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いつまでも、楽しく、安全な、オートバイライフの
環境作りに必要な事を、4項目に分けて解説します

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Common sense and insane

日本は、世界的メーカーが4社あり、オートバイ先進国の筈ですが、オートバイを正しく整備・セッティングして、ライディングで楽しむというオートバイ文化は未成熟な国だと言えます。その原因の一端はライダーにありますが、適切な情報提供をしないオートバイメーカーや販売店、メディアなど業界にも責任があります。

Japan has four world-renowned manufacturers, but the motorcycle culture is an immature country where motorcycles are properly maintained and setting, and are enjoyed with proper riding. The cause is partly at the riders, but there is also cause in the whole industry such as motorcycle manufacturers, dealers and medias who doesn't offer appropriate imformation and knowledge to the riders.

  Let's know the insane of the motorcycle


『 自転車のフィッティング 』 Bicycle fitting

自転車には殆どの人は乗った事があると思いますが、その自転車のフィッティング、つまりライダーに合わせて自転車の調整の事を書きます。


■ フレームサイズの選択  Selection of frame size

自転車には、用途によって様々な種類があるだけでなく、同じ用途の自転車でもライダーの体格に合わせて幾つかのサイズが売られているのが一般的です。つまり、用途に合わせて自転車の種類を選んだ後は、ちょうど洋服のサイズを選ぶ様に、乗る人の体格に合わせてサイズを選ぶのが当たり前です。
また、選択するサイズにはホイール(タイヤ)のサイズと、フレーム(自転車の骨格)のサイズなどがありますが、用途が決まるとほぼホイールサイズは決まってくるので、実際には フレームサイズの選択をする事になります。

では、オンロード系の自転車の例を挙げて、フレームサイズの選択の解説をします。



上の画像の自転車は、世界最多の販売台数を誇る台湾メーカーの自転車で、マウンテンバイク系のフレームや装備を基本に、街中や近距離を気軽に楽しむ用途に合わせてロード走行用にアレンジされたモデルで、「クロスバイク」と呼ばれるジャンルの自転車です。

もし、この自転車の購入を決めた後は、ホイールサイズは決まっているので、フレームサイズを選ぶ必要があります。 そのサイズ表は下記の表の通り、フレーム各部のサイズや角度の一つひとつがメーカーから発表されているので、この表を確認して選ぶ事になります。



上図のフレーム各部のサイズや角度は、A から H までの記号に置き換えて、下図の欄、 A から H で示した欄の中に 実際のサイズや角度が公表されています。
選択できる フレームサイズは、上の行から順に、430、465、500 の三種類で、一番右の列に 適応身長 (推奨) が記載されています。



上の表の様に、自転車のフレームサイズが細かく公表されている事を初めて知った人も少なく無いと思いますが、実は、自転車の世界ではこれが当たり前の事です。
また、こんなに細かなデータが公表されている事から、この自転車は高級な自転車だと思った人も居ると思いますが、実は、細かくフレームサイズの公開をする事は自転車業界にとっては当たり前の事で、それだけフレームサイズはライダーに合わせたフィッティングに重要なのです。

ちなみに、この自転車は メーカー設定価格で 5万円程と、この種の自転車としては最も廉価な製品です。その関係もあって、準備されているフレームサイズは 3種類だけと最低限の数ですが、より高額で、もっと多くのライダーに合う様に多くのフレームサイズが用意されている場合には、最低でも 5種類以上の サイズから選べる様になっているのです。


■ フレーム選びは第一段階 Frame size selection is the first step

一見、同じように見える自転車、跨って足が着ければよいとしか思われないのですが、人間の骨格は一人ひとりが微妙に異なる為、快適に効率良く走らせるには、オーダーメイドか それに近いサイズ設定の提供が求められているのです。

下に挙げる例は、ロードスポーツ系として一般に販売されている自転車のフレームサイズ表で、購入の際には、販売店などと相談して決めるのです。



上記の車両の場合、13種類のフレームサイズが用意されています。では、この中から 最も身体に合いそうなフレームを選んで終わり、かと言えば、そうではありません。ライダーに合わせる 自転車のフィッティングは、フレームサイズ選択が第一段階で、そこから 本格的なフィッティングが待っているのです。



『 フィッティング セオリー 』 Fitting theory of bicycle

自転車が発明されてから 約200年の間、様々な形や様式の自転車が生み出され、現在の様な形に落ち着いてから 約130年になります。それから、レースなどを通じて、より最適な形状や仕組みへと自転車が改良されていったのと一緒に、ライダーにとって最適なライディングフォームの追及と研究も進み、最適ライディングフォームについてのセオリー(法則)が生まれたのです。


                                
そして、セオリーに合わせ最適ライディングフォームを作り出す為に、自転車各部の調整、つまり フィッティングの知識も蓄積されていったのです。

例えば、下肢(股下)の長さによる最適なクランクアーム長、そしてそれから求められる最適なサドル高さ、ハンドルの形状やサイズ、ハンドルを装着するステムの長さや角度など、ライダーが最適なライディングフォームを得られる為の車体各部の調整知識と技術が蓄積され、それが 自転車のフィッティング として多くの人々に共有されているのです。




『 販売店のサポート 』 Bicycle dealer Fitting support

ここで紹介した 自転車のフィッティング セオリーは、自転車競技者は当然の事、ロードスポーツ車などの販売店スタッフにとっても常識的な知識ですから、販売店で購入の際には、最適なフレームサイズの選択に始まり、完成車購入の後には、ライダーに合わせての車体各部の調整やアドバイス等のサポートは、ほぼ必ず行なわれている事です。

更に、そのフィッティングを より緻密で正確に進めていく為、専用の機材を備えている販売店も珍しくなくなっています。
下図で紹介している機器は、その一例で、クランク、サドル、ハンドル位置を細かく調整しながら、ライダーにとって無駄無く、疲れずに力を発揮できるポジションを計測する為の装置で、ここで得られた最適なライディングフォームのデータを活かして、自転車の各部部品を調整する フィッティング を行なうのです。



紹介している機器はドイツのメーカーの製品で、負荷を与えてのライディング行ないつつ、同時に そのライディングフォーム を同時に計測する機能を備えています。



同様な機器は、世界の多くのメーカーで製造されていて、日本の世界的な自転車部品メーカー・シマノ社でも導入して各販売店に斡旋している程ですから、これから自転車を始めたいと考えている人は、販売店選びの参考の一つにするのも良いでしょう。

この様な フィッティングは、自転車競技に打ち込んでいる人専用と思われがちですが、決してそうではありません。新しく自転車を始める人にこそ大切な事です。
その理由は、最初から適切なフレームサイズで最適なライディングフォームへのフィッティング調整を行なう事こそが、ライディングの基本が自然に身に着きやすくして、疲れ難く、膝や腰を痛めず、自転車を楽しみ続けるのには大切だからです。





『 オートバイのフィッティング 』 Motorcycle fitting

では、自転車の場合と較べて、ライダーに合わせて オートバイの フィッティング を行なっている状況は、随分と大きく異なっている事が分かります。


■ フレームサイズの選択  Impossible frame size selection

誕生してから 150年余り経ったオートバイですが、自転車とは違って、ライダーに合わせてフレームサイズを選べる様にはなっていません。ライダーが動力源の自転車とは違って、動力源が備わっているオートバイの場合には、フレームサイズの選択という文化は生まれなかったのは当然の事かも知れません。

しかし、安全性の観点から言えば、多少無責任な販売方法だと言えます。

その理由を、洋服を通信販売で購入する場合に例えて説明します。
先ず、サイズを細かく公開している自転車は、腹囲や胸囲、袖丈など服の細部のサイズが明記され、その上で S、M、L などの大まかな サイズ表記もしてある洋服と同じで、購入前に自分自身の身体に合うかが検討出来ので、大きな間違いを防げます。

一方、サイズが選べないオートバイは、各部のサイズが明記されず、S、M、L のサイズ表記も無く、フリーサイズ として販売されている洋服と同じと言えますが、それは、ユーザーの安全に対しての配慮が欠け、良心に欠けた販売方法だと言えます。


■ メーカーの責任  Manufacturer's responsibility

敢えて、メーカーの良心が欠けた販売方法と書いたのには理由があります。
洋服の場合には、例え サイズが身体に合っていなくても、それを上手に着こなすのもファッションだと言えますが、身体条件に適合しないオートバイの運転は、ライダーや他者にとって、最悪の場合には人命に関わる要素になるからです。

メーカーにとって、販売戦略上、オートバイ毎に“適合する身体条件”を設定する事はかなり難しい事だとは理解できます。が、少なくとも、車体設計時の“ 想定ライダー ”の設計・標準値 を 一定の幅を設けて開示はすべきでしょう。
同様に、大切なリアサスペンションの「プリロード調整」に関して、“ 体重別の推奨調整値 ”の公表は容易な事柄ですから、安全の為にも公表すべきです。
それらの情報を開示せず、購入したライダーの裁量だけに任せている現状は、どう見ても無責任のそしりは免れないと言えるでしょう。


■ 販売店のサポート  Missing dealer fitting support

自転車販売店でのサポート体制と較べれば、オートバイ販売店のフィッティングサポートはほぼ皆無とも言える状況です。
本来であれば、購入者に合わせて、リアサスペンションのプリロード調整をサポートして、レバーの高さや開き角度を合わせ、ブレーキペダルの高さを合わせ、場合によっては ハンドル位置を適切な位置への調整をサポートするのが当然でしょう。

最悪なのは、小柄な体格のライダーに合わせて、足着きの為だけに、オートバイの車高を低くする変更・改造を行なう事です。それは、オートバイ本来の走行安定性や操縦性を大きく損なう変更に繋がり、ライダーだけでなく他の人々の安全を配慮しない危険な事だと自覚すべきです。

販売店によっては、ライダーの体格やライディング技量を考慮して、適合するオートバイや合わないオートバイをアドバイスして、車高変更など安全性に関わる改造は拒む等、良識ある販売やフィッティングを行なっている店があるのを知っているだけに、正確な知識を持たず、良識にかける販売をしている販売店の存在は残念な事です。

また、同じ事は オートバイ専門雑誌などのメディアに対しても言えますが、どうか、ライダーには。ファッションだけに留まらず、正確な知識や安全に必要な情報を収集して、自身だけでなく他の人々の安全にも配慮したフィッティングを追及して欲しいと願っています。

On a bicycle, it is common sense to choose the frame size according to the rider's physique, to adjust the position of each part of the bicycle, and to realize the riding form which is efficient and difficult to get tired. And, the simulation equipment and the fitting theory to obtain the ideal form are prepared, and the fitting to the rider is provided by using it in the dealer.
However, the motorcycle does not have the frame size selection in accordance with the rider's physique, and there is not a fitting theory, and the dealer does not provide even the service of fitting to fit the rider, The situation in which the safety is impaired by the operation of the motorcycle which does not fit the rider is overlooked.
The manufacturer should provide optimum maneuverability and safety, and should provide the physical information of riders that fit each motorcycle they sell and publicize the recommended fitting information.



< 解説文章と画像 :小林 裕之
 < texts and images : Hiroyuki Kobayashi >
 





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