燃料カプラーの外し方は？ （2）
　　How to disconnect the Fuel Coupler (2)

燃料ポンプに接続しているカプラーの外し方について質問がありました
おそらく、燃料タンクの取り外して、整備をしようとされているのでしょう
関連情報も含めて、その整備をサポートします

こんにちは S さん

無事に燃料カプラーの取外しが出来て、シリンダーヘッドカバー取外しまで進められたとの事で、少しはお役に立てて様で安心しました。

さて、そのヘッドカバーの固定ボルトの“締付けトルク”の件ですが、下図の通り、メーカーの
指定締め付けトルクを掲載した画像を、先日も紹介した“マニュアル掲載サイト：Manualslib.com ”から転載・紹介しますので、是非、参考にして下さい。なお、図の掲載に
続いて、注意すべき点などを加筆しつしていますので、併せてご覧下さい。

また、ご不明な点があれば、どうぞ気楽にご連絡をください。

『 ガスケット 』について

今回の お問合せの「シリンダーヘッドカバー 固定ボルト」とシリンダーヘッドとの間にも付属している“ガスケット”について触れておきます。「ガスケット」という名称は、液体や気体の漏れを防ぐ為の、シール用部材の名称で、使用する箇所や材質、国によって呼び名が異なり、「パッキン」とか「グロメット」とも呼ばれている部品です。





この「ガスケット」が利用されている箇所で注意をすべき点は、適切に液体や気体の漏れや流入を防ぐ事である事は多くの人が理解しているのですが、誤って、固定用ボルトの締付けトルクを必要以上に高めてしまって、ボルトやボルトで固定している部品を破損してしまう例が多い事です。
例えば、エンジンオイル交換の為の「ドレイン ボルト」を必要以上に締付けてオイルパン（エンジン最下部にあるオイル溜め部品/アルミ製が多い）を破損させたり、点火プラグを締め付け過ぎてシリンダーヘッドのプラグ穴を破損させたりする例は少なくありません。 そして、今回のシリンダーヘッドカバーも、固定用ボルトの締め付け過ぎでカバーを破損させる例も少なくないのです。

それら全てのボルトに共通している点は、「ボルトに付属しているガスケットへの適切な配慮が欠けている」という事です。それは、“ガスケット”には最適な変形（締付け力での変形）の程度がある事と、ガスケットの接触面は平滑で異物が無い事、ガスケットの寿命（使用期限）以上に使わない事への配慮が大切なのです。

今回のヘッドカバーの固定用ボルトについては、恐らく金属プレートにゴム部品が組み合わされた「ガスケット」（グロメットとも呼ばれる）がついていますし、シリンダーヘッドとの接触部用にゴム製の「ガスケット」もありますので、ゴム部分との接触面には異物をはさみ込まない様に清掃を行ない、マニュアルでも指示されている通り、新鮮なエンジンオイルをゴム面に塗布してから、「ガスケット」（ゴム部分）が適度に変形してシールする様に配慮して締め付ける事が大切です。
（メーカー指定マニュアルの 締付けトルク 10 Nm は、それを配慮した力の大きさです）

Sさんのように、締付けトルクに配慮するなど、細かな点に気を配る方であれば問題は無いと思いますが、私はずっと昔、400�t車のシリンダーヘッドカバーにクラックを入れてしまった失敗をした事がありますので、蛇足だと思いますが、その反省から学んだ事をお伝えした次第です。
また、不足した情報があれば、可能な限りサポートをしますので、いつまでも、楽しく、安全なオートバイライフを過ごしください。