サークル理論
「 惑星運動の法則 」その1
オートバイは常に自然の法則に従って動きます。 しかし、人間(ライダー)はその法則を無視して操縦しようとしがちです。 それは、まるで人間がいなくては正しく走らないと誤解しているのです。
どうぞ、オートバイの基本特性・「サークル理論」を理解して、 適切で安全なライディングを身につけてください。
『 惑星運動の法則 』
地球が太陽の周りをほぼ円軌道に乗って公転(回転運動)して、月が地球の周りを公転している事は皆さんも知っている通りです。
実はこの地球や月と同じように、オートバイもほぼ一定の半径の円軌道に乗って公転(旋回運動)する基本的な特性を備えています。 その特性を、『 惑星運動の法則 』(サークル理論)と呼ぶことにします。
この『 惑星運動の法則 』を理解して、それを利用した走法こそ、オートバイライディングの基本を実践する事になり、ライディングの技術向上や安全運転走行に一番効果があるのです。
『 なぜ惑星運動 ? 』
では、なぜ、オートバイにとって“ 惑星運動 ”が基本的な特性なのでしょう ?
そうです。 オートバイを一定の角度でバンク(傾け)させたまま、一定の速度で走行させれば、バンクによって内側へ倒れようとする力と速度に よって生まれた遠心力が釣り合う状態が生まれます。 つまり、バンクさせた角度と速度によって、ある特定の回転半径を 描くようにオートバイは走行するのです。 これが、どんなオートバイでも持っている基本の特性です。
では、実際に確認してみましょう。
『 惑星運動を試してみよう 』
最初に、オートバイの走行練習に使える場所を確保しましょう。 他の車両や歩行者などに一切迷惑を掛けず、交通法規に抵触をしない場所が必要です。
そこで、実際に一定のバンク角と一定の速度を保って、公転軌道(円軌道)を描くように 走れるか、つまり同じ円軌道の上を走り続けられるかを確認してみましょう。
慣れない内はブレーキ(特にリアブレーキ)を使うと走りやすいのでしょう。 そして、慣れてきたたらブレーキは一切使わないで走りましょう。 ブレーキを使うと操作の乱れをごまかす事もできるので、使わないのが基本です。 初めは 5m 以上の回転半径から始めて、安定して走れるようになれば、徐々に回転半径を 小さくして、半径 2m 程で何周も安定して“ 惑星運動 ”(サークル旋回)ができれば最高です。