そもそも、「直進安定性」とはキャスター角だけに依存している訳ではない。
特に、四輪車の場合とは異なり、左右への傾斜(バンク)が操縦の前提になっている二輪車の場合、キャスター角に直進安定性を依存する事が出来ないのだ。
工学的に考えれば、二輪車で、低速度域の直進安定性に大きく関わっている設計要素は以下の通りだ。
「 ホイールベース 」( 軸離 / 前後ホイール中心間距離 ) ・・ 長い程に直進安定性が高い
「 フレーム剛性 」(主に骨格横方向の曲げと捻じれ剛性)・・ 高いほどに直進安定性が高い
「 タイヤの外径 」・・ 大きい程に方向安定性が高い ( タイヤ接地面の前後長が長い )
「 タイヤの形状 」・・ 接地面の左右幅が狭い程に方向安定性が高い
「 トレール量 」 ・・ 長い程に方向安定性が高い 以上、五つの要素が直進安定性を左右する。
※ 高速度域では、回転モーメント・ジャイロ効果などの要素が直進安定性を高める
※ 方向安定性とは、主に前輪が向いている方向へと進もうとする要素で、車体全体の直進安定性
とは指す内容が少しだけ異なります
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