『 惑星運動が教えるライディング 』

惑星運動の法則を試してみて、どうでしたか？

この「惑星運動」（サークル旋回）を実際に行なってみれば、それがオートバイの基本的な 特性だとしても、決して簡単ではない事がわかるでしょう。

特に、ブレーキを一切使わず、一定のバンク角のままで、狙った大きさの円軌道を、常に毎周 正しくトレースする事は、殆どのライダーにとって容易な事ではないでしょう。




　
しかし、繰り返し練習して、少しずつ安定した「惑星運動」が出来るようになった時に、 適切なライディングをあなたは感じ取っていることでしょう。

ライディングフォームや視線の向き、ステップへの足の置き方、ハンドルへの触れ方、頭の傾きなど、「惑星運動」が安定しているか不安定かで、オートバイがあなたに教えてくれるのです。

よくライディング教本や講習会などでは、「 正しいライディングフォームはこうだ！」 と 書かれたり言われたりしていますが、それらは常に正しいとは限りません。

オートバイ本来の特性を活かしたライディングは、あなたとあなたのオートバイとの会話の中から見つけるモノで、オートバイが良きインストラクターであり、「惑星運動」はその最適な機会の一つなのです。

『 オートバイまかせの 惑星運動 』

オートバイとの会話が進み、オートバイ
まかせで「惑星運動」が 出来るように
なればとても素晴らしく素敵な事です。

安定して「惑星運動」の走行ができる
ようになった方には、その最中に“片手
運転”を試してみる事をお勧めします。

もし、同じように走れないとすれば、そ
れはオートバイまかせではなく、ハンド
ルを手で操作していた可能性が ありま
す。

オートバイが持っている基本特性をきち
んと引き出して、オートバイを信じた走
り方であれば、きっと“片手運転”でも
『 惑星運動 』はできるでしょう。

『 オートバイを活かすライディング 』

ここで、オートバイを「人」に例えてみましょう。

「人」は誰でも様々な特性や能力を持っていますが、それを理解しようとしない上司や家族の元では、その「人」は能力を発揮できないばかりか、悲しく寂しい人生に繋がる恐れ
がある事は理解できるでしょうし、その経験がある人もいるでしょう。

オートバイも同じです。
オートバイが持っている様々な特性や能力が理解されず、無理やり押さえつけられ、命令されるだけでは、オートバイはとても哀しいのです。

オートバイの基本的な特性を正しく理解せず、ライダーの思い込みや恐怖感に合わせて、
オートバイの操作をする事は、オートバイの持っている能力を正しく引き出す事ができないだけでなく、時には危険な状況に陥る事になります。

本来、オートバイには 誕生から 120年以上の歴史の中で改良が続けられて、少ない操作や力だけで、安全に正しく走る能力が備わっているのです。その上、走る能力は人間よりはるかに高く、止まる能力も曲がる能力も人間は足元に及ばないのです。
後は、オートバイに備わっている特性や能力を理解して、それを正しく活かす方法を学ぶ事がライダーが行なうべき事なのです。

そして、「サークル理論」は、オートバイが持っている特性の理解に繋がる入口ですし、“ 惑星運動の法則 ”からの応用によって、あまり考えられてこなかったオートバイの基本的な特性とその応用方法へと話を進めましょう。
　
　
≪追伸≫ ・・ “片手運転”で惑星運動ができるようになれば、惑星運動での走行中に
　　　　　　　 1〜2秒 眼を閉じる“瞬間ブラインド走行”を試す事をお勧めします。
　　　　　　（ 注意！、周囲の安全には十分に配慮してから行なってください ）