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 GRA コラム   「 VTR を買った彼 」
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  8. 彼だけに限らない    

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彼の例だけに限らず、オートバイの良しあしは、エンジンの形式やブレーキの形式、 サスペンションなどの仕様(スペック)で判断している人は多い。
その上、最初から装備されていた部品を “高性能を謳った” 部品へと交換する事で、車両全体の能力が向上するものと信じている人も更に多い。

タイヤに始まり、サスペンションユニット、プラグやプラグコード、ブレーキキャリパーやマスターシリンダー等など、オートバイ雑誌を開けば高性能を標榜している部品ばかりで、ユーザー(ライダー)の心をくすぐり続けている。

でも、それって、体調の悪い“人”を化粧や髪型、派手な服装で補正しているのと同じようなもの。
基本を忘れたオートバイとの付き合い方は、オートバイ本来の 能力を発揮できないだけでなく、過剰な場合にはライダー自身や他の方々の健康や生命を脅かす原因となる、だからとても始末が悪い。

本当に大切なのは、大量生産のために短時間で組み上げられた部品たちを、一度分解するかボルトを緩めてやって、本来のあるべき場所に戻してやる 「整体」 だったり、コスト削減の為に不十分な表面処理や潤滑剤塗布を適切にやり直す 「美肌処理」、 乗る人の体躯に合わせてオートバイ本来の能力が発揮できるようにするセッティング 作業 「フィッティング」 だ。

しかし、一般の
オートバイ販売店はこの“基本”を行なっていない。

何故なら、ユーザー自身(ライダー)が 求めていないし、対価を払う考えもないし、何よりもオートバイ販売店自体がその“基本”を知らないからだ。

次から次へと見栄えが良く、新しい装備や仕様のオートバイを作っては購入意欲を掻き立てようとするオートバイメーカーに、さほど大きな意味も無く高性能を謳って交換部品を売ろうとする部品メーカー、そしてそれらの動きに迎合しているオートバイ雑誌編集社等によって作り上げられている消費社会を変革していくのは後回しにしよう。

先ずは、“彼” が納得できるような、誰でも分かる説明から始めようか。


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