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イベント名 妖怪ガレージ・持ち込み企画
開催日

2020年 2月 27日

開催場所

妖怪ガレージ (神戸市内)


軽くなり、エンジン音変わって、燃費も    


軽くなり、エンジン音変わって、燃費も

兵庫県   S さん



先ずは、私の疑問から今回の持ち込み企画を行っていただき、ありがとうございます。

当日、狐の嫁入り(お天気雨)が始まる10:00ギリギリ(もしかしたら遅刻?)に妖怪ガレージに到着。冷えた体を温めようと出されたお茶を飲みつつ世間話、体が温まったのと緊張がほぐれた処で企画の目的と全体の流れ説明および確認




 
『 作業の内容 』

まずは、作業前 作業後の違いを実感するための試乗コース(ガレージ周辺)を2周ほど安全運転で危険個所等のチェックしつつ車体の動きいつも以上に確認、走行。
フロントサスペンションの整備に入る前に詳細な説明と作業内容を理解できているか確認その後、トルクレンチ等の使い方を教えてもらいながら各パーツの動きや働きを説明してもらいながら清掃や注油などの整備、サービスマニュアルを見ながら二人で適正トルクでの組付け。

エンジンマウントボルトを緩める作業を小林さんにお願い、この時私はフロントフォーク整備のために外したカウルの取り付け、ボルトの締め付け順番等の説明と理解を確認したのちエンジンをゴムハンマーで叩く作業後、サービスマニュアルを見ながら二人で適正トルクでの組付け。

小林さんからの提案で試乗コースを1周走行し、車体の動きが違っていることを実感し小林さんに報告。
昼食をとりつつ世間話、腹の皮が張り瞼が緩み始める。

リアサスペンションのボルトを緩めサービスマニュアルを見ながら二人で適正トルクでの組付けとプリロードの調整
チェーン調整前にチェーンアジャスターの動きや働きを説明してもらい調整前後タイヤ整列を取りながら必要性の説明と確認、理解がなかなか出来ず小林さんに理解出来るまで説明をしてもらい理解してから、アクスルシャフトをサービスマニュアルを見ながら二人で適正トルクでの組付け。

つけ忘れが無いのを確認後、試乗コースを1周走行し、車体の動きが違っていることを実感し小林さんに報告。

今回の企画で1番驚いたのは小林さんがエンジンマウントボルトを緩めるときに「バッキ」破壊音?とそれに続く「ギギギ」という、まるで錆びた蝶番の扉を開ける音でしたね、二重の意味で大丈夫なのかと思う瞬間でした。





『 今回の企画の結果 』

車体に関しては全体的に軽くなり、今まで以上に下半身で乗ることが出来る反面、低速での直進安定性が低くなりました。あと、エンジン音が低くなり車体の振動が小さくなったような気がします。それに、アクセルを回して車体が進む時間が短くなったと思います。

人に関しては各パーツの動きや働きが理解でき、整備の必要性を今まで以上に理解でき、自分でもある程度の整備ができるのを実感できました。
あと、小林さんとの会話を通して自分の会話スキル低さと会話スキルを上げるヒントを教えてもらったと感じ、これから少しずづでも努力して会話スキルを上げていきますね。

今回の妖怪ガレージ”持ち込み企画を行っていただき、ありがとうございました。

 

『 後日、追加の報告 』

今日、判明したことなのですが燃費が企画の前後で変化があったので追記します。

企画前の燃費は約24.5q/?〜25.6q/?でしたが今回計測した距離自宅〜妖怪ガレージ往復距離+自宅〜バイク屋往復距離の合計183.2qを燃費29..9q/?で走行していました。



  整備 = エコロジー !! 整備をするとこんなところにも影響が出て驚きました。



【 担当講師より 】

先日は、妖怪ガレージ・持ち込み企画への参加、お疲れさまでした。
今回の企画の為に、決して安くない サービスマニュアル まで購入され、事前に作業内容について質問まで下さり、その熱心さに感心させられました。

お蔭様で、一つひとつの作業の意味や確認方法も含めて説明ができ、マニュアルを確認しながら丁寧で確実な作業をスムーズに進める事ができ、当初予定した以上の作業までこなす事ができました。

「 バイクは新車がベストな状態? 」という質問から始まった企画でしたが、実際に妖怪ガレージで正しく整備をした事で、新車の状態はベストな状態ではない事は充分に理解して貰えたと思います。 当日もお伝えした通り、メーカーの車両テスト走行を行なっている部署が最終的に合格を出した状態がベストに近いのですが、残念な事に、製造ラインでは効率優先の作業の為に決して本来のあるべき状態にはなっていません。

以前にもお伝えした例え話の様に、優れたパティシエが厳選した材料を熟練の技と情熱を込めて誰かの為に作ったケーキの味と、同じ材料と同じレシピで見習い職人さんが短い時間で一気にたくさん作ったケーキとでは、決して同じ味わいにならないのと同じです。
ケーキは分解して元に戻せませんが、幸いな事にオートバイは分解してじっくりと手間と愛情を掛けて組み上げてあげれば、優れたパティシエの作品以上の味わいを実現させる事も可能なのです。
  
それも、今回の様に、新車に近い状態の時にこそ、部品の損耗が進んでいない状態の時にこそ、きちんと整備してあげる事はとても大切な事です。

「トルクレンチが欲しくなりました」と、そんな感想を作業の終わり頃におっしゃっていましたね。

確かに、オートバイを本当の意味で正しく安全な乗り物にする為には、タイヤのエアゲージが必須である様に、トルクレンチは欠かす事が出来ない工具です。 また、充分なスペースと適切な工具があると、更にオートバイを活き活きと保つ事が可能になります。
どうぞ、今回の持ち込み企画の経験を活かして、いつまでもオートバイを本来以上の状態で味わい楽しんでください。


< 追伸 >

追加で、「燃費向上しました!」 の連絡と画像を送付してくださり、ありがとうございました。

エンジンマウントを適正な状態に調整して、エンジンを再始動した時に、エンジン音が静かで落ち着いた音に変わった事には驚かされたのですが、それ以外に燃費が 2割近くも向上するような作業は想い当たらないので、二重の意味で驚いています。

整体コースでは、製造ラインで車体に加わっているストレスや、車両の搬送時のストレスを取り去る事ができますので、エンジンだけに限らず車体の色々な部品が軽やかに働く様になったのも燃費に良い影響を与えたのかも知れませんね。

リポートにも書きましたが、フロントホイールベアリングは圧入圧力が少し過大な状態で、摺動抵抗が感じられる状態である事はお伝えした通りです。が、短時間でベアリングに余分なストレスを与えずに圧力を減らす事は可能です。
どうぞ、機会がありましたら、フロントホイールベアリング と リアホイールベアリング の圧入圧力の調整を行なってみませんか。きっと、今よりも確実に車体の動きは軽くなり、燃費にも良い結果が出るでしょう。

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インストラクター:小林 裕之
  
Instructor : Hiroyuki Kobayashi





 ● 妖怪ガレージ・持ち込み企画 イベントリポート
          Yokai Garage Maintenance Event Report
     「バイクは新車がベストな状態ですか?」という質問で始まったこの企画、
     終わってみれば、車体の軽さだけでなく、燃費向上まで実現しました !


 ● <Q&A> 新車がベストな状態ですか ?
          FAQ,  New bike is the best?
     オートバイは新車で販売されている状態がベストだと広く信じられていますが、
     実は、本来の性能を発揮していない状態で販売されています


 



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