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いつまでも、楽しく、安全な、オートバイライフの
環境作りに必要な事を、4項目に分けて解説します

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● 真っ直ぐ走らせてスキルアップの道







【 直立・直進の練習はライディングの基本 】


直立した状態での“直進走行”練習はオートバイのライディングの基本です。
この基本をマスターしていなければ、バンクさせてのカーブ走行(コーナリング)も上手にできません。

と言うと、「 直進? 直進はいつだって出来ているし、コーナリングも大丈夫! 」とか
「 一本橋の走行は得意だから問題無し! 」 と答える人も居るでしょう。

ただ、ここで言う“直進走行”とは、オートバイが備えている高い直進安定性を利用して、あたかも路面にピンと張った一本の糸の上から外れず、右にも左にもほとんどフラつかずに走る事です。一般の直線道路や一本橋で、見ただけで左右のフラつきがわかるような走行は“直進走行”とは言えず、ライディングの基本が出来ているとも言えないのです。





【 それはオートバイの基本特性 】

本来、正しく整備をされたオートバイは、時速 8q以上も出ていれば、“真っ直ぐ”走るように作られています。
その上、アクセルを開けて加速している時や、高速での走行時、ブレーキで減速時には、更に“真っ直ぐ走ろうとする”のがオートバイの基本特性です。

    

   
しかし、実際に一般道を走行しているオートバイを観察すれば、“真っ直ぐ”走っていない車両が多い事に気づきます。 真っ直ぐな高速道路でも、横風の無い平らな路面状況でも、左右に緩やかに蛇行しながら走っているオートバイが殆どです。 街中では、信号待ちで停止して発進する時、周囲に他の車両がいない状況でも、真っ直ぐ発進しているオートバイは殆どいません。
   
それは、何故でしょうか?




【 特性を活かすライディングが大切 】
  
オートバイが“真っ直ぐ”走ろうとしているのに、知らず知らずの内に、左右に30pを超える幅でフラついている最大の原因はライダーです。
オートバイは真っ直ぐ走ろうとしているのですが、ライダーがそれを邪魔するようにハンドルに余分な力を加えているのです。
特に目立つのは、アクセルやブレーキの操作時に不要なハンドル操作をしてしまっているライディングです。

30pを超える幅でフラついたとしても、一般的な道路状況での直進走行はさほど大きな問題ではありません。
しかし、カーブでの走行時(コーナリング時)では危険な状況を生み出す原因となります。
直進走行で知らない内にフラついているライダーは、カーブ走行時(コーナリング時)にも、オートバイの基本特性を損なう不要なハンドル操作などをしています。
そのため、カーブ走行時(コーナリング時)に狙いより内側へ寄って走ったり、逆に外側へ膨らんだりと、細かな修正操作を繰り返す原因になります。

また、カーブ走行時(コーナリング時)には直進走行時よりもタイヤのグリップ力を活かした走りが必要ですが、オートバイ本来の特性を損なう走りでは、そのグリップ力を十分に活かせず、時に危険な状況を招く原因となります。
したがって、もっとオートバイ走行が上手になりたい人や、安定したカーブ走行をしたい人には、直進走行でのチェックと練習がとても効果的なのです。






【 オートバイを邪魔しないライディング 】

最も良くない例は、直進走行の時にハンドルを腕で突っ張ったり、上体を使って抑え込む様なライディングです。
  
逆に、お勧めするのは、ほとんどハンドルに力が加わらないように、踝(くるぶし)でオートバイを挟み込む「アンクルグリップ」や「ニー(膝)グリップ」を適度に使って下半身をホールドして、減速時や加速時でも上半身が前後に揺れないように、腹筋と背筋で上半身のすべてを支えるライディングです。
     
  


【 お勧めライディングフォームの一例 】

  
  
とは言っても、最適なライディングフォームには個人差があり、一概に傍から見ただけでその良し悪しを決める事はできません。
  
あくまでも、オートバイ本来の自然な動きを活かすのが最適のライディングで、傍から「腕の力を抜いた方が ・・」などと言われて会得できるものではなく、オートバイとの“ 会話 ”を通じてこそ体得できるのが最適なライディングフォームです。
ここに、自身で最適なライディングフォームを見つける方法の一例を紹介しますので、安全には十分以上注意した上で、チェック走行される事をお勧めします。
   
それは、一般道の直線道路を直進走行する際、その車線上に一直線の進路を想定して、その進路と重なる路面上の数字や横断歩道のラインを目印に、その目印を全てクリアする様に直進走行をします。
この時、その直進走行が一番安定する下半身や上半身の使い方を探す事をお勧めします。
きっと、下半身でオートバイをホールドして、ハンドルに無駄な力が加わらないライディングフォームのヒントが見つかるでしょう。
そして、直線道路で要領がつかめたら、高速道路などの緩やかなカーブでも同様なチェック走行をされる事がお勧めです。





【 GRAのライディング講習では 】



GRAのライディング講習では、このオートバイの基本特性をマスターする練習方法として、「 加速練習 」と「 ブレーキング練習 」を行なっています。

「 加速練習 」とは、幅 30p、長さ 15〜20 mほどの狭路を使い、一方の端から発進して、狭路の中で可能な限り加速し続けて通り抜ける練習です。
仮に、加速操作の時に不要なハンドル操作をする様であれば、狭路の中でオートバイの進路がブレるので、ライダー自身が自ら自覚して修正できる優れた練習方法です。

「 ブレーキング練習 」とは、教習所でも行なっているように前後ブレーキを使って制動する練習ですが、GRAの場合には狭路を使う点が違います。
狭路を使う事で、無駄な操作が出来ないという意識を伴ったブレーキ練習になり、より正確で適切な操作の練習になる他、公道上での緊急制動に即した練習機会にもなります。
また、直線での制動だけでなく、進路(車線)変更を伴う「 緊急回避ブレーキ練習 」も行なっています。
  
  



【 最後に 】

免許を取得したライダー、特に 走行経験も十分にあるライダーならば、直進走行は簡単に「出来る」「出来ている」と考えているのが普通です。
しかし、その直進走行をもう一度見直す事で、オートバイの基本特性や能力を活かすライディングを身に付ける良い機会になります。

  
このオートバイ本来の基本特性を最大限に活かすライディングは、安全な走行の為にとても有効ですが、残念な事にカリキュラム時間の制限などで教習所では教える事は無く、逆にオートバイ雑誌などではハンドル操作を積極的に使う方法を勧めている例も少なくありません。
   
オートバイは誕生してから 100年以上に亘る改良の中で、オートバイの安定特性は向上を遂げ、ライダーが多少誤った操作をしたとしても、危険な程にバランスを崩す事なく安定して走行する程に進歩しています。
別な見方をすれば、以前のオートバイならば即転倒に繋がる操作でも、安定限界特性が高い現代のオートバイは簡単には転倒しないので、それが現代の多くのライダーに不要な操作癖の原因になっているのかも知れません。
   
オートバイはとても優れた機構と運動能力を備えた機械です。
その優れた特性と能力を最大限に活かして、楽しく、安全なライディングを実現させるために、オートバイの仕組みを正しく理解して走らせる事を強くお勧めします。

 
 

 

解説記事と画像 :小林 裕之
  
Texts and images : Hiroyuki Kobayashi

 


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