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2010. 5. 25

2010年 3月 28日開催 『 “体験”ライディング練習会 』 参加者 各位

これからの方向性について、再確認

    前略 、先日開催の『“体験”ライディング練習会』を振り返り、全体の総括と個別にアドバイスなどを順に発表していきますので、どうぞよろしくご覧ください。

今年初めてのイベント 『“体験”ライディング練習会 』 を、“わがまま”(要望)に応える形で3月28日に開催しましたが、今年のイベント開催活動の進む方向性を改めて検討する材料を残してくれた一日となりました。

GRA では掲げている活動目標へと一段と歩を進めるため、今年の活動テーマを【 広く・深く 】として、全国各地の多くの方々へ 主に Webサイトを通じての 告知&啓発活動に力を入れています。
とは言っても、イベント開催活動は継続して続けており、特に “わがまま”(要望) に合わせてのイベント開催を主体に絞ったのですが、それに呼応するかのようにオートバイ販売店さんからの “わがまま” が届いて、それをきっかけにして今回のイベントを開催する事ができました。

そんな経緯で開催となったこのイベントで 再び認識を深めた事は、「 GRAが実現させようとしている事柄に対しての認識に、GRAと一般的な方々との間に少なくないギャップがあり、それを埋める方策を考える必要がある 」 という事です。

そのギャップとは、オートバイそしてライダーを取り巻く社会環境を良くしていくという “主体性” の認識レベル や、責任を持つべき “当事者” としての意識レベル に表れているように思われます。
そして、それらの遠因となり、ギャップに拍車をかけてしまうのが、ライダー自身の
“お客様意識” であり “お客様扱い”に慣れてしまい、社会の認識を改めていくという主体性を持つ事に慣れていない事を改めて認識しました。
昨年までの様に、独自にイベント開催企画を進めていた場合には感じなかった点であり、 “わがまま”(要望)制 で 企画を進める方針には変更はありませんので、これから 全国の方々の意識と対峙する際の 大切な “勉強” になったイベントと言えます。

さて、堅い話はこの辺で止め、当日のイベント内容の簡単な講評をしましょう。
当日の参加者の半数は初めて参加される方ばかりで、外車など初めて走りを身近で見る車両も少なくなく、昨年までの イベント開催で培った カリキュラムや運営システムがどこまで通用するかが一番のポイントでしたが ・ ・ ・

大丈夫でした! 積み重ね練ってきた カリキュラム や 運営システムは 充分に通用し対応できる事を証明してくれました。

当然ながら、“体験” イベントですから、カリキュラムの内容は 基本走行練習が殆どになりますしたが、GRAで言う “基本” では、少ない操作項目で基本的なオートバイ特性を体感する事ですから、 スタート後は ブレーキと半クラッチは一切使用せず、直線走行やターンの練習するだけですが、 これが 一番奥が深く 様々なカリキュラムを通じて 運動特性の講義を交えて練習するだけで、オートバイとの会話が一気に深まるのです。

そして、この“GRA流”のオートバイとの接し方こそ、全国の方々に多いに参考としてもらえる方法の一つだと信じていますし、今後も Webサイトなどを通じて告知活動を続けていきます。

※ その活動の一環として! 7月に 【 撮影 & 練習会 】を開催します!!
・ 前回と同様なレクチャー&練習会を行ない、その様子を動画撮影をして、 Webサイト
    で全国の方々にも理解してもらえるように行なうものです
・予定募集人数は 3〜6名程度、会場は 「りんくう公園 特設会場」
・開催予定は、 7月18日(日) および 7月24日(土)の二日
・参加申し込み方法、参加費(2000円以下)は改めて Webサイトで告知します

※ WEBサイトで様々なメカニズムやコーナリング理論、練習方法などの説明に使用する
    写真 や 動画 撮影である事を理解して協力してくれる方の参加を募集します!

草々

GRA 事務局 小林 裕之



収支報告 今回の表面上のイベント収支は、 + 19,247 円 でした
( ※ 交通費、運搬費用、人件費などの経費を含まない収支 )



  アドバイスを届けます !aa
当日参加された方へ、アドバイスを致しますので、
参考にしてもらえると幸いです。
森山  幹也 さん 】
お申込みの際には、お店の方の親切なサポートなども入り混じり、逆に混乱させてしまってご迷惑をお掛けして申し訳ありませんでした。
ただ、お店の方からの強い推薦があった事をここに申し上げておきます。
さて、実際にどんな方かな?と考えておりましたが ・杞憂?に終わりました。正に、ライダーと共に車両までもが、“存在感”を一日中フルに発揮されていて、殺風景なイベント会場も一気に華やいだものにしてもらえました。
そんな“存在感”と、何事にも積極的に挑戦する姿勢に、私からも感謝を申し上げます。本当に人を惹き込む魅力に溢れていました。
さて、実際の練習での成果という面で言えば、当日の参加者の中で一番大きな成果を残されていたのは間違いないでしょう。
直線路での基本走行練習では、なかなか思った所を走れずにマーカーを次から次へと踏み散らしてしまう様な状況でしたが、「オートバイと会話して♪」 とか「オートバイなりに走らせる♪」 という事の実践練習を重ねた成果だと思いますが、以降のセクション走行では徐々にイキイキと走るようになりましたね。
特に印象的なのが、「四角パイロン」の周回を アクセルの ON と OFF だけでスムーズにクリアしていく様子で、前走者を活き活きとした表情での追走♪その笑み一杯の走りには、見ているこちらもちょっとした感動を覚えたほどでした。
恐らく、普段の走行や練習の際には、「半クラッチ」と「ブレーキ」も併用した走行だったと思いますが、今回の練習で“何か”を体得されたと思います。
オートバイの操作は 出来る限り少ない方が良い!練習であれば 尚更の事、少ない操作・手段だけで基本を学ぶのが最善の練習方法なのです。
「半クラッチ」や「ブレーキ」は、今回練習した「バンク」と「アクセル操作」とは別のテクニックが必要ですし、今回行なったような“基本動作”をマスターした後で練習するべき項目だと私は考えています。是非 これからも今回の練習内容を忘れずに、“オートバイとの会話”を積み重ねて下さい。
なお、感想文の“わがまま”で神戸市内でのイベント開催を希望されていますが、残念ながら今の所具体的な企画(開催日、開催会場、開催内容など)までには至っておりません。
ただ、別途案内している通り、7月に大阪府内で“レクチャー&走行練習”を行なう「撮影&練習会」を予定しています。練習やレクチャーだけが目的のイベントではありませんが、今回と同様に何かしら参考にしてもらえる事もあると信じておりますので、是非ご検討下さい。
では、また次に機会にも よろしくお願いします♪



小田  裕朗 さん 】
昨年11月の参加以来でしたね。
ご本人の感触では、「なかなか良い走りができたのでは!」という内容でした。
しかし、私は少々違う感想も持っていますので、徐々に説明しますね。
さて、各地で様々な“講習会”に参加していらっしゃる経験豊富な方ですから、そんな体験も踏まえての今回の感想文だと思うと、「感想文」の中で述べていらっしゃる“感想”の一つ一つに重みを感じて感謝の念を禁じえません。
さて、“わがまま”で出してもらった「四角パイロン」などでの走行も、「180°ターンイン」セクションでの走行も、ご自分で述べていらっしゃるように充分にバンク角を利用した走行でしたし、その面だけを見ると満足されたと思います。
ただ、敢えて私の見解と希望を言わせてもらえるならば、昨年末の状態よりもはっきりとレベルダウンした点が目についてしまった一日でした。
当然、「どこが?」という疑問になると思いますし、その点について述べさせてもらいます。
それは“荷重感”にスムーズさが欠けていた点です。
昨年であれば、アクセルOFF で バンクを深めていくに従い“荷重感”がスムーズに高まり、それに呼応する様にラインも曲率を高める様子がはっきりと見えていたのですが、残念ながら今回は“それ”は見えませんでした。
さて、その原因を幾つか考えてみました。
一つは、昨年末に交換したタイヤの劣化が考えられます。
しかし、それ以上にエンジンのトルク特性の問題が昨年以上に表に出ているためではないかと思います。
丁度 2000rpm 前後を境にして、トルクの“谷”というか“角”を感じる走りに思えます。
エンジン回転が 約 2000rpm になるのを境にして、“荷重”が一旦抜けるようになり、その為にラインも その地点で不連続になっている様に見えましたが、乗っている本人としてそんな症状を感じなかったでしょうか。
ターンインしてある地点まではラインの曲率がスムーズに変化するが、ある地点から後は若干の不安定と共にライン曲率が変化し難くなる ・・ という症状や、「ここで!」というポイントでアクセルON にしても直ぐにラインに曲率変化が出ず、時にはバンク角を意識して減らす操作をする症状は?
もし、それらを自身でも感じていたのであれば、原因は キャブレーション にあると思います。
これは、当日にも申し上げていますが、一般的にはキャブレターのオーバーホール(分解完全整備)でクリアできるものですし、事前学習して道具も揃えて臨めばさほど難しい作業ではありません。
えっ?? “わがまま”(要望)で 「キャブレターのオーバーホールを!」ですか?
いいですよ ♪
イベントの最初に始めれば、他の方の題材にもなりますし、“うまく出来れば”午前中には完了させる事も決して不可能ではない筈 ♪
やりますか ?♪
    
高林  潤 さん 】
今回は、“わがまま”(要望)を目一杯に発揮して下さり、イベント開催企画を実現してもらった事に改めて感謝しています。
ありがとうございました。
企画が決定して当日を迎える間の進行過程において、連絡など意思疎通の面で多少のトラブルはありましたが、当日は“わがまま”一番! 「飛び込み参加」を実行してもらえて何よりでした。
(企画発案の張本人だからこそ、叶えられるわがままですね♪)
実際に当初から申し上げていた通り、高林さんご自身が当イベントに参加される事こそが、一番の目標であり成果となる! という言葉の意味を実感してもらえた様子で安心しました。
開催して良かったです。
また、感想文の中では、GRA企画イベントの狙い、他イベントとの違い、などについての発見もしてもらえた事を発表してもらい、関心を持って見てくれている全国の多くの方々に対して良い文章にまった事にも感謝を申し上げます。
既に、感想文の中でも書いていらっしゃる通り、前もって決められたカリキュラムやスケジュールの中で満足感を覚えている方は多くいらっしゃいますが、自らが積極的に「やりたい事」を実現させていく場面にこそ、真の充実感や喜び、そして体得できるものの大きさを感じられるのだと、私も考えています。
ライダーは基本的に、オートバイが好きだからこそ、高い費用を工面して購入して走らせるのだと思います。
その“好き”をどこまでも追求する過程を制限する事なく、可能な限り実現させようとすれば(わがままで)、自然とオートバイとの対話が大切だと実感できますし、同時に他のライダーとの対話も大切、そしてそんな楽しみを守る努力も大切・・ という風に理解が浸透していくのだと思います。
それを、イベントへの参加者を「お客様扱い」した上で実現させるのは困難な事です。
だから、J さんには、日頃の事を忘れ、「お客さん扱い」をする事もきれいさっぱりと忘れ、ただただ オートバイと会話し戯れる体験を通じて、ライダーが考えなくてはならない事を考えて欲しかったのです。
そういう体験を通じてこそ、本来、販売という側面ではなく、ライダーと会話を交わす機会の多い立場の人として、実現してもらえる事が少なくある様に思います。どうぞ、今回の経験を活かして、今後の発展に期待しています。

葛西  辰哉 さん 】
先日(3/28)開催した『“体験”ライディング練習会』 への参加、お疲れ様でした。
国内の二輪販売台数が落ち込む中で、実は“あの車両”が落ち込む事なく売り上げを伸ばしているようですね。しかし、国産H社と比較するまでもなく、参加車両の中で最も高加重をかけての走行に合わせてある車両ですから、日頃から乗りこなし方に苦労されていた点も多いと思います。
( 実は、私も同車両を所有していて、悩ませる車両と感じています )
しかし当日は、そんな事を忘れさせてしまう程にスムーズで流れるような綺麗な走りをされていたセクションがありましたね。
そう! 『四角パイロン』 でのノーブレーキ走行でした。
走り始めこそ、アクセルのOFF と ON のポイントが掴めずに、少しぎくしゃくとした走りでしたが、何度目かの走行練習では、車両を購入したお店の店長よりもずっと滑らかで綺麗な走りをして“差”をつけていましたね。
( ずっと!自慢していい事ですよ♪)
さすがに、少し複雑なセクションや 左右の切り返しが入ったセクションになると、少々手こずってしまっていましたが、それでも、スピードを可能な限り落とさないようにすれば、セクションをきちんと走り切れる事を体得されていましたね。
そうなのです、オートバイは低速になればなる程に不安定になる乗り物ですし、転倒の大半は低速走行時に充分な荷重を車両に与えられない時に発生している程ですから。
今回の練習セクションの最後の箇所は、それ以前よりもきつめのセクションになっていますが、ここでは可能な限り速度を落とさずに通貨する“方法” をオートバイと一緒になって考えるのが最善の方法でしたし、実際に“読み” を誤ってスピードを落とさなくてはならなくなった時ほどバランスを取るのに苦労されていましたので、良い体験になったと思います。
とかく、スピードを低くする程に安全かの様に言われますが、それは自動車の場合の一般法則だと思います。
オートバイの場合には、バンクさせるのも、ハンドルを切らす(切るのでなく)のも、ある一定以上の速度(あるいは荷重)の確保が必要な造りになっていますから、速度と荷重についてはこれかもしっかりと頭の中に入れておいて下さいね。
それが、オートバイとの会話に役立ちますし、上達にも大変に役立つはずです。
では、また次の機会にお会いしましょう。


三崎  博史 さん 】

先日は、初めて GRAイベントへ参加して下さり、大変にお疲れ様でした。
参加予約後にも、唯一人、しっかりと“挨拶”のメールを送信して下さった事からも、とても真面目で礼儀正しい方と推測しておりましたが、お会いしても正にその通りでした。
また、イベント終了後、「感想文」を送付して下さったのに続き、別途「お手紙」にて所感と“励まし”をお送り下さった事に深く感謝しております。
「お手紙」への返信が出来ないままとなっていますが、この場を借りてお礼を申し上げます。大変にありがとうございました。
さて、イベント当日の事に話を戻しますが・ ・ ・、オートバイの磨き度は他の方々と較べても一番!と言えるほどで、オートバイと一緒に居る事や乗る事をとても大切にしていらっしゃる様子がよく伺えました。
朝一番の自己紹介では、「一般路を走っている際、周りの車両との関係もあり、恐怖を感じてしまう」という旨の発言がありましたね。
しかし、実際の走りを拝見する限りは、購入されて走行する機会に丁寧な操作をされてきた事がはっきりと分かる程に、オートバイに無理を強いる事のないスムーズなライディングでした。
直線の低速走行から始まり、基本走行練習ばかりの一日になりましたが、練習パターンを変えた際にも決して“無理”のない走りを心がけている様子に好感を持ちました。
そんな中で、一番ネック! 不得意感が募った走行セクションは 「180°ターンイン」だったのではないでしょうか。
約10mほどのセクション幅の中で、ノーブレーキでぎりぎり回りきれる範囲で最も高い速度で進入を開始して180°ターンを行なうものです。
頭でオートバイを操作する事ばかりを考えていると、あのセクションで見えてくるオートバイ本来の動きは容認できるものではないでしょうし、すぐには馴染めないのも無理の無い事です。
しかし、他の方々の走行ラインを見て理解されたと思いますが、オートバイ本来の自然な動きは教習所で教えず、本にも書いてありません。
そのセクションでも積極的にトライを重ね、徐々にその動きをマスターされ、本来の動きを理解すればオートバイの持つ能力を活かせる事ができ、それは安全な走行にもつなげる事ができると理解もされたと思います。
どうぞ、一般道を走る際にも、オートバイ本来の能力を活かしたライディングを意識した走行をされる事をお勧めします。
≪追伸≫
・・ 蛇足ですが 、
オートバイ用に出ているフレーム形状のエンジンガードの殆どは、オートバイ本来の動きを妨げてしまい、本来の能力をスポイルする原因になります。
今回拝見したエンジンガードも、固定箇所が多くてオートバイ本来の車体剛性バランスを崩してしまう働きをしっかりとする形状です。
その上、一度転倒されている様子からして、そのエンジンガードには変形が加わっているために、車体の左右バランスを崩す原因ともなります。
今回、右ターン時 と 左ターン時 の 操作感の違いを感じられたと思いますが(低速時、左より右が楽)、そういう点にも原因が隠れている可能性は大きいと推測しています。
転倒時の車両の破損を考えると必要に思えるのも理解できますが、車両が本来の能力を発揮しないという安全性や操作性低下の原因になっているとすれば、別の考え方も必要になると私は思います。
仮に、次回イベントに参加される機会に“わがまま”を発揮してもらえるならば、ガードする機能を残したままオートバイ本来の能力を発揮させる手法を実感する事も可能ですから、ぜひお試しください。



守部  隆裕 さん 】

申し込みの時点から 「とても熱心で情熱を秘めた方」と思っていたのですが、実際にお会いして!正に思っていた通りの素敵な方でした。
実は、申し込みの際にメッセージの追加をお願いしたのですが、実に的を得た内容的にも納得できる考えや理解をされている方で、それでいて 事前に服装の確認メールを送信されるなど、とても細やかな配慮の出来る方で感心させられていました。
実際の走行では、私も同じ車両を持っているので理解できるのですが、あの車両の気難しい面がそのまま表に出てしまっている様でしたが、今回が初参加という事もあって具体的な調整に関するアドバイスをしなくて申し訳ありませんでした。というのも、(メカニズム的なお話で理解してもらえると思いますが・・)
あの車両はトラック(サーキット)用の市販車両をベースにして、それの車高を前後で低くしただけの、安易に作成された街乗り仕様になっている事が様々な問題を生んでいて、その中でも大きな問題が「トレール量の不足」です。
カタログ諸元値を比較しただけでも分かると思いますが、1G’時(正立時)のトレール量からして同クラス他車より少な目になっていて、ブレーキング時には更に減少して方向安定性を確保し難い状態になる事は明らかです。このトレール量不足の原因の一つはフォークオフセット量が35mmとなっていて、同クラス他車の同値30mm以下と比較しても明らかな通り、ハンドル切れ角とフレーム設計との妥協の結果と言えます。
そもそも基本となった車両は街乗り設定でなく、(サーキットでの)低速コーナーのフロントタイヤの方向安定性の確保をトレール量ではなく、単にフロント廻りの“ジャイロ効果”で安定させている設定となっています。これは、最低速度が50km/h以上の“低速コーナー”では問題は大きくなりません。
しかし、一般道を走行するには、極低速走行時の方向安定性確保のために“トレール量”は充分に確保される必要があります。
そうです、“あの車両”は基本の車両からして充分にトレール量が確保されていない上に、低車高化のために更にトレール量が不足してしまっていて、その上にフロントフォークスプリングレートも低くされているために、大変に不安定感を感じる場面が多々日常的に出てき易い車両です。
急な下り坂を走行する場合や今回の練習パターンの低速でのターン時に感じてしまい、オートバイを信用して乗ってやる事が出来ない場面を多く感じられた事は間違いないでしょう。
でも、安心してください。人のせいではありません。オートバイのせいです。
現在は、同じ車両の別の仕様のフロントフォーク(GRAレギュレーションに抵触しません)へ換装してありますが、街乗りでの安定感を確保するための“指標”として、「残ストローク量」の確保をお勧めします。
残ストローク量とは、一般的には最大限のフルブレーキを行なった際、インナーチュープがどこまでストロークしたか?を、そのインナーチューブが“残って”いる量を指します。この残ストローク量を多目に設定できれば、ブレーキング時やコーナリング時にも「トレール量」が確保されて、方向安定性も確保できるという原理です。
あの車両でお勧めする「残ストローク量」は、残ストローク量 = H(インナーチューブに残ったストローク量)− h(倒立フォークの場合、トップチューブからのフォーク突き出しの量)となり、最低でも 25mm以上を確保するセットアップをお勧めします。(ちなみに私は、同車両で32〜35mm確保を基本にしていて、それによって安定した低速ターンを確保しています)
また、リアサスペンションユニットの件は、私自身も 色々なスペックを試しているので、何かしらアドバイスが可能な面もあると思いますので、どうぞ 次回の機会には更に“わがまま”を発揮してみて下さい。
楽しみにしています。



渡辺  健一郎 さん 】
オンロード系では今年初めてのイベント開催となりましたが、昨年11月にお会いした際よりも 一段と走りに磨きがかかっていましたね ♪
そして、その“走り”以上に、“思い”と“行動”も磨きつつあるのが、実際にお会いした際に強く感じられた事が印象的でしたし、GRAを主観する立場としては大変に嬉しい思いです。
昨年拝見した安全とマナーアップを啓発する“カード”は、すでに Ver 5.0 まで進化しているとの事で、そういう“カード”を自主制作されて多くの方々に配布している考えと行動力こそ、全国の総てのライダーにとっての“鑑”です。
どうぞ、決して無理をせず、末永く 形を変えつつ続けていかれる事を願っています。
* * * * *
では、冬の間に、他の(参加者の)誰より磨きに磨いてきた “走り”の腕について講評しますね。
相変わらず、上体が余分に前にかぶさる傾向が残っているために、フロントのステアに変な挙動が出やすくなっている点と、リア加重を感じ難い分だけ積極的なアクセル操作まで踏み込めていない点を指摘したとしても ・・・
はい! 昨年以上に随分と磨いてきましたね ♪
はっきりと 表に 自信と一緒に表れていますね。
オートバイとの会話量が、80%増になっている様子がよく分かりました。
ずいぶんと 楽しみの世界が広がったと思いますし、その先にある“世界”も見えるようになったでしょう。
では、ここから先のアドバイスを一つ!
フロントサスペンションのストロークコントロールは現在の方向で良いと思いますが、あと 5mm以上規制してやっても良いでしょう。
そして、リバウンド側(伸び)ですが、時々神経質な動きを示していましたので、イニシャルの再調整を検討するのも良いでしょう。
イニシャルの方向性は、現状よりも 1.5〜2.0kgf程度減らす方向ではないかな?と 推測していますので、参考にしてみて下さい。
その分、0.3〜0.5 mm程度、フロントの車高を上げる方向性も一緒に検討してはどうでしょうか?
また、次回にイベント開催の折には、その辺りも含めて、それらを試すセクションやカリキュラムのある“わがまま”を発揮されるのは 更に良いアイデアではないでしょうか?
では、次回お会いできる日を楽しみにしています ♪♪



岡本  達也 さん 】
昨年までの 250cc車を“嫁”に出し(?)、新しく迎えた 6R君は、事前に(噂で)聞いていた通りに、きれいにまとめあげていましたね。
きっと、冬の間中、空いた時間や手は総てつぎ込んで作成(分解、清掃&リセット作業)をしたのだと思います。
外に“まな板”がある変わった(用途)の外観にもなっていましたが、カウルの内側は例によって隅々まできれいに磨かれていた事からも作業の内容がよく分かりましたよ。
主に、フロントサスペンションのセットアップに悩んでいるとの事でしたが、当日も多少その余韻が残っている様でしたが、それでも 一昨年の冬に初めてお会いした時とは比較できない程に上達したライディングスキルは隠す事はできなかったようですね。
ライディングポジションやハンドル切れ角、車両重量などへの対処はまだこれからだと思いますが、今年一年の更なるスキルアップやセットアップに期待しています。
また、お会いしましょう !!



平山  友則 さん 】

今回の参加車両の中では、一番 車両限界付近が穏やかな特性で挙動を掴みやすく、どの様な走り方でも受け止めてくれるキャパシティが大きく感じられる車両でしたね。
ずぅ〜〜と以前、もっと大きな車両で走行されている時から感心していたのですが、オートバイなりに走らせてあげるテクニックが光っていましたね。
本当に 才能 や センス によるものだと思います。
ただ、今回の感想文の中でも触れていらっしゃいますが、自在に走るオートバイと走らせる能力があるが故に、特定の“走らせ方” の枠の中で留まってしまうという点がありましたね。
オートバイの能力を活かした 安全率の高い走らせ方を得るには、オートバイが本来持っている力学的で自然な動きを分かってやる必要があります。
今回提案した 『サークル理論』も、そんな オートバイ本来の自然な動きで、実際の動きの中での『サークル理論』によって 『クロソイドライン(曲線)』が生み出される事も充分に理解できると思います。
ただ、実際にそれらの 『サークル理論』 や 『クロソイドライン』を一般路上でマスターするのは難しいのが実情ですから、今回行なった様な練習がとても重要になるのです。
あの 「180°ターンイン」を ノーブレーキで行ない、その過程で『クロソイドライン』を実感して、実際にも使いこなす練習は大きな参考になったと思います。
そして、“わがまま”で希望された「オフセットスラローム」のセクションで、一つ一つのパイロンでのターンにおいても 『サークル理論』と『クロソイドライン』の理解とマスターが必要である事も理解されたのではないでしょうか。
もし、そうであれば、今回は大きな収穫がありましたね ♪♪
そう! 「感想文」の中で推測されている様に、あの様なコースでオートバイを走らせる場合には、荷重の抜けやすい“直立上体”を可能な限り避け、スタートからゴールまで常にどちらかにバンクさせ、アクセルOFFでの『クロソイドライン』とアクセルONでの『クロソイドライン』で総てをスムーズにつなげる走りこそが、最も高い荷重でオートバイの安定性と機動性を高めた、安全率を高く保てる走法になり、能力も効率良く使える走法なのです。
どうぞ、次の参加の機会には、人間の能力を高めるのでなく、オートバイの能力を高く引き出す走法を更にトライしてみて下さいね ♪


前島  勲 さん 】
約2年ぶりの参加で、今回が2回目の参加でしたが、誰よりも一番楽しんでスキルアップされたのではないでしょうか。
傍から拝見していても、とても微笑ましくなるほどに、オートバイとの会話がどんどんと進んでいる様子が大変に羨ましくなった程でした。
走り方やオートバイとの会話の“コツ”を確実に掴めつつある様子ですから、今のところは 私の方から何も伝える事はありません。
そんな時が一番、オートバイに乗るのが楽しい時ですから、目一杯味わってください。
「感想文」の中で書いてあった事、「クロソイド曲線がうまく描けない」という点や、「定常小回転走行で左右の差が ・・」という点についても、さほど気にするほどの事でないと思います。
というのも、あの車両は敏感な面があり、どちらかと言えば苦手な範疇だからです。
あの車両が何よりもイキイキとする場面は、アクセルを開けていく場面で、ターンインの場面はノーブレーキでも神経質な面が表に出てきていた筈です。
それは、あの車両の設計&設定上(トレール設定)どうしても出てしまう事です。
しかし、フロントのトレールを減らせ過ぎずにある程度以上は確保するセットアップや走らせ方(早目にフロントブレーキをリリース等)へと持っていけば、きっと ターンインはもっと安定してクロソイド曲線も実現すると思います。
また、定常小回転走行での左右差は、フロントフォークの整列と関連する固定ボルトの締め付けトルクのチェック&調整で大方解消すると思います。
仮に、次のイベント開催時に“わがまま”を発揮して求めてもらえるようならば、力になります。
お待ちしています。



*  *  *  *  *  *  *  *  *  *  *  *


 サークル理論 と 応用練習aa





【サークル理論】と言っても、オートバイの 解説書や物理工学書にも出てこない言葉ですから誰も知らない筈です。
( GRA 用語/ GRA 造語です )

しかし、その内容や本質はライダーなら殆どの人が理解できる筈です。
つまり、サークル理論とは、オートバイを一定の速度(アクセル開度)に保ち一定のバンク角で走らせると、オートバイは一定の半径の円(サークル)の上を安定して走り続ける! という理論です。
(とても簡単な理論ですから、もしかするとライダーでなくても理解できる方は多いのではないでしょうか )

では、実際に試してみましょう!
充分な広さのある平滑な舗装路面を選び、走行して描く円(サークル)の中心とする箇所にパイロンなど目印になるモノを置き、その周りを右回転でも左回転でも好きな方向に旋回してください。ただし、ブレーキは一切使わないで走行します。
どうでしょうか ・・? 毎周同じ箇所をタイヤが通るでしょうか ?
旋回に慣れてきたら、タイヤが通る路面にチョークなどで目印をつけて同じ場所を毎周通れるかチェックしてみましょう。( ブレーキで調整するのは一切無しです )
本来、同じ円(サークル)の上を走り続けるのはオートバイの基本特性ですから、周回する度に大きく外れてしまう方の場合はライダーが余分な操作をしていると言えます。
えっ? 同じ円の上を走れるようになったのですか?
素晴らしいですね! オートバイ本来の能力を邪魔しないという大切な感覚が身に付いたのかも知れませんね。 では、慣れた方は片目あるいは両目をつぶって走行してみましょう! ( 必ず周囲の安全確保の上で! )
急に大きく姿勢を乱してしまったとしても恥じる必要はありません。
安定した周回をしたと思っている時にもライダーが無意識に細かな修正をしていたというだけの事です。更に上のレベルへ上達できる近道が見つかったのですから。
どうでしょう? 全くオートバイ任せに走らせる時に感じる不安感と同時に、オートバイが自主的に走る力強さや頼もしさを感じられたでしょうか?
それが、オートバイが備えている大きな能力ですし、その能力を活かした走法を身につける“ヒント”です。

では、サークル理論(練習)の応用を紹介しましょう。
ある程度練習すれば、厳密に同じ円(サークル)でなくても構いません、ほぼ安定して走るのに慣れてきた方にお勧めします。
最初に用意した回転中心とは別に、7m以上離れた箇所にもう一つ回転中心の目印(パイロンなど)を置きます。(9〜12m程度がお勧めです)
そして、左右どちらかの回転方向を決めて、先ず一方の目印を中心に安定した円(サークル)を描くように走行します。そしてほぼ安定した円(サークル)が描けたならば、加速してそのサークルから脱出してもう一つの目印を中心にした円(サークル)を描くように走ります。
この時、回転方向は一定方向でブレーキは一切使用せず、バンク角もほぼ一定に保ち、アクセル操作だけで二つの円(サークル)を連続して描けるようにしましょう。
そうすると、きっと色々な事が理解できる筈です。
例えて言えば、一つの惑星の周りを安定した周回軌道で周回していた宇宙船があったとして、ロケット再点火して周回軌道を離脱して別の惑星へと向かい、その惑星の直前でロケットを逆噴射して狙った周回軌道に無事に入るためには、ロケットの点火タイミングや逆噴射のタイミングはとても限られた範囲にあるのと同じ事です。
つまり、バンク角を保ちつつ別のサークルへと向かいアクセルを開けるポイントは限定された箇所にあり、次のサークルへ安定して進入するためにアクセルを閉じるポイントも限られた地点にあるという事が理解できるでしょう。
これらの特性が見えてきた時こそ、オートバイ本来の特性に気付く時で、オートバイと親密な会話を達成する第二段階に到達したと言えます。

走行して描く二つの円(サークル)を空から見たとしましょう。
サークルを離脱して次のサークルへ向かうにはサークルのどの地点でアクセルを開けると良いか? 角度にして何度の位置が良いか探ってみましょう。
アクセルオフにして次のサークルへと減速を開始する地点も同様に考えてみると、オートバイの特性の理解に役立ちます。

では、更に次の応用練習へと向かいましょう!
二つの目印(回転中心)はそのままに、一つを右回転に、もう一つを左回転にします。
一方のサークルを描いた後に次は逆の回転方向で安定したサークルを描き走行します。
どうです? 結構難しいと感じたり、意外とやりやすいと感じたりするでしょう。
左右への切り替えしが入る分だけ難しさは増えますが、切り替えしという絶好の加重タイミングでコントロールがし易い分だけやりやすいと感じる人も居るでしょう。
( もちろん! ブレーキは一切使用せず、アクセルとバンクコントロールのみです )
ここでのポイントは、必ず一周以上は安定したサークルを描いた後に次のサークルへ向かう事と、安定する範囲内でより小さな半径のサークルを描けるようにする事です。
そして、どの地点でサークルから離脱し、どの地点でサークルに入るのが最も自然で楽に走れるかをチェックしましょう!
きっと、サークル上のその二つの地点はあまり離れていない事に気付くでしょう。

では次の段階へと進みます。
今まで一回転していたのを止め、安定したポイントでサークルに進入したら、すぐに離脱すべき地点でアクセルを開けて次のサークルへと向かってみましょう。
ごく短い期間ですが、オートバイが本来求めている安定した円(サークル)の上を走行している事を感じつつ走行できるでしょうか?
実は、これが 8の字走行 、オートバイの基本練習 と言われる走法の基本です。

ターンに進入する前に、オートバイが自然に描く円(サークル)の大きさを決め、それに合わせてバンク角やアクセル開度、進入ポイントを守ってやった時こそ、オートバイが持っている能力を最大に活かせるし、円(サークル)が事前に設定できるという事は脱出速度を設定できるという事で、本来の 8の字走行 には様々な重要な要素が含まれて(必要になって)いるのです。
ところが、一般に行なわれている 8の字走行 は、ただ 右ターンと左ターンを繰り返す練習に他ならず、しかも アクセルやバンク角コントロール とは別に ブレーキコントロールという要素が加わり、様々な事を整理しないままに一挙に慣れるまで練習している例が殆どのように見受けられます。

今回、サークル理論を最初から読み、理解をしつつ実際に走行を繰り返し、様々な会話をオートバイと試みながらここまで来た方は既に理解できた事でしょう。
8の字走行 は 難易度が高い! でも いつかは攻略したい テーマ である事が。

この様に 【サークル理論】はオートバイのターン(旋回)のマスターには欠かせない理論で、90°ターンを始めとして 180°ターン、30°ターンなど様々な場面で基礎となる大切な理論です。
ここでは紙面の関係もあり充分な解説は出来ませんが、様々な場面でこの理論を応用して、あなたなりにオートバイ本来の能力を活かした、安全性や走行レベルが高く楽しいライディングを実現させていきませんか。



 リザルトの見方は !a




GRAではタイム測定を行なう度に『タイム指数』を算出して、ライディングスキル等がどの程度向上したのか、或いはベストの時と較べてどの程度ダウンしているのか?を簡単に見分けられるようにしています。
ここで読み取り方の説明を致しますので参考にして下さい。

『 基本タイム指数 』 その方が過去に記録したベストのタイム指数の事で、その人の上手さのレベルを表すものです。 新たにタイム測定を行なった際に、この 「基本タイム指数」 よりも小さな値のタイム指数(結果タイム指数) を出せれば、今までよりも上手に走れた事を示します。
ちなみに、この基本タイム指数(タイム指数)を更新した方にはもれなく! 奨学飴” (飴)を差し上げます。
『 結果タイム指数 』 その日のタイム測定で算出されたタイム指数の事です。
『 実力発揮度 』 持っている実力をどの程度発揮したかを表す数字で、計算方法は、『結果タイム指数』を 『基本タイム指数』で割ります。
つまり、実力発揮度が小数点以下になればスキル(実力)が伸びている事になるのです。
『 仮想ベストタイム 』 その人が実力通りの走り(基本タイム指数通りの走り)をした場合、どんなタイム結果になっていたかを表しています。

この表を見るのに慣れるのに多少時間は掛かるかも知れませんが、スキルが伸びたかどうかが一目で判断できますし、どの程度のタイムを出していれば “奨学飴”がもらえていたのかも簡単に見分けられますので、とても便利ですよ ♪
 
 


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