「弘法 筆を選ばず」という言葉がある。
上手な人はどんな道具を使っても上手だ、という意味らしい。
が、これは、下手を自覚している者の “やっかみ” でしかない。
或いは、やる気の無い者の単なる “言い訳” だ。
書の達人と言われる弘法大師でも、駄目な筆で上達した筈がない。
上質な筆と墨があってこそ、繊細かつ大胆な筆使いが学べるもの。
オートバイもそうだ。
弘法の筆以上にきちんと整備して、自身に合わせて適切に調整して、
ごく簡単な筆使いから、100% 完全にこなせる様に腕を磨くのが基本。
弘法と同じ筆を買って、派手な書ばかり繰り返したって、
上手になる筈もないし、何よりも書の心が掴める訳がない、と信じている。
しかし、身体に合った筆を勧める製造メーカーは無く、
身体に合わせて行なうべき調整さえ、適切に行なえる販売店も無く、
肝心な書道教室でさえ、姿勢とか視線とか、見た目しか指導できない。
伝道の道、遠いな。
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