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Common sense and insane

殆どのオートバイのハンドルに装着されているバーエンドウエイトは、殆どのライダーに注目されない部品の一つです。グリップの保護だけでなくバランサーとして機能している事に注目すれば、ライダーや使用用途に合わせて調整・セッティングすべき部品の一つです。

The bar end weight on most motorcycle handles is one of the parts that most riders don't pay attention to.If you pay attention not only to the protection of the grip but also to the fact that it functions as a balancer, it is one of the parts that you need to adjust and set according to your rider and usage.



  たかが、バーエンド ウエイト、 されど ・・
  
  It's just bar end weight, but...





『 試走して、最適ウエイトを模索 』 Explore the best weight on a trial run



オートバイを購入した時、いつも真っ先に取り外していたバーエンド ウエイトだけど、先日、意外にも操縦性や安定性に大きな影響を与える事に気付かされた。 そして今日は、実際に走行して試せる初めてのイベント開催日だ。
 
暫定で 48g ウエイト仕様でイベント開催会場へと自走してみれば、意外にも感触が良くない。
鈍いというかダルなのだ。 ちょっと大げさに言うと、水飴が入った鉢に箸を刺してグルグルとかき混ぜる時の感触に似ていて、思っているラインや反応が微妙にずれてリズムに乗れず、却って危なく感じるほどだった。

それは高速走行時だけでなく、極低速の時から感じられるほどだったので、イベントの空き時間を利用して 、0g、12g、24g、36g、そして 48g のウエイトを試してみた。


バーエンドウエイト、最適なウエイトを求めて 1

すると、ウエイトの僅かな違いでオートバイの表情や動きがはっきりと変化するのが確認できた。
特に、一番大きな違いが出たのは、深くバンクさせて、ブレーキングを行ない、125度から180度位のターンをする時だった。 24g だとブレーキングの後でアクセルを開けるまでの短い間にフロントが微妙に揺れるけれど、48gだと ピタッと安定している上に ターンの回転方向の先へ先へと進んで行く感じなのだ。

そこで、その中間のウエイト・36g にすれば、安定しつつ勝手に先へと進む感じは少ないので、帰路は 36g 仕様で試す事にした。 やはり、コースだけではなく高速道路絵から極低速走行まで バランスが良くないとダメでしょう。

こんな グラム単位での調整をしてみて、拳銃のグリップについての記事を思い出した。拳銃のグリップも形状と重さを バランス良く整える事が大切だと詳しく書かれていたけど、やはり道具の良し悪しはバランスに大きく依存しているのだろう。

さて、グラム単位の調整だから、最終的には 30gだろうか。 それとも32g か?
実際に、ウエイト用の金属素材に真鍮を手配して、作って試してみるしかないだろう。











『 ウエイト用素材・真鍮棒の到着 』  Choose brass as the material for weight


バーエンド ウエイト用に手配した金属素材・真鍮棒が到着した。
直径 32mm x 長さ 259 mm で 重さが 約 1700 g


  
バーエンドウエイト、最適なウエイトを求めて 2

   
32 g のウエイトを削り出すと 約 5 mm と短い。
また経験の無い加工方法を学習しなくてはいけない。
特に、仕上げに角の面取り方法が分からない。

まあ、慣れない加工は試行錯誤、やってみるしかないね。










『 苦手な旋盤作業の結果は? 』  Try to make weight on a lathe


今日は、先日から予定していた、バーエンドウエイトの製作だ。
ホント、苦手な旋盤加工で、しかもセンターが正確に出ていないドリリングでの穴あけ作業だから、ビットの折損と飛散に注意しながらのゆっくり作業。

目標は、32g のウエイトを2個と、38g のウエイト2個の製作だ。
旋盤での製作作業、 恐れていた通り (想像通り) の結果になった。
 

バーエンドウエイト、最適なウエイトを求めて 3

バーエンドウエイト、最適なウエイトを求めて 4

 
バーエンドウエイト、左右の重さを合わせるのが大切。
削り出した結果で、左右の重さが違ったら、重い方を少し削るのは当然。
そして、削りすぎて軽くなり過ぎたら、もう一方を少し削る。
以上の作業の繰り返しで ・・・・・ 予想は 100%的中です!
  
仕上がり 32g 予定だったウエイトが 23.5 g に、同じく 38g 予定が 29.2 g になってしまいました。 たくさん削り、たくさん時間が掛かりました。ハイ  
 

バーエンドウエイト、最適なウエイトを求めて 5      

   
やっぱり、旋盤作業は苦手だ。
でも、分解・組立作業はそうではない。
結局、試作段階で 推定された最適ウエイト: 32g に近い、29.2gを装着する事に。
想像通り、金色に光り、車体色ともマッチして、なかなか綺麗な感じだ。
  
後日、試走結果も報告の予定だ。


バーエンドウエイト、最適なウエイトを求めて 6







< Summary of this page >
In order to find the optimum bar end weight, I tried several weights on various scenes such as highways and general roads, and found that even a difference of only 1g would have a subtle effect on the maneuverability and stability of the motorcycle, and that the best candidate would be 30g or 32g.
So, I decided to make the weights that were actually nominated from brass and try each one. However, as a result of trying to make it on a lathe, it was not possible to make the desired weight, and two 23.5g weights and two 29.2g weights were completed.
I gave up the production again, and decided to try it at a weight of 29.2g first. It is a good finish to match the body color when attached to the vehicle. The results of the 29.2g trial run will be reported again later.


解説記事と画像 :小林 裕之
  
Texts and images : Hiroyuki Kobayashi









* * *  続編・次ページは 『 最適バーエンド ウエイト考察 』です * * *
The title of the next page is "Consideration of optimal bar end weight".


わからない用語は、ページ下段の【用語の解説辞典】で確認できます
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