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Common sense and insane

オートバイが備えている能力を正しく安全に発揮させるには、正しい知識と適切な整備と調整・セッティングが必要です。しかし、二輪業界全体の商業主義に影響されて、より適切な知識や整備を求めるライダーにとっては、充分に発揮できる環境とは言えません。

Proper knowledge and proper maintenance and adjustment/setting are necessary for a motorcycle to properly and safely demonstrate its capabilities. However, for riders seeking more appropriate knowledge and maintenance, the environment does not provide enough of them.


  ステムベアリングの調整について、(2)

  About Stem Bearing Adjuatment part 2



  ステムベアリングの調整をして“ガタ”を取る方法についての質問がありました
  ご自身の手で解決する事も考えていらっしゃる様子なので、簡潔な回答と基本的な調整
  そして、詳細な基礎編などに分けて解説を進めています





【 回 答 】・ 詳細編 Detailed Explanation


ステムベアリングについて、過去から辿ってきた経緯や、現在置かれている状況を確認した上で、オートバイで採用されたステムベアリングの設計上の問題点を理解して、組み付けや整備をする際に注意をすべき点などについて、一つひとつ順番に解説をしていきましょう。  
 

 ベアリングの役割と目的   The Role of Bearings


 役割は、二つ以上の金属部品などが接する場所に置かれて、それらの部品が相互に滑りや回転
 などの運動を自由に行なうのを助けるのが一番大きな目的です。
 その上で、部品相互の間で働く力や衝撃に耐えて、それらの部品を摩耗や破損から守る事が求
 められている部品です。つまり、ベアリングは接する部品を守る代わりに、最も損耗が避けら
 れず、時には最初に破損する運命を背負っているの部品のため、定期的な分解・整備が必要な
 部品です。
  
   

 オートバイに使われているベアリングは   Bearings in a Motorcycle


 ベアリングは用途によって様々な種類があり、オートバイでも多くの種類のベアリングが数多
 く使われています。以下の通り、使用されている主なベアリングの種類を紹介しますが、ベア
 リングメーカーによって呼び名が異なるため、一般的な名称で紹介します。
    

オートバイのベアリングと特性 GRA 【 メタル、ブッシュメタル 】
恐らく、オートバイで最も多く使われているベアリング
クランクシャフトやカムシャフト、ピストンピン、トランスミッション軸など、エンジン内部の回転する軸受部の多くで使用される他、フロントフォーク内部で重要な役割を担い、ドライブチェーンのリンクピン部で使われている
潤滑は主にエンジンオイルで強制的に循環潤滑され、その油圧によって回転軸を浮動状態に保っている
オートバイのベアリングと特性 GRA 【 ボール ベアリング 】
生活用品など多くの製品で使われ、よく知られているベアリングで、内部にあるボールが荷重を受け止め、ボールが回転する事でスムーズな動きを得ている
オートバイでは、クランクシャフト端部やトランスミッションの出力軸部など出力負荷の大きな箇所の他、ホイールベアリング、ハブベアリングで使用されている
潤滑はエンジンオイルまたはグリースで、ホイールベアリング用には組立時にグリースを封入したシールタイプが主流になっている
 
オートバイのベアリングと特性 GRA 【 ニードルローラー ベアリング 】
スペースが限られた狭い場所で使われ、「メタル」タイプよりも大きな荷重と耐久性を確保したい場合に使われているベアリング
オートバイの場合、スイングアームの取付け軸(スイングアームピボット)やリアサスペンションのリンク可動部、変速用のシフトリンケージ部のほか、エンジン内部の強制潤滑が難しい 2ストロークエンジンのクランクシャフト等の各部で採用されていた
潤滑は主にグリースで、別途・オイルシールで異物混入を防ぐ方式を採用している
 
オートバイのベアリングと特性 GRA 【 アンギュラー ボール ベアリング 】
オートバイでは、ステムベアリングで採用されているベアリング
ボールベアリングの様に円の中心から円周方向への放射状方向(ラジアル方向)の荷重を受け持ちながら、同時に軸方向(スラスト方向)の荷重の両方を支えつつ、回転軸の回転をスムーズにする役割を担っています
オートバイで採用される場合、分解・組立式のタイプが多く、定期的な分解や整備・調整も求められる
潤滑は主にグリースで、定期交換が必須
   
オートバイのベアリングと特性 GRA 【 スラスト ボール ベアリング 】
オートバイでは殆ど使われていないベアリングですが、
通常のボールアリングとの違いを知れば、ステムベアリングの特殊さが理解しやすくなると考えて紹介します
通常のボールベアリングが受け持つ荷重は、円の中心から円周方向への放射状の向き(ラジアル方向)の力だけですが、このベアリングは円の中心軸方向(スラスト方向)の向き、つまり左図では、ボールを裏と表の両面から押し潰す方向の力だけを支えながら、その回転をスムーズにする働きを担います
  




 ベアリングに必要な仕事環境   Enviroment required for Bearings


 ベアリングが適正な動作を続ける為には、【 潤滑 】【 温度 】【 すきま 】【 荷重分布 】
 適正な管理や保守が大切です。それらの環境が守られないと、ベアリングは編摩耗や早期損耗
 などから動作不良を起こし、それが原因となって、ベアリングが支えている様々な可動部品の
 動作不良へと繋がりますので、オートバイの正常な動作確保の為にも、ベアリングの環境への
 配慮が欠かせません。
   

 充分な潤滑  グリースやオイルなどによる潤滑は必須です
 同時に、潤滑油の鮮度や品質は良好である事が求められ、
 異物の混入は厳禁です
 適正な温度  極低温や高温の環境を嫌います
 通常は潤滑剤の循環で制御されるので、潤滑剤の役割は大
 適正なすきま  ベアリング内部には、適正な作動の為のすきまが必要です
 一体式のベアリングでは比較的心配は少ないが、組立て式
 のベアリングでは“すきま”(与圧)の管理が重要
 適正な荷重分布   ベアリングは、構成する部位全てに同様な荷重分布が実現
 した場合に、本来の正規の動作と長寿命が可能になります
 特定の部位に偏った荷重分布や特定部位のみが動作する環境
 では本来の働きをせず、編摩耗や動作不良の原因になります




 最も厳しい環境のベアリングは?   Bearing in the toughest enviroment


 オートバイで使用されているベアリングの中で、その使用環境(設定環境)が最も厳しいのは
 「ステムベアリング」「スイングアームピボット ベアリング」です。

 その理由は、殆どのベアリングは回転を続ける回転軸を支える箇所で採用されているのですが、
 上記のベアリングは、回転軸の回転が少なく、限られた範囲の回転しかしない箇所(回転軸)
 で採用されているためです。その限られた回転範囲のため、回転を続ける場所で働くベアリン
 グと較べて荷重を分担する部位が偏っている事と、回転を続ける事で補われる潤滑作用が無い
 ために、潤滑不足から摩耗や破損を生じやすいからです。
 

オートバイのベアリン、 最も使用環境が厳しい ベアリングは? 


【 補足説明】

  オートバイが誕生して、スイングアームとテレスコピック形式のサスペンションを採用
   した現在の様な構成になって以来、上記の「スイングアーム ピボット ベアリング」と
   「ステム ベアリング」で、その作動を確実にする為に様々な改善が加え続けられていま
   すが、前記の通り、回転範囲が限られている事などから生まれる脆弱性が残っています。

  例えば、「スイングアーム ピボット ベアリング」の動作環境を改善する歴史の中で、ベ
   アリング部に外部から新しいグリースを補給できるシステム(グリースニップルを利用)
   が採用された事もあり、それが長い期間に亘り標準的な装備でした。しかし、ベアリング
   やシールの性能の向上に伴い、そのシステムは廃止されましたが、それが却ってメインテ
   ナンス性の低下とベアリングの早期損耗や破損を招いています。

オートバイのベアリング、スイングアームピボット ベアリング GRA


 一般的に、ベアリングの耐久性は、その直径や幅が大きい程に高くなりますが、スイング
  アームのピボット部(支持軸)では特に許されたサイズが限られているため、先に述べた
  潤滑性の問題と併せて、一定距離を走行した車両では分解整備が求められる箇所の一つです。

 「ステム ベアリング」に関しては、次項の『 ステムベアリングの注意点 』で詳しく解説
  をします。

 








【 回 答 】・ ステムベアリングの注意点 Answer about Stem Bearings


前項で、オートバイで使われているベアリングの中で、ステムベアリングが最も使用環境が厳しい箇所で使われている事を紹介しました。
さらに、その使用環境の問題とは別に、ステムベアリングはオートバイの安全に欠かせない直進安定性に大きな影響を与える大切な部品である事と、ライダーに最も近い場所にあるベアリングなので、ライダーはその状態をハンドルを握る手を通じて感じやすい事により、ステムベアリング関連の設計を混迷に陥らせている事を解説しましょう。様々な紆余曲折を経て、今もなお最適な設計と整備基準が確立できていない箇所なのです。

 基本設計は長年変わらないが ・・   Long-standing Basic Design


 1950年代以降、フロントサスペンションの形式が現在主流のテレスコピック形式になって
 以来、そのフロントフォークや上下のヨークとステムベアリングの基本的な設計は変わって
 いません。

オートバイのベアリング、 ステムベアリング GRA
   

 アッパーヨーク(トップブリッジ)とアンダーヨーク(ボトムブラケット)で左右のフロント
 を固定して、操舵軸の回転(操舵)を上下に配置されたステムベアリングでスムーズに行なえ
 る様にした設計です。
 そして、車重を支えて前輪からの衝撃も受け止めつつ、同時に操舵軸の回転中心のブレを防ぐ
 センタリング機能を備えた「アンギュラー型 ベアリング」を使うのが現在は一般的です。
   
   
   

 混迷が続いている設計と処遇   Design continues to be confused


 ここで、ステムベアリングが辿ってきた苦難の過去と、その原因を解説しましょう。
 最大の原因は、以前は非舗装の道路が普通だったからです。舗装路面しか知らない人にとって
 は想像し難いでしょうが、1970年代、国道でも土の道路は珍しくなく、走行と雨の影響によ
 って大きな凸凹はつきもので、それがハンドルの振れを誘発して事故の原因になっていました。
 それは、“石”を敷き詰めた石畳道路が多く残されていた欧州でも同じであったため、そうい
 う凸凹の大きな道を走行する時の為に、わざとステムベアリングを強く締め込んで“振れ”を
 小さく抑えられるようになっていました。

オートバイのベアリング、 ステムベアリング GRA
オートバイのベアリング、 ステムベアリング GRA

【 補足説明】

  当時のオートバイの多くが幅の広いハンドルを装備していたのも、凸凹の路面でハンドル
   が大きく“振れ”ない様に必要な装備だったのです。それほど、急に現れる路面の凸凹で
   転倒する事故が当たり前だったと言えます。

  ステムベアリングの“すきま”(与圧)に神経を使う必要があった原因は、単に路面環境
   だけではなく、当時のベアリングや上下ヨークの剛性や品質にもあったと思われますし、
   ボルトの品質や精度、そして整備品質の低さも“ガタ”を誘発したと考えられます。
 
  ただ、必然性が高い装備だったとは言え、ベアリングにとって必要な“すきま”を確保す
   る調整の大切さは無視され、許容値以上に大きな荷重をベアリングに与える整備と、ハン
   ドルをしっかりと握って抑え込むような運転を問題視しない指導が、平滑なアスファルト
   舗装ばかりになった現在でも残っている事は、決して良い事とは言えません。


 では、次項で、過去の経緯と最適化されていない設計が残る、ある意味で、遺物とも言える
 ステムベアリング周辺の設計の問題点について触れます。


 
 
  

 悪しき遺産、ステム設計   Not a good Legacy, Stem Design


 オートバイの設計者に限らず、設計者は過去に大きな問題を起こさなかった箇所の設計は、
 殊更に新しい設計を試す事は少なく、過去に何故その設計をしたかを考えず、以前の設計を
 そのままの形で流用する癖があります。その過去の遺産と弊害を解説しましょう。

 アジャスティングナット
     の個数
 殆どのオートバイでは、アジャスティング ナット が
 2個採用されていますが、本来は1枚で問題ありません
 2個ある理由は、ダブルナットとして機能させて、緩み
 が発生するのを防止する為にあったと思われます。
 しかし、ステムナットでアッパーヨークをアジャスティ
 ングナットに押し付けて固定している限りは、アジャス
 ティングナットは緩む事はありません。
 不要なロックワッシャ  アジャスティングナットをダブルナットとして機能させ
 ていた名残として、2個のナッドの間に挟み込む形で使 用されている緩み止め用の「ロックワッシャー」ですが
 、実際にはその機能を果たしていません。つまり、ロッ
 クワッシャーの存在は、悪しき遺産を受け継いだ設計が
 されている事を示しています。
 アジャスティングナットの
 過剰な指定トルク値
 アジャスティングナットの使命は、ベアリング内の最適
 な“すきま”を確保する事ですが、車両メーカーが指定
 するアジャスティングナットの締付けトルク(力)の値
 は明らかに過大で、“すきま”を確保できない整備が常
 態化しているのは過去の悪しき遺産です。
 ステムナットによる締付けが加わる事を考慮すれば、
 本来は、アジャスティングナットでの調整は“すきま”
 を少しだけ大き目に合せるべきです。



【 補足説明】

  過剰な締め付けトルク値が指定されている事は、新車購入後、無事故で1年も経過してい
   ない車両の整備をした際、複数の車両で、ベアリングのレース表面にホールによる“打痕”
   (凹み)を複数台で確認した経験からも裏付けられています。

  回転幅が限られるので潤滑が充分でなく、ボールとレースへの荷重分布に大きな偏りが
   あるなど、過酷な使用環境にあるステムベアリングです。その上、最適な“すきま”が
   保障されていない整備が行なわれている為、多くの車両で本来の働きを発揮していないと
   推定できます。関心の高い人は、ぜひ、次項を参考にして、整備を強くお勧めします。











【 回 答 】・ 整備上の注意点  Precautions for Maintenance


フロントタイヤやフロントサスペンションを全て脱着する手間はありますが、ステムベアリングの組み付け作業や保守整備作業はさほど難しくはありません。ただ、難しい点があるとすれば、アジャスティングナットはメーカー指定のトルク値で締め付けない事と、最適な“すきま”調整を実現するには多少の試行錯誤と慣れが必要な事です。


ベアリングのボールとレースの傷の確認

 フロントホイールとフェンダー、フロントフォークなどを取り外して、ステム中央部にある
 ステムナットを緩めて取り外して、アッパーヨーク(トップブリッジ)とアンダーヨーク
 (ボトムブラケット / 三つ又)を取り外します。

オートバイのベアリング、 ステムベアリング GRA
オートバイのベアリング、 ステムベアリング GRA    
  
 そして、取り外した上下のベアリングの“ボール”の表面の傷の有無を確認します。
 現代のベアリングの品質は高く、ボールに傷が発生する事は滅多にありませんが、仮に、下図
 の様な傷があれば“ボール”と“レース”をセットで交換します。
  

オートバイのベアリング、 ステムベアリング GRA

 
 同様に、上下のベアリングの“レース”(ボールを上下から挟みこんでいる部品)4個の表面
 の状態を確認します。

オートバイのベアリング、 ステムベアリング GRA
オートバイのベアリング、 ステムベアリング GRA
 
 “レース”表面の傷の確認は、明るい光源の下での目視と、表面の触診がお勧めです。
 特に、触診の場合は、爪先で表面をなぞるように触れば、見ても分かり難い傷が確認しやすく
 なります。

 ボールとレース共に問題が無ければ交換の必要性は低く、明らかな傷がある場合には交換が
 お勧めです。


【 補足説明】

  ベアリングの傷や破損は、主に組み付け荷重(与圧)の過剰か、グリースの劣化や不足
   による潤滑不足から発生します。事故など大きな衝撃でも発生する場合もありますが、
   体験上、車両の原型が大きく変わる程の事故でない限りは発生しないと考えています。

  “レース”に残る傷は、“ボール”に強く押されて所どころが円形に僅かに凹んだ打痕
   (だこん)状の傷が一般的で、上部ベアリングの下側レースで確認される例が多くあり
   ます。

  その打痕状の傷が残る原因は、主にベアリングの組み付け荷重(与圧)が過剰な場合が
   多く、新車購入時から打痕が生じていたと思われる車両を複数台整備した体験からも、
   アジャスティングナットはメーカー指定値通りに締付けない事が重要だと確信しています。





可能であれば、レースを軽く打ち込み、圧入位置を確認

 ベアリングの“レース”圧入(組込み)作業が不正確だと、“ボール”とのすきまが正しく
 保てず、操舵時の違和感や編摩耗の原因になります。工具が必要になりますが、念の為に、
 圧入された上下 3個の“レース”を軽く打ち込み、本来の位置に収まる様にします。


オートバイのベアリング、 ステムベアリング GRA オートバイのベアリング、 ステムベアリング GRA




グリースを新品に交換・給脂

 ベアリングは、ボールとレースの間に僅かな“すきま”があり、その“すきま”には新しい
 グリースが満ちている事が正常な動作の絶対条件です。必ず、古いグリースを拭き取り、その
 粘度やザラつきを指で確認した後、ベアリングの全ての“すきま”を新しいグリースで充填
 します。

ステムベアリングの調整について GRA

【 補足説明】

  ベアリングが使用される箇所や使用環境によっては、グリースを隙間無く充填する事は
   潤滑を阻害する場合もありますが、ステムベアリングの場合は特殊な使用環境のため、
   隙間無く充填する事は問題ありませんし推奨します。

  使用環境が厳しく、ベアリングの回転による潤滑作用が期待できないステムベアリング
   には、本来ならば、定期的な分解とグリース交換を行なう整備が必要です。
  
  
  
  

最適な“すきま”(与圧)に調整
 
 最適な“すきま”(与圧)の調整は、必ず、下画像の様に、アンダーヨークとベアリングを
 アジャスティングナットで装着した状態で行ないます。
 アジャスティングナットの締付け力を変えながら、アンダーヨークをゆっくりと小さく回転
 させて、締付け方で回転抵抗が変化する点を見つけます。そして、重くなり始める締め込み
 位置から角度にして 約6度(時計の針で1分)ほど緩めて、それからアッパーヨークを装着
 してステムナットで締め付ける方法がお勧めです。

ステムベアリングの調整について GRA

  
 次に、アッパーヨークを装着してステムナットを締め付けた後、改めて、ヨークを軽く触れて、
 “回転の重さ”と“ガタ”を確認します。重くなり過ぎたと感じた場合や“ガタ”が大き過ぎ
 ると判断した場合は、迷わず、アッパーヨークを一旦取り外して、アジャスティングナットの
 締め込み(与圧)を調整します。
   

【 補足説明】

  アッパーヨークを固定した後は、固定しない時と較べて、多くの場合、回転時の“重さ”
   が増えます。これは、ステムナットの締付け力によって、ベアリング内部の“すきま”
   が狭くなるためです。“重さ”が大きくなり過ぎた場合には、ステムナットの締付けで
   変化する分を見込んだ アジャスティングナットの締め込み(与圧)調整を行ないます。

  フロントフォークを装着した後では、上下ヨークにフォーク重量分の荷重と慣性が加わる
   ので、“重さ”や“ガタ”を感じ難くなります。そのため、フロントフォークを装着しな
   い状態での確認がお勧めです。確認調整の後でフロントフォークを装着する時は、面倒で
   も、一度、ステムナットを緩めた後で装着をする方が、車両状態をより良くできます。



以上、簡単ですが、『 ベアリングの種類と整備上の注意点 』の解説です。
また、別コラムで『 ステムベアリング整備 』を掲載していますので、参考にしてください。

この解説で、もし、ご不明な点や確認が必要な事がありましたら、ぜひ、お問い合わせください。 また、次のページでは、動画で「ステムベアリングの整備作業」を掲載の予定です。









解説記事と画像 :小林 裕之
  
Texts and images : Hiroyuki Kobayashi



* *  次ページで、『 質問者の方からの嬉しい返信 』を掲載しています * *
The next page is the answer to the detailed situation

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