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いつまでも、楽しく、安全な、オートバイライフの
環境作りに必要な事を、4項目に分けて解説します

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Common sense and insane

オートバイは、ライダー自身や他者に対して凶器となる乗り物です。それを未然に防ぐには、適切な操作技術、正しい整備を行なう以前に、身体に合った車両である事が重要です。車両メーカーと販売店は、それに必要な情報を提供し、注意や警告の義務を負っていますが、充分に行なわれず、オートバイの評判を下げています。

In order to prevent accidents, it is important to be a suitable vehicle for your body before performing proper operation techniques and maintenance.Vehicle manufacturers and dealers are required to provide the information they need, and are obliged to be careful and warned, but they are not done enough to reduce the reputation of motorcycles.


  Safe relationship between
     foot and pedal size



それは、見学したメーカー主催のライディングレッスンで、インストラクターの人が、受講者にステップに踵(かかと)を置かないように!、と 注意を促す言葉だった。

  「 はい! 踵(かかと)」

確かに、見学当初から気になっていたけど、参加した女性の約半数、3〜4 名の人、
ライディングの際、右足の踵(かかと)をステップの上に置いていた。




『 ステップは、土踏まずで 』 How to use the steps

そう、ステップは“土踏まず”に合わせるのがライディングの基本だ。
何故なら、ステップから足が外れ難くするためだ。

足は、単にステップの上に置いているのではなく、ステップを踏み込む様に力を加えてオートバイをコントロールするのが大切な役割だし、時には踏み込みながら前後の方向に力を加える事もあるので、“土踏まず”でステップを踏む必要がある。

だから、ライディング用のブーツやシューズは、ソール(靴の底)の“土踏まず”の部分は必ず窪んでいて、ステップから足が外れ難く、コントロールし易くなっているのだ。

GRA、足のサイズとステップ、ペダル の安全性_1




『 彼女たちの事情 』  Inevitability of them

しかし、その彼女達には彼女達なりの事情があった事がわかった。

身長 150p 程、尋ねて確認したわけではないが、小柄で足のサイズも 23p 前後に見えた。それが原因ではなかったのか?

そこで、昨日、知り合いの女性( 足のサイズが23p )をモデルにして、事情を確認する事にした。





『 実車で確認 』 Check with actual vehicle

確認に使用した車両は、僕のトラ君、トライアンフ ストリート トリプル だ。 ただし、ステップ周りの部品一式は ヤマハ R-6 用に変更済みだ。

GRA、足のサイズとステップ、ペダル の安全性_2

ステップの後端からペダルの中央部までの距離は 約 15p で、僕の足( サイズ 27.5 p )、ブーツサイズ 44 の場合、 ステップに土踏まずを合わせた時、ペダルの中心部は 親指 の付け根辺りで踏む事になり、ペダルを踏む力を 親指でコントロールし易い状態だ。

GRA、足のサイズとステップ、ペダル の安全性_3

一方、足のサイズ 23 p のモデルさんの場合は明らかに悲惨だ。
ステップに土踏まずを合わせて乗ると、ペダルは 靴の先端近くで踏む事になる。

GRA、足のサイズとステップ、ペダル の安全性_4
GRA、足のサイズとステップ、ペダル の安全性_5

が、シューズの中、足の事情を見れば、ペダルは親指に届いてもいない。

GRA、足のサイズとステップ、ペダル の安全性_6

このままでは、多少のブレーキ操作は出来るかも知れないが、ペダルを踏む力、つまり リアブレーキをコントロールする事は難しく、下手をすると 靴先 がペダルから滑り落ちる可能性もあり、どちらにしても 危険だから、オートバイに乗る事は勧められない状況だ。

また、レッスン会場で見た、ペダルに親指を合わせてブレーキコントロールがし易い乗り方も再現して確認をしたが、ステップには踵(かかと)部を置く事になり、滑りやすく、ステップへの荷重コントロールがし難く、やはり インストラクターの注意の通り、お勧めできる方法ではない。

GRA、足のサイズとステップ、ペダル の安全性_7

では、足のサイズは幾つ以上だったら良いのだろうか?

他の友人の助け(靴)を借りて、足のサイズ(靴のサイズ)が どの位だったら操作に支障が出ないかを確認したところ、サイズが 26 cm 以上であれば ブレーキコントロールを確実に出来る事を確認したが、逆を言えば、26 p 以下の足の人の場合には支障が出る可能性があるという事だ。

果たして、こんな事が許されて良いのだろうか?
いや、安全が第一であれば、決して、あってはならない事だ。





『 メーカー責任のあり方 』 Manufacturer Responsibility

メーカーが車両を設計する際、想定する標準的ライダーの体重や体格などに合わせて 車体各部のサイズやスプリング(レート)を決める事は良く知られている事。
だから、僕のトラ君の場合に限らず、各メーカー共に、ステップからペダルまでの距離も ほぼ一定の値になっているし、実際に様々な車両に乗って実感している事実。

でも、足のサイズ 23p の人にとっては 安全なライディングが出来る状態ではない。
リアブレーキ のコントロールをする為には、ペダルに親指を合わせて、踵がステップの上、というライディングを強制されるのだ。
 
責任あるメーカーの対処は、車両毎の 推奨(適合)する身長や体格、足や手のサイズ を明記して販売するべきだ。そして、足の小さい人に対応した設計のペダルを、オプション設定して販売すべきだ。
しかし、どのメーカー共に、その責任ある対応を取っていないし、販売店でさえ 足のサイズが小さいと分かっていても、多くの場合は説明さえしていない現状だろう。
  
ご存知の通り、1995年7月、製造物責任法(PL法)が制定され、製品を製造する者、そして製品を販売する者すべてに、製品の欠陥等に起因する事故によって使用者が損害を被った場合には保障する事、そして 販売者は製品の使用によって損害を被らない様に、その危険性を「警告」や「注意」等の名称と指定記号を添えて伝える義務を負っています。

しかし、車両メーカーの オーナーズマニュアルには、足のサイズが小さい人が乗る場合の“注意書き”や“警告”の文章さえなく、その事を知らされない足の小さなオーナーが、ステップ設計が原因で事故した場合にさえ、メーカーや販売店は責任を負わず、すべてがライダーの自己責任扱いになっている現状は正しい姿とは言えない。


          下図は【 オーナーズマニュアル 】の一例
GRA、足のサイズとステップ、ペダル の安全性_8

メーカーが“注意喚起義務”を充分に
果たさず、ライダーは大切な情報を得られず、オートバイを購入して、安全な運転で楽しもうとしているにも関わらず ・・・

  「 はい! 踵(かかと) 」

その注意の一言だけで、 済むような話でない事は間違いないだろう。





『 安全運転指導を行なっている方へ 』 Toward safe riding instructors

先ず初めに、安全運転に必要な技術や意識を高める為に、日頃から尽力されている方々へ尊敬を申し上げます。
どうぞ、これからも、ライダーの安全を高める為の活動をお願い致します。

ただ、今回の件に関して、お願いしたい事が一つあります。
それは、オートバイをライダーに合わせて調整・セッティングする事の重要さを、受講されるライダーの方達に伝えて戴きたいのです。

そう申し上げるのは、一部の指導者に見られるのですが、「 どんなオートバイでも、上手な人は乗りこなす 」的な偏った指導方針の風潮を危惧しているからです。

ご存知の通り、オートバイは扱い方を誤ると重篤な事故を招く乗り物・凶器です。
その重篤な事故を避ける為には、適切な整備と正しい運転技術以前に、ライダーの体重や体格に合わせてオートバイを調整・セッティングして、より的確な操作を容易にして、誤操作を未然に防ぎ、オートバイを操る感覚を研ぎ澄ませる環境を整える必要があります。

ついては、前述の通り、足のサイズとオートバイとのマッチングの確認、手の大きさとレバー調整位置や角度の確認、ライダー体重に合わせた適切なリア・プリロード調整の確認など、最低限の調整の知識を身に着けて、受講者の人達が真に安全な運転を目指せる様なアドバイスを願うものです。





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