サークル理論
「 コインの法則 」その1
『 オートバイはコインと同じ 』
オートバイに乗って感じる魅力は、意のままに走ってくれる感覚です。 少しバンクさせるだけで、オートバイ自身が意志ある物のように路面にラインを描きながら走っていく感覚は、四輪車では決して味わう事は出来ない魅力です。 そんなオートバイと同じような動きをする物を、他でも見た事は必ずあるでしょう。 そう! 転がるコイン(硬貨)はオートバイの動きと基本法則は一緒なのです。 この自然な動きの法則が「コインの法則」です。
『 二枚のコインに乗っているように 』
傾き転がるコイン(硬貨)が、転 がる速度が下がるのに合わせて、 徐々に回転半径が小さくなる曲線 を描くのは、運動力学の法則によ る自然な結果ですし、これが「コ インの法則」です。 バンクさせて走るオートバイの場 合も、前後のタイヤを二枚のコイ ンと考える事が出来るので、基本 的に同じく「コインの法則」に 従ったライン(曲線)を描くので す。 バンクさせて速度を下げていけば、徐々に回転半径が小さくなるライ ン(曲線)を描くという運動の法 則 「コインの法則」の理解こそ がライディングの基本ですし大切 な事なのです。
『 サークル理論が導く“コインの法則” 』
では、この「コインの法則」が描くライン(曲線)を『サークル理論』で考えてみましょう。 「惑星運動の法則」の項目で説明したように、オートバイはバンクさせた角度と走行速度によって一定の大きさ(回転半径)の円周軌道を走行する特性があります。 では、コーナーへの進入時のように、バンク角は一定のままで、走行速度が徐々に落ちていく場合はどうなるでしょうか。 低下する速度に合わせて、惑星運動の円周軌道が小さくなっていきますので、走行ラインをつなぎ合わせると、回転半径が連続して小さくなっていくライン(曲線)“ クロソイド的ライン ”となるのです。