先日の持ち込み企画で、ブランクは有るも、思い存分にバイクと接する事が出来て、誠に有難う御座いました。
部品と時間の問題で持ち越しもありますが、自分なりの間違いだらけの知識が多数を占めたいました。 まず自分に適した足回りやポジションや工場出荷時の偏った整備や洗車方法、適切なメンテナンス方法など眼から鱗でした。
やはり整備などは自分が携わる事により、もっと明確に確認しながら自分の手足の延長になるバイクユーザーにリセッティングして行くライディングの楽しみが10倍20倍楽しくなり、技術的に向上の度にリセッティングが必要ですが、これも楽しみの一つだと思います。
【 担当講師より 】
先日は、妖怪ガレージ・持ち込み企画への参加、お疲れさまでした。
最初、中古で購入されたばかりという車両を、事前の打ち合わせ時に停車状態で拝見した時には、明らかにチェーンの調整が間違っていて、遊びが全く無い事は確認できましたが、それ以外は 年齢を重ねた大人の人が所有されていた事が理解できる程に乱暴に扱った形跡は無く、しかも屋内保管らしく塗装の艶も充分にある良いコンディションの車両だと感じました。
その為、「ちょっと乗り難い感じがする」という言葉を聞いても、車両各部の簡単な分解と組み立てを行ない、同時に ライダーの体格に合わせた適切な プリロードの調整や フロントフォークの整列を行なうだけで、乗った時の印象は大きく変わるのでは、とさえ考えていました。
打ち合わせが済んでオートバイでお帰りになる後姿を見て、「 オートバイと格闘している様子、かなり乗り難そう 」と判った後でも、基本的な分解整備と調整で大きく改善できると思っていました。
しかし、オートバイのコンディションは、やはり、分解整備を行なってみないと判らないですね。
前もって用意した多くのメニューを始めるにあたり、「 作業はフロント周りとリア周りの二つのグループに分かれますが、簡単に勧められる リア周りから始めましょうか 」と言って、一緒に リア のサスペンション周りの分解から始めたところで、“ 玉手箱(たまてばこ)”を開けてしまいましたね。
お蔭で、随分と“ 時 ”を喰ってしまいましたが、完全に破損して手の施しようが無かった ニードルベアリングを ある程度は機能する程度まで 応急処置をして、その後で試乗をしてもらいましたね。その時、ガレージ前から走り始める時の動きを見て、明らかに事前打ち合わせ時とは 大きく違う後姿に変わっていて、試乗後に「 乗り易くなりました 」 と言ってもらえた時には、購入された時のコンディションが予想以上に酷かった事を改めて認識し、きちんと直るまで責任を持つ覚悟をしました。 「 今は、応急処理ですから、これでも動作はおかしいのです」
フロント周りの分解作業では、フロントフォークの分解整備に加えて スプリングの研磨などを急に加えてしまうなど、整備項目も多く、時間もかなりかかる事が危惧されたのですが、どんな作業にもその目的を確認して、作業内容のオプションを選択し、どの作業も積極的に取りかかってもらえたので、一部のメニューを除いて多くのメニューを完了させる事ができました。
そして、暫定仕様のフロント周りを組み上げ、しかも フォークオイルの番数を間違えてしまったのに、完成後の試乗へとスタートされた直後から、フロント(ステアリング)との会話が出来るようになった様子が後姿から伝わり、試乗後の感想も 入庫時からは随分と良くなった事が分かりました。
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応急処理の リアサスペンションのリンク部で完全破損したベアリングは、次回、新品交換しましょう。
また、こなせなかったメニューの内、ステムベアリングの プリロード(締付けトルク / 遊び調整)を適正に行ないましょう。 また、当然ですが、フロントフォークオイルは メーカー指定の粘度に合わせて交換をしましょう。
そして、それらが全て終わった後、可能であれば、前後車高バランスの調整、リアサスペンションのダンピング調整、そして フロントサスペンションのプリロード調整 や フロント サスペンションのストローク量調整を行なって、街中走行から高速走行まで、自由自在に、気軽に気持ち良く走れる トライアンフ へと 一歩進めていきませんか。
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