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いつまでも、楽しく、安全な、オートバイライフの
環境作りに必要な事を、4項目に分けて解説します

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 Common sense and insane

オートバイのライディングとは、身体を動かす事ではなく、オートバイを動かす事。オートバイを動かすという事は、タイヤにしっかりと仕事をしてもらう事。従って、タイヤの摩耗痕を診れば、ライディングが診断できる。身体だけを見てライディングを語るのは愚かな間違いです。

  Motorcycle riding is not moving your body, but moving your motorcycle. Moving a
  motorcycle means having the tires do the job. Therefore, riding can be diagnosed
  by examining tire abration marks. It is a stupid mistake to talk about riding by
  looking only at the body.


  Tire diagnosis is Riding diagnosis



  前回の解説で、タイヤ表面に残る “ 摩耗痕 ” の方向には色々なパターンがあって、
  遠心力だけに応じた旋回・コーナリングをしている場合にはタイヤと平行に残り、減速
  や加速を効果的に行なっている場合には、下図の様に、タイヤの向きとは平行でない
  向きの “摩耗痕 ”がタイヤ表面に残る事を説明してきた。

  今回は、実際にタイヤ表面に残された “摩耗痕”の画像の紹介と、その 摩耗痕 が出来
  た走行条件や理由の説明をしたい。



  In this chapter, I would like to post images of the abration marks that remain in different
  conditions of riding to verify the cause of the marks and the riding.

 
 



『 “基本練習の後”/ 摩耗痕の一例 ・ 9月8日 』
                 Abration marks in basic practice

■ 撮影日・条件 ■  Shooting date and riding conditions

撮影日 / Date

2019年 9月 8日
 
September 8, 2019
12:00( 晴れ / Sunny
路面温度 /Road surface     temperature 37 ℃ (日向 / Light 31 ℃ (日陰 / Shade
タイヤ表面温度 / Tread
  surface temperature
フロントタイヤ/ Front tire 41 ℃
リアタイヤ / Rear tire 47 ℃
走行条件 / Condition ブレーキ は 使用せず
 Brare is not used
アクセル は 使用
Throttle operation is performed
走行内容 / Content ブレーキは使用しない“基本練習走行”、 1本サークル走行、
9mピッチ 2本オーバル走行、9mピッチ 4本四角パイロン走行
 Basic practice riding without any brakes


【 フロントタイヤ、画像と解析 】
Front tire image and analysis
   


〇 トレッド中央部 : タイヤの向きに対して 90度の向きの摩耗痕はあるが、他の部分との
  比較でも明らかな様に、その量は僅かである事からも、フロントブレーキによるもので
  は無く、アクセルOFF時の荷重移動によるものと推測できる

〇 トレッド中央外側 : 中央部からトレッド外側へと移る場所に、タイヤの向きと平行な
  摩耗痕があるのは、この部分では遠心力に応じた旋回・摩擦力だけが働き、バンキング
  ブレーキの力が働いていないと推測できる

〇 トレッド外側 : 端部に至るまでの間には、波状の摩耗痕ではなく、六角形状 に見える
  摩耗痕が残っていて、旋回・摩擦力とバンキングブレーキの力が混ざり合っている為に
  つぶれた六角形の様な形が残っていると推測できる

〇 トレッド端部 : 端部には、タイヤの向きに対して約 35度 の角度で摩耗痕が残っていて、
  ノーブレーキでの基本練習であっても、バンキングブレーキによる旋回力を利用している
  結果と考えられ、ブレーキを使った場合には 35度 以上の角度の摩耗痕が残る推測される


【 リア タイヤ、画像と解析 】 Rear tire image and analysis
   


〇 トレッド中央部 : フロントタイヤと同様に、他の部分と較べて摩耗痕の大きさは小さく、
  ブレーキを使わない基本練習を示していると同時に、真っ直ぐに直立させた状態での加速
  は殆ど行なっていない結果だと推測できる

〇 トレッド中央外側 : 中央部からトレッド外側へと移る場所に、タイヤの向きに対して
  90度 より小さな 80度 程の角度で摩耗痕が残り、進行方向への 加速と同時に旋回を
  行なっている結果だと推測できる

〇 トレッド外側 : トレッド外側へ視線を移すと、摩耗痕の角度は 80度 から 60度 ほどに
  変化していて、中央外側よりも、加速時の旋回の役割を多くこなしている事がわかる

〇 トレッド端部 : 端部になると、摩耗痕は中央外側部などとは逆の向きになり、明らかに
  バンキングブレーキによる 減速 による結果で、ノーブレーキでの基本練習であること
  から、効果的な旋回ブレーキ力を利用出来ている結果と推測され、ブレーキを使った
  場合には、この 約 50度 よりも大きな 60度前後になると推測できる


  This is an image of abration marks during basic practice such as circle turning and 9m
  pitch oval turning without using any brakes when the road surface temperature is high.

  Because the tire surface temperature is high, you can see that the wear marks remain
  large and clear.

  As shown in the figure as a recommended wear mark, there is no wear mark parallel to
  the tire direction, and the wear mark remains at an angle of about 30 degrees at the end
  of the tread as if using a brake.  However, since no brakes are used, these wear marks
  are the result of using a "banking brake", and it can be assumed that the result of turning
  effectively is also the result of turning.





『 “応用練習の後”/ 摩耗痕の一例 ・ 11月3日 』
                 Abration marks in applied practice

■ 撮影日・条件 ■  Shooting date and riding conditions

撮影日 / Date

2019年 11月 3
 November 3, 2019

15:00( くもり / Cloudy
路面温度 /Road surface     temperature 17 ℃ (日向 / Light 15 ℃ (日陰 / Shade
タイヤ表面温度 / Tread
surface temperature
フロントタイヤ/ Front tire

測定せず / Not measured

リアタイヤ / Rear tire 測定せず / Not measured
走行条件 / Condition ブレーキ は 使用
 Brare is used
アクセル は 使用
Throttle operation is performed
走行内容 / Content 応用練習用コースを走行、超12mピッチオフセットスラローム セクション、25mから90度・7mピッチセクションなどを 組合せた、前後ブレーキ使用しての走行練習
Riding using front and rear brakes on the applied practice course


【 フロントタイヤ、画像と解析 】
Front tire image and analysis
   


〇 トレッド中央外側 : ノーブレーキでの基本練習では残っていた、タイヤの向きと平行な
  摩耗痕は全く見えず、90度 の向きの摩耗痕が残っている事から、わずかにバンクさせた
  状態からブレーキを利用している事がわかる

〇 トレッド外側 : ノーブレーキでの基本練習の時の様な 六角形状 の摩耗痕は無く、旋回の
  ために ブレーキ を有効に利用できている事がわかる

〇 トレッド端部 : 一転して、トレッド端部には 六角形状 の摩耗痕が目立っている事から、
  “どちらつかず”、様々な方向からの力が入り混じり、有効な旋回をしていない事がわかる
  実際、最大バンクさせた後、フロントブレーキでフロントタイヤの向きを イン側へと向け
  たかったが、ブレーキ操作をしても フロントタイヤが無反応、急に黙り込んでしまった、
  ライディングの結果というより、セッティングの状態が適していない結果と推測される


【 リア タイヤ、画像と解析 】 Rear tire image and analysis
   


〇 トレッド中央外側 : トレッド中央部からトレッド外側へと移る場所には、タイヤの向き
  に対して ほぼ 90度の角度で摩耗痕が残り、このトレッド領域を使うバンク角では、
  ほぼ前進の為だけにタイヤは使われ、旋回には使わないライディングだと推測できる

〇 トレッド外側 : トレッド外側へ視線を移すと、摩耗痕の角度は ほぼ 45度 の向きで残り、
  加速と旋回の為の 摩擦力 の大きさが同じになっている事が、つまり 加速しつつ同じ様に
  旋回も行なっている事がわかる

〇 トレッド端部 : 端部になると、摩耗痕は中央外側部などとは逆の向きになり、明らかに
  ブレーキと旋回による摩擦を同時に利用している事を示していて、バンキングブレーキ
  だけだった 9月の摩耗痕角度・約 50度 よりも大きな 約75度になっていて、この 15度
  の差が リアブレーキによるもので、旋回の摩擦力よりも大きな力(摩擦)を与える走行
  だったと推測できる


  This is an image of the wear marks when the road surface temperature drops to about
  17 degrees.  At this time, running continuous section using the front and rear brakes,
  because of the high running pace of application practice, the wear mark of the angle of
  about 75 degrees with respect to the direction of the tire remains at the tread end of the
  rear tire, unlike that at the time of basic practice, It is understood that the brake is used
  effectively.
  On the other hand, the tread end of the front tire is not noticeable, and it is presumed
  that the setting to use the front brake during the turn is insufficient.


     *    *   *   *   *   *   *   *


以上で、『 タイヤから診る、ライディング 』、“摩耗痕”から解析するライディングの解説を
一旦、終了とします。
タイヤに残る摩耗痕に関する記事や資料を見た経験は無かったのですが、今まで蓄えてきた知識
と経験を総動員して、誰にも分かりやすく関心を持てる様に、基本から分かりやすい言葉と図、
画像を使って解説になる様に心掛けました。
が、きっと、説明不足の点や、理解し難い点などはあると思っていますので、どうぞ、不明な点
についてはの質問をお待ちしています。

タイヤはオートバイの一番大切な部品で、それに残された摩耗痕を診るだけで、ライディングを
診断できるという事への理解と関心を高めていくために、これからも機会を設けて記事を作成
していきますし、その際に、頂戴した質問や意見を参考にしたいと考えています。

どうぞ、いつまでも、楽しく、安全なオートバイライフを過ごす為、一緒に、より多くの人々に
大切な知識や情報を届ける活動にご協力ください。


< 解説文章と画像 :小林 裕之
 < texts and images : Hiroyuki Kobayashi >



わからない用語は、ページ下段の【用語の解説辞典】で確認できます
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