オートバイのハンドリングが一番不安定になるのがバンク開始時だから、直進走行時の乗り心地や安定感が良くなっても満足はできない。そんなテスト走行が可能な専用のエリアで、最初は 60g仕様のまま、直進状態からバンクさせてターンインを開始させた直後のステアリング周りの安定性を確認するテストを行なった。 その結果は、一般道・直進路で感じた時と同じく、「 重さは感じられるが、安定感は高くなった 」だった。
この効果が出たのも余分な振動成分が減ったためという仮説が考えられる。
ただし、今回の振動成分は、ステアリング(ハンドル)の回転軸を中心にハンドル端部が回転方向に振動する、ステアリング軸周りの振動成分だ。
このステアリング軸周りの 回転振動成分は、直立・直進走行している場合にはあまり気づかないけど、バンクさせる時にはオートバイに左右非対称な力を加えるので、左右の力のバランスが崩れた時には顔を出しやすいのだろう。
もちろん、バンクさせて暫くすれば、タイヤのトレッド面が路面との間で起こした振動は収まり、フロントフォークの上下振動も収まるので、そのステアリング軸周りの振動は収まる。
しかし、低速時やバンク角が大きい時には振動が発生しやすい。それなのに、今まではバーエンド にウエイト(重り)をつけていなかったので、ステアリング軸周りの振動成分が抑えきれず、フロントタイヤの方向安定性を減らし、タイヤのグリップ感を減らしてしまい、初めて試乗する人には“ 怖さ ”を与えていたのだろう。
試走した後、念の為にウエイトを全て外して、昨日までの状態(ウエイト 0g)と較べてみた。
すると、その違いは明らかだった。0gだと不定感を大きく感じて、直進路は気にしなくても、バンク開始した時の違いは大きく、もうウエイト 0gには戻れない !
では、何gのウエイト(重り)が一番バランスが良いのだろうか?
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