当日の課題として「町中で使う小技として狭いところでのユータンを想定した千鳥、旋回からのUターン」に対して練習場所の割当て頂き、自分なりに練習コース設定して、走行させていただきありがとうございました。
途中、走行を見ていただいた中で、左旋回の不自然さを指摘いただき、フロントフォークの整列を確認し調整後の左旋回で、整備の重要性を改めて確認する事ができました。
先日お店にて整備したフロントフォークのO/H後は動作が滑らかになったことに満足し、フロントフォークの整列については、あまり気にかけていませんでした。
午後からは、複合コースでのタイム計測で、走り込みによるタイムアップで、ライン取りの重要さ、アクセルの開けるタイミングを自分なりに考えて走る練習となり楽しい時間でした。
基本練習と応用練習により、多少なりとも体感する良い機会になりました。
今後も運転技術(安全に曲がる、止まる、加速する)の向上のため参加致したく、よろしくお願いたします。
【 担当講師より 】
先日は、『 ライディング・セッティング クリニック 』へ来場してくださり、ありがとうございました。 250TRさんにいつも感心させられている事ですが、今回も、目的をはっきりと持って参加され、その上、他の方も熱心にサポートされた事に感謝を申し上げます。
さて、今回は フロントフォークオイルを交換されてからの参加という事で、ご本人は「フロントフォークの動作が滑らかになった」と改善を実感されて良かったです。 ただ、私がその改善を知らず、右と左のターン進入時の挙動が違っている事だけを見て、整列と締付けトルク管理を提案した事に、この場を借りてお詫びします。
当日は、現場で簡易的に フロントフォークの整列と締付けトルクの再整備を手伝いしましたが、前回参加された時の様な走行フィーリングには至らなかった様子だったのは残念でした。 いつもは、あの車体の細いフレームとフロントフォーク、そしてホイールリムが揺れる様な、少ないエンジンパワーと細いタイヤでの効率の高い走りが、練習走行コースのスタートからゴールまで見られたのですが、少し不安感を感じた様な走りに見えました。 それは、きっと、当日の気温の低さと 師走のお仕事疲れが原因だったと思います。
また、来年、暖かくなりましたら、ぜひ、他の方々への良き見本となる、いつもの走りを磨いて下さい。
< 一口メモ >
フロントフォークは、エンジンオイルと同様に、機械内部の摺動抵抗(部品同士が擦れ合う抵抗)を減らし、部品の摩耗を減らし、機械内部に発生する汚れを清浄する働きを任されていますが、使用期間や距離に応じて劣化が進みます。したがって、定期的な交換がとても大切で、交換サイクルもエンジンオイルと同様なサイクルがお勧めです。
ただ、覚えていて欲しい事は、エンジンオイルの交換とは異なり、交換前と同じ状態に戻すのが難しい事です。 もちろん、オイルが新しくなれば機械の動作は良くなりますが、注意すべき事は 交換前と同じオイル量にするのは難しく、5t や 10t の違いによって、走行場面によっては走行フィーリングに違いが生まれるのです。
実際、私はエンジンオイル以上に頻繁に交換していますが、メスシリンダーで計測する方法は問題外(理由はいづれ別の機会に説明します)で、油面レベル計測による交換でも同じにならない事を実感しています。
その為、フロントフォークの作動(感)を交換前と同じにするためには、交換前に一定速度で走行してからのフルブレーキで最大ストローク位置(残ストロークと言います)を記録しておいて、交換後に同じ計測を行なって交換前とのデータを比較するようにしています。
多くの方の場合、計測データを交換前と同じに戻す事は困難かと思いますが、それ程に フロントフォークのオイル量を交換前と同じにする事が難しく、場合によっては走行フィーリングに大きな影響を与えるという事だけでも覚えておくと、きっと、オートバイとの楽しい関係を築くのに役立つと思います。
クリニック担当講師 小林 裕之
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