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( 2008年5月  発表資料 )

今後のイベントの運営方針

企画名・『 お互いを支えあう 』
 
*まえがき*
*


私達はその活動改革を目的として2001年から“第一期・脱皮計画”を行ない、それに引き続き 2005年から“第二期・脱皮計画”を行なってきました。
これらの改革活動を通じて、ただ走りたいだけや上手くなりたいだけの人ではなく、オートバイの社会的な現状を理解して 『オートバイの社会的な認知度を高める』という考えに共鳴し、その活動目標である【人の意識を変える】という活動を共に行なう仲間も増えてきました。
そのお陰もあって、NPO法人としての活動も始めることができ、Webサイトでの広報活動を一層充実させてGRAとしての活動や考えを広くアピールすることができています。

そのWebサイトの開設運営では、様々な試行錯誤を続けてきましたが、それら広報面の活動は予想以上の成果を出しております。
また、イベント開催活動についても少しずつではありますが、参加者が意識してイベントを作り上げるようになってきました。これは、「あいさつタイム」 や 「持ち込み企画制」、「当日スケジュール決定運営」などが定着してきたことで実感できますし、参加した一人ひとりが企画を考えてイベントを作り上げることができるようになった事は大変に大きな成果だと思います。

そして、これらの成果を踏まえて、自らの活動の目標を再設定した【人の意識を変える】という大きな活動目標に対して改めて行動を起こす時期が来たと考えるに至りました。

 


*今後の指針*
*



【人の意識を変える】
という目標に対して、より実効性がありつつ楽しさや充実感も伴うイベントを運営していくためには、一人またはごく少数の進行役や“まとめ役”が訓示や注意の形で他の全員へ伝えていく今までのような運営形式は基本的に止めなくてはならないでしょう。

なぜなら、【人の意識を変える】ための運営で求められているのは、【お互いを支えあう】ことと考えるからです。
つまり、参加している一人一人が他の参加者と相互に注意を促し合ったり、意見を伝え合ったり、時には直接褒めたり感謝の言葉を伝えていく事こそが最も【人の意識を変える】のにふさわしく、【人の意識を変える】ための最も大きなエネルギーになると確信をしているからです。



具体的な
運営企画は

*




【お互いを支えあう】
というテーマでイベントの運営を行なうには、実際のイベントの進行の中で “お互いに支えあう事が必要な場面や局面” を自然に作り出していく運営企画が必要となります。
とは言っても、最初から複雑で高度な運営企画を導入する事は出来ませんし、参加メンバーがその度に変わり新規参加者もある状況で継続的に行なえる企画となれば、当然ながら誰もが覚え易く実行に移しやすい企画である必要があるからです。




 

 

そこで、当面は以下に述べる二つの事柄を参加した全員が意識して守る企画で進めていきます。
その二つの事柄(企画)とは、次のような簡単な内容で表せます。

1. お互いを支えあう
2. ルールを守りあう

1. お互いを支えあう ・・  分かりやすい言葉で言うならば、「 周りを見る 」 という事と
「 見て見ぬふりをしない 」 という事につきます。
 

つまり、イベント開催中には他の人の行動を含めて全体に気を配りコミュニケーションも取り、必要に応じて困っている人を助け、誤っている行動などを指摘して正し、良い行動や発言を行なった人に対しては直接に評価や感謝の言葉を伝える、という事です。

2. ルールを守る  ・・ * 基本的な内容だけに留めて項目は少ない方が効果的と考えています。
具体的には下記の項目を導入していきます。
  1. 集合時間を守る
2. 集合時には指定した陣形(円形)にまとまる
3. 集合時には基本的にライディング可能な服装であること
( ヘルメット&グローブを除く )
4. 喫煙は指定された時間と場所を守る
5. 話かける場合には、基本的に相手の名前を最初に呼ぶ
6. イベント運営に関する業務は積極的に取り組む
7. 上記の規律を守れない場合は、内容によっては退出となる




*留意する事*
*



先にも述べた様にこの企画は全員が同じポジションに立ってこそ“お互い”という意識が芽生えてうまく機能するため、基本的に参加した全員がお互い一人の人間として同じ役割と責任を持つ事を自覚する必要があります。

つまり、年齢や性差に関係無く、またイベントへの参加回数やライディングスキルのレベルによってその役割や責任が変わる事はなく、全員が同じ立場である事を自覚する事が大切です。
この事は重ねて伝え参加者全員が認識をする必要があるでしょう。



*導入初期は*
*



【お互いを支えあう】
企画を導入するにあたって、1.の項目で挙げた 【お互いを支えあう】 という企画だけでなく、2.の項目で 【ルールを守る】 という企画を加えたのには大きな理由があることを知っておいてください。

それは、単に【お互いを支えあう】と意識付けをしてみても、ある程度のガイドライン的な行動指標が無ければ行動に結びつき難いものです。まして、参加する顔ぶれをその度に変動するイベント当日の短い時間の中で【お互いを支えあう】という具体的な行動を紡ぎ出していくには 2.の項目の行動指標は必要になります。

 

 

 

具体的には、2.の項目で挙げたルールを個人で守るだけでなく、参加した人は他の人の行動にも気を配り、ルールを逸脱してしまう人が居た場合にはそれに気付いた人が直接注意を促し、全員でルールを守るように協力し合っていくスタイルを確立していくのです。

更に、声を掛ける際には基本的に相手の名前を呼ぶことになるので、他の方の行動に気を配るだけでなく、他の方の氏名を覚えるという行為を通じてその方の存在を意識する心が生まれます。この「名前呼び」こそが大変に心に触れるもので、人としてのコミュニケーションを成り立たせるために大変に重要だと考えています。

また同様に、不特定多数の方にまとめて注意や命令を発する方式は基本的に禁止とします。つまり、よく目にする光景ですが、「 時間です。みんな集合! 」 という声掛けを一切禁止とする訳です。これによって、“運営者と参加者”とか“リーダー役と参加者”という構図でなく、参加した者同士の間での人間的な繋がりを生む【人の意識を変える】ベースにしていきます。

なお、ルールをあまりにも守れない方には退出の対処を行ないますが、その際には同時に他の参加者全員でミーティングも行ないます。そこでは 「なぜ退出処理を防げなかったか?」 「今後はどうすれば良いか?」 「退出に至るまでに名前呼びをすることができたか?」 などのテーマで、例え短い時間でも意見を交換する事が何よりも大切だと考えています。



*現状の問題点と*
* 期待できる効果*
*

現状の問題点 ・・  現状のイベント開催における大きな問題点は下記の2点です。

  ○  イベント運営が予定に合わせて滞り無くスムーズに進み、走行する時間などが充分に確保できれば良いイベントだったと考える風潮がある。
  ○  人と人との関わりが表面的な内容に終始し、誤った言動があった場合や力不足の運営があった場合でも充分な指摘や支えも無く、【人の意識を変える】という会の目標から考えると、イベント全体に及ぼす悪い影響に注意を払わない場面が散見される。

期待できる効果
  GRAにとっての活動目標は 【人の意識を変える】 という事であり、それはイベント活動においても変わりありません。したがって、例え運営が予定通りにスムーズに終了しなかったとしても、 【人の意識を変える】 という目標へ向けた 【お互いを支えあう】活動が行なわれていれば成功したイベントです。

 

 

 


今回の 【お互いを支えあう】という運営企画を導入する事によって、自然と他の人の行動にも注意を払うようになり、同時に何かを発見した際にはすぐに行動に移そうという意識が芽生える事が充分に期待できます。

それによって、イベント自体が全体でまとまりのある内容になるのは充分に可能ですし、それ以上に人と人との関わりがより深くなり、全員の意識と行動で達成感や充足感も味わえるでしょうし、同時にイベントだけでなくライダー社会全体へ注意を払うきっかけともなるでしょう。
そうすれば、【 オートバイの社会的な認知度を高める 】という目標に対して、確実に前進したと言えるでしょう。


*まとめ*
*


以上のように、【お互いを支えあう】という運営企画は、表面的にはルールをお互いに守るように注意しあう事から始まりますが、それを行なう「名前呼び」などの行為の中で今まで以上に他の方の氏名や行動、存在に関心を持つようになり、関心を持った上での行動によりイベントの雰囲気は今で以上にまとまりのあるものとなります。
そして、まとまりのあるイベントでは、練習やレッスン、タイム測定などへの集中力も高まり、結果として参加した方にはより高い充実感と満足感が得られるでしょう。

自らの他の方への気配りや行動により結果として高い充実感を得られるならば、更に高い満足感を得る為にも更に 「 見て見ぬふりをしない 」 という意識が高まり、他の人とのコミュニケーションを取り、必要に応じて困っている人を助け、誤っている行動などを指摘して正し、良い行動や発言を行なった人に対しては直接に評価や感謝の言葉を伝える、という【お互いを支えあう】企画本来の行動にも弾みがつくでしょう。

そして、こうしたイベントという短い機会の中での成功や失敗の体験を重ねる事により、全体の中での個人の役割や責任意識が高まり、いずれはライダー全体の中でのライダー個人の役割や責任や、社会全体の中での個人の役割や責任のあり方まで良い影響を与えられると期待しています。

このように【お互いを支えあう】という一見単純な運営企画ですが、その運用の仕方や取り組み方によっては 社会全体を対象とした GRAの活動目標の達成だけでなく、個々の人生観も変えていく大きな取り組みになると考えています。

この【お互いを支えあう】という運営企画に参加して協力を願いますし、更なる有効活用のための意見や提言も広く歓迎していますので、どうぞよろくお願い致します。

 

GRA公式ウェブサイト URL   http://gra-npo.org/





  
  

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