このエントリーをはてなブックマークに追加

  GRA

いつまでも、楽しく、安全な、オートバイライフの
環境作りに必要な事を、4項目に分けて解説します

  オートバイ基本講座「心」のページへ移動します オートバイ基本講座「体」のページへ移動します オートバイ基本講座「バイク」のページへ移動します  

 Common sense and insane

オートバイのライディングとは、身体を動かす事ではなく、オートバイを動かす事。オートバイを動かすという事は、タイヤにしっかりと仕事をしてもらう事。従って、タイヤの摩耗痕を診れば、ライディングが診断できる。身体だけを見てライディングを語るのは愚かな間違いです。

  Motorcycle riding is not moving your body, but moving your motorcycle. Moving a
  motorcycle means having the tires do the job. Therefore, riding can be diagnosed
  by examining tire abration marks. It is a stupid mistake to talk about riding by
  looking only at the body.


  Tire diagnosis is Riding diagnosis



  前回まで、タイヤ表面に残る “ 摩耗痕 ” から運転している人のライディング傾向や癖
  が判断できる事を説明してきた。 更に、スポーツ走行が好きな人であっても、下の図の
  様に、コーナリング中の遠心力によって出来る “ 摩耗痕 ” しか無い場合が多い事。
  そして、その “ 摩耗痕 ” では決してタイヤとオートバイの能力を使いこなしたライデ
  ィングになっていない事を説明してきた。
  
  今回は、何故、下の図の様な“摩耗痕”だと使いこなしていないと言えるのか?、
  使いこなしたら、どんな “ 摩耗痕 ” になるのか? の説明をしたい。
   

GRA タイヤに働く力とライディング理論_1

  In this chapter, I would like to explain that if the abration marks shown above remain,
  it is a way to ride not properly utilizing the ability of the tire.




『 バンク走行時、加減速による“摩擦力”』
                 Actual frictional force during lean riding

では、バンク走行時の、リアタイヤと路面との接地面の位置と形を確認しよう。
  
GRA タイヤに働く力とライディング理論_2
  
タイヤの中心部からバンクさせた側に、つぶれた楕円形の様な接地面がある事がわかる。

次に、バンクさせたまま加速や減速をさせた時、その接地面にどんな力(摩擦力)がかかるのか、下の図を見て考えて欲しい。
   
GRA タイヤに働く力とライディング理論_3
   
〇 【上部の左の図】・・前回も説明した通り、タイヤには遠心力による摩擦力が働く
〇 【上部の中央の図】・・減速している時には、減速による摩擦力が働く
〇 【上部の右の図】・・加速している時には、加速による摩擦力が働く

図で説明している様に、バンク時に減速している時には、(上の図の下部・左の図の通り)遠心力による摩擦力と減速による摩擦力が一緒になった “摩擦力” が働く。
同じ様に、バンク時に加速している時には、(上の図の下部・右の図の通り)遠心力による摩擦力と加速による摩擦力が一緒になった “摩擦力” が働く事が分かる。

そして、“摩擦力” の向きと “摩耗痕” の向きとは 90度 になる法則は変わらないから、バンク走行時、タイヤを使いこなす走りをすれば、その時の “摩耗痕” は タイヤの向きとは平行にならない事が導き出される事になる。

  When you are lean-riding the motorcycle, friction force in the longitudinal direction of the tire
  accompanied by deceleration and acceleration is applied to the contact area of the tire in
  addition to friction force in the direction of 90 degrees due to centrifugal force.

  Therefore, when you ride by making the best use of the tire ability, frictional force combined
  with these forces acts on the contact area, leaving abration marks in the direction of an angle
  different from parallel or 90° to the tire direction.


 


『 お勧めする“摩耗痕”は 』  Recommended abration marks

バンク走行時、加減速による力(摩擦力)がタイヤに働くと、タイヤの向きに対して斜めの方向になる事が理解できれば、“摩耗痕”も斜めの方向に残る事が理解できるだろう。

では、いよいよ、タイヤの能力を使いこなしたバンク走行をした時、どんな “摩耗痕” になるかを下の図で説明をしたい。
   
GRA タイヤに働く力とライディング理論_4
  
図の中の左側の図は、フロントタイヤを車体前部側から見た図で、右側はリアタイヤを車体後部側から見た図。前後タイヤそれぞれの“摩耗痕” は、タイヤの向きとは平行にならず、ある一定の角度になるのが、お勧めしたいタイヤの能力を使いこなした“摩耗痕”だ。
 
ここで、この図を見た人の中には、きっと疑問を持つ人もいるだろう。

 「 バンクさせてコーナリングしている時、フロントブレーキは使わないので、そんな
  “ 摩耗痕 ” はムリ 」
 「 フロントタイヤは安全な旋回に専念するべきで、ブレーキを使うのを前提にする
   のは危険では? 」と。

もちろん、今まで通りの走り方で楽しく安全に走行できているなら、それでも結構です。
ただ、すべてのタイヤが備えている能力を正しく理解して、それを適切に使いこなす事が出来れば、同じ様な速度で走る限り、もっと楽しく安全なライディングができる事も間違いのない事実。

その上、オートバイのタイヤ特有の形状から生まれる特性から、どんなオートバイもバンクさせた時にはブレーキ(減速 / バンキングブレーキ)の力が必ず働いている事と、それを意識して利用すればオートバイはもっと自由自在に走れる事だけは覚えておいて欲しい。
バンク時に働くブレーキ“バンキングブレーキ”発生原理の説明と、それをきっかけに生まれる“ コーナリングブレーキ ”や “旋回モーメント”について、次の項で少し説明をしようと思う。

  The riding I would like to recommend to you is a way to ride with the abration marks as
  shown in the figure.

  The important thing that must not be forgotten is the characteristic of “lean brake” born
  from the shape of motorcycle tires. This characteristic means that when you lean, the tires
  have a "lean brake" deceleration action, regardless of whether you use the brakes.
  If you ride with the “lean brake” properly, you will always get the abration marks as shown
  in the figure.




『 バンキング ブレーキは旋回の始まり 』  Lean brake is the key to turning

先に書いた「“バンキング ブレーキ” はどんなオートバイにも備わっている特性だ 」という事について、下の図で説明をしよう。

GRA タイヤに働く力とライディング理論_5

オートバイのタイヤの形状が、長年の試行錯誤の結果、現在の様な形状になっているのには様々な事情やメリットがあったからで、その中でもタイヤ中央部が一番高く盛り上がた形状は、オートバイの旋回(ターン)特性に大きな影響を与えている。

タイヤ中央部が一番高く盛り上がっているという事は、タイヤが回転している時、その中央部の外周の速度(周速)は、トレッド端部の周速(外周の速度)よりも必ず速い事が分かる。逆に言えば、タイヤのトレッド端部の周速(速度)は、必ず中央部より低いという事だ。
それによって、オートバイを直立走行状態から一気にバンクさせた場合、路面と接地している部分は、タイヤの周速が高い所から一気に低い所へと変わるので、必ずブレーキを掛けたのと同じ状態が生まれる。これが “ バンキング ブレーキ ” だ。

オートバイ特有のタイヤ形状から生まれる、この “バンキング ブレーキ” は、タイヤ幅が広くてエンジンブレーキも加わる リアタイヤ の方が出やすいが、フロントタイヤにも必ず発生していて、その“バンキングブレーキ”を意識して活かすか否かで、コーナリング時の旋回特性や安全性が大きく影響を受けるから、“摩耗痕”でのライディング検証が有効な確認方法になるのだ。

バンクさせるだけで生まれる“バンキングブレーキ”だからこそ、それを活かしたライディングをすれば、仮に前後ブレーキを一切使わないコーナリングをしたとしても、フロントおよびリアタイヤ共に、その時の“摩耗痕”はタイヤの向きとは平行にならない。
また、この“ バンキング ブレーキ ”を活かした走りから “ コーナリング ブレーキ ” が生まれ、それが前後タイヤの“ 旋回モーメント ” の発生に繋がり、オートバイ独特のコーナリング特性が生まれているのだが、この事は“摩耗痕”の解説ページではなく、別の機会で説明をしよう。

では、次の章で、実際の車両のタイヤ画像で “摩耗痕” の検証と説明をしよう。

  It is important to take advantage of the original performance of the motorcycle to ride it
  consciously because it is a "lean brake" that always occurs if you lean a motorcycle.
  This lean brake is an important element that leads to the occurrence of a cornering brake,
  which creates a turning moment, and leads to the swirling nature peculiar to motorcycles, so
  I would like to explain in detail on another occasion.

  In the next chapter, I will use the actual tire image to verify the "abration marks", so please
  look forward to it.

     *    *   *   *   *   *   *   *

次回は、実際の車両のタイヤ画像を、走行条件などと一緒に紹介して、検証する予定です。
なお、前回の説明文章で約束していた「リアステア モーメント」は、別な機会、「バンキング ブレーキ」の解説ページの中で、“旋回モーメント”の一つとして解説する予定です。

この解説記事が、タイヤとオートバイの理解を深めて、あなたのオートバイ・ライディングを更に安全で楽しくする助けになる事を期待しています。
だから、次回の記事も、乞うご期待。



< 解説文章と画像 :小林 裕之
 < texts and images : Hiroyuki Kobayashi >





● 次ページは『 実際の“ 摩耗痕 ”の検証 』の解説を予定


わからない用語は、ページ下段の【用語の解説辞典】で確認できます
「質問」を送信される方には説明を返信しますので、利用してください


『コラム一覧』ページへ移動します
次のページへ移動します

  ご質問やご提案は右のボタンをクリックで送信を!
電子メール送信用のウィンドウが開きます。 ご連絡をお待ちしています!♪

メニューページ へ移動します サイトマップページへ移動します
GRA代表・小林 紹介のページへ移動します

オートバイの基本講座のページへ移動します
用語辞典へ移動します

ポリシーページへ移動します
コラム一覧ページへ移動します
前ページへ戻ります

許可無く転載することを禁じます / Copyright GRA All Rights Reserved.