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 トラ君・闘病記 (妖怪のつぶやき より)

(その8)



『 10月7日、移植用に臓器改造完了


破損した装置「レギュレータ&レクチファイア」、超高額な純正部品の購入は最初から頭には無く、他車用の部品、それもメーカー純正ではなくて、中国製の“汎用部品”を装着する事に決め、その装着位置も今回の破損の元凶とも言えるエンジン後部の熱地獄環境からシート下へ移設をする事も決めて、移設用の延長ハーネスの作成と装置の配線カプラーの改造も終了した。



右上の(4)は、遅れて届いた汎用品、ホンダ VTZ、VTR 用として出ていたモノで、
最近のホンダ純正部品と外観が似ていて、ヒダ状の放熱板・ヒートシンクが無くて、4つ
の候補の中では最軽量の 190gだった。( 軽いのは歓迎! でも 放熱が心配だ)

右下にある 2本のハーネスは、元々の装着場所にある車体側カプラーとシート下に移設
する装置を結ぶ為の延長用ハーネス。 配線は 2.0 sq を使って、カプラー部のギボシの
圧着端子部には全てハンダを流し込んで万全を期した。

さあ、後は 4つの装置を実際に車両に装着して、1台ずつ充電電圧の確認と発熱を確認し
なくては安心できない。



その結果、(1)の 汎用型 ヤマハ FZ-1用は、装着してエンジン始動して 1分も経たないうちに、装置の表面温度が 70℃ まで上昇。これは高過ぎる。充電電圧は 14.5 V以下
だけど、発熱による破損の心配から使用を断念。

(2)の 汎用 12V車専用(ホンダ、ヤマハ、スズキ用)は、すぐ充電電圧が 15.3 V を
示したので、即刻テスト中止で使用も断念した。リチウムイオン電池は通常の鉛電池とは
違って充電電圧が高過ぎると破損しやすいからだ。

(3)の 汎用 ホンダVFR750F用は、充電電圧が 14.3 V 前後に留まり、1分間テスト
で 表面温度は 45 ℃ 程度と優秀な性能を示した。合格だ。

(4)の 汎用 ホンダ VTZ用は、充電電圧が 14.5 V と許容範囲で、表面温度も 50℃と少し高めだけど合格だった。

この結果、2台の装置だけは合格となったけど、残る心配は 発生した熱の放熱だ。
エンジン後部ほどではないけど、シート下は空気の出入りが無いので、熱が籠りやすい筈だからだ。
そこで、少しでも冷え易くするために、“PC用のヒートシンク”を一緒に装着した。




さあ、テストは終わった。
一番安定していた (3)の装置を装着して、実際に走りに行ってみよう!
( もちろん、予備の電池と (4)の装置も一緒だ。何があっても帰れるように! )

実際にコマゴマと走り込むと、それに応じて充電を管理する「レギュレーター&レクチ
ファイア」も頑張るから、やっぱり発熱が大きくなる。
表面温度は 約 80℃ になるけど、充電状態も安定している。

残すは、装置にアルミ材を更に装着して熱容量を増やし、アルミ材を車体側シートレール
へ接続させて放熱を助ける加工をすれば大丈夫だろう。

  * * * * * * * *

以上で、トラ君の“ 突然走りたくない症候群 ”も解決した。
お蔭で、今まで知らなかった事を覚えて、また持病の再発を防ぐ事も出来た。
今回のトラブル解決記事が、誰かの参考になれば幸いだ。



                  [ 終わり ]



解説記事と画像 :小林 裕之
  
Texts and images : Hiroyuki Kobayashi



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