お盆休み過ぎの最初の日曜日、8月20日、病魔はまたやってきた。
いつものようにガレージに出かけ、トラ君を走りに誘い出した。
先日のバッテリーあがりの事はすっかり忘れていて、すぐにエンジンがかかる事に疑問を
持たず、途中ガソリンスタンドに立ち寄った時も普通に再始動して、そのままぶらっと
出かけたのだった。
しかし、目的地に着いた頃には
「 何かおかしい 」
「 入れたばかりなのに、タンク残量警告灯が点灯している ?」
少し変な予感を感じながらエンジンを切ったらもうダメだった。
セルモーターではウンともスンも言わないほどにバッテリーがあがっていた。
“押しがけ”で再始動を試みるも、電子制御のインジェクション車だから、電圧が低過ぎ
ると血圧の低い人と同じで、“頭”が働かないので動けないのだ。
仕方ない !!
そんな“失神”状態のトラ君を、お出かけ荷物満載状態のままで、ガレージまで押して
帰る事を決意。
夏の太陽の下、総重量 240s 超えのトラ君を、大汗をかきながら 1時間45分、
夏祭りの屋台を横目に帰ったのだった。
「 満タンにしなけりゃあ よかったぁ 〜〜 」 ( ← そんな問題ではない! )
ガレージに戻り、人間は冷えたお茶をたっぷり飲み、トラ君からはガソリンを全部抜く。
「 タンクを外して、電気回路の確認をきちんとしなくては ! 」
疲れた頭が良くないのか、年取った頭が悪いのか、思い込みは強かった。
「 きっと、電気が漏電しているに違いない 」
「 新車購入直後から、電気回路に様々な変更を加えているから、そこでトラブルが? 」
「 それとも、先日交換した CIBIE のヘッドライト回路系統かも? 」
あがってしまったバッテリーを満充電済みのバッテリーに交換した後、バッテリーの
プラス(+)端子とそれに接続するケーブル(配線)との間にテスターを割り込ませて
消費電流を計測する。
キースイッチOFF のまま消費電流を計測すると 、 「 これは怪しいかも?」
フューズボックスでフューズを一つひとつ取り外しながら確認すると、一つだけ電力消費
している回路がある。
見れば、細く青い配線が怪しい。
たどれば、エアクリーナーケースの下を通り、フレームに沿って前方へと続き、最後は
ヘッドライト付近まで来ている。
純正時からの配線なのか、自作で増設した配線なのか? 全く覚えが無いから仕方ない。
配線まわりの漏電を疑ったので、確認しやすいように クリーナーケースに始まり、メーターユニット、ヘッドライトを取り外し、そして ラジエーターの移動までして点検した。
が、異常無し。
というか、テスターの測定レンジを間違えていて、正常な消費電流値だったのだ !
「 疲れたぁ、今日はこのまま帰ろう 〜 」
<つづく>
|