部品の存在を考えれば、バーエンド ウエイトは慣性質量としての働きより制振用ウエイトと
  して考える方が良い。

〇 よく「エンジン振動がハンドルに伝わり、それによる手の疲れを抑えるのがバーエンンド ウ
  エイト」とも言われているが正しくないだろう。特に、エンジン振動が単気筒や2気筒に較べ
  てずっと少ない 4 気筒エンジン車ならばそうだろう。


■ 最適なウエイト探しの提案 ■
  Importance of optimum weight setting

〇 一般に バーエンド ウエイトは重い程に 安定性が高くなり、軽いほどに操縦性が良くなるが、
  最適なウエイトはオーナーの使い方や体格、感性によって決まるものだ。だから、車両の現在
  の操縦安定性に多少でも我慢しているのなら、最適なバーエンド ウエイト(重り)探しを提案
  したい。社外製品で多くの種類も販売されているのだ。

〇 特に、高速道路では不満は無いけど、狭い市街地道路では車両の重さを強く感じてしまう場合
  には、より軽いバーエンド ウエイトへの変更も一手だ。


■ 注意事項 ■
 Things riders should be aware of 

〇 車両の操縦性や安定性をバランス良く保つ為には、ステムベアリングの点検整備を欠かさず、
  タイヤとサスペンションの整備・交換を行ない、ケーブルなどの取り回しによるステアリング
  の引っ掛かりを抑える事が大切で、バーエント ウエイトはその次の課題だろう。

〇 ステアリング(ハンドル)周りに用品を追加装着している人は要注意! グリップヒーターや
  スマホスタンド、ドライブレコーダーなどを装着した場合には、それが 100g程度の用品だ
  としても、必ず操縦・安定性には悪い影響が出る事は認識すべきで、特に左右非対称に用品を
  装着すればもっと影響は大きくなります。 車両自体の安全性能を高く保つ事を考えるならば、
  そういう追加装着は最小限に留めるべきだろう。






< Summary of this page >
As a result of repeated trials and test-driving of several types of weights to find the optimal weight for bar end weights, I found that bar end weights are more effective in improving handling stability than I expected.
Although the weight of 0g gives light feeling, it was found that the lack of stability had a negative effect on the maneuverability, and I learned that adjusting the weight to the optimum weight was indispensable for motorcycle riding.


< 解説文章と画像 :小林 裕之
< texts and images : Hiroyuki Kobayashi >









* * *  続編・次ページは 『 最適バーエンド ウエイトの製作 』です * * *
The title of the next page is "Looking for optimal bar end weights".


わからない用語は、ページ下段の【用語の解説辞典】で確認できます
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