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9/11 ・GRA講習 イベントリポート                 
GRAが開催したイベントのリポートをお楽しみください ♪
 

  90度ターンの練習は、奥が深い!

開催デ−タ 開催日

2016年  9月 11日 (日)

  開催場所 りんくう公園特設会場 (大阪府)

  
『 GRA講習 』は、 一般的に開催されている講習会とは少し趣向が異なります。
一般的な講習会などは、色々なセクションを走行する事がメインで、“慣れる”事を主体にしていますが、『 GRA講習 』ではオートバイの仕組みやメカニズムなどの基本を正しく“理解する”事によって、より正しいライディング技術を身に付ける事を目標にしているのです。

その理由は、オートバイの構造や運動メカニズムに理解した上で、オートバイからの言葉を聴きながら、より適した整備や調整、ライディングを考えて走る事こそ、ライディング上達の一番の方法だからです。


【 テーマは 90度ターン 】

では、オートバイとの会話をしながらライディング技術を高める練習で、一番のお勧めは“ 90度 ターン ”の練習です。最も簡単なセクションで、基本的なライディング理論を学べられ、しかも最も高度なレベルでの練習が可能だからです。

この“ 90度ターン ”の練習で一番利用し易いセクションは“ 4本パイロン四角セクション ”(以後:4本四角パイロン)で、正方形の四つの頂点にパイロンを置くだけと簡単で、一辺の長さは最低でも 9mから12m がお勧めです。

当然、今回も一辺が 約 12m のセクションで走行レクチャーを行ないました。


上の図は “4本四角パイロン”のセクションを上から見た図で、四隅の頂点にあるのがパイロンで、基本は“ノーブレーキ(走行)”で、右回りと左回りのそれぞれで練習走行を行ないます。

この“4本四角パイロン”は最も基本的な練習セクションである事は、実際に初参加で走行した方にとっても十分に理解できた様です。
90度のターンを一つ通過するだけなら誰でも簡単に出来ますが、等間隔で連続してやって来る90度ターンを、どれも同じタイミングで進入して、ほぼ同じ速度で、ほぼ同じ(走行)ラインを描く事は簡単でない事に気付いた様です。

特に、“ ノーブレーキ ”走行を指定したのも大切な要素で、オートバイ自身が自然に描くラインを正しく理解する事がとても大切で、この練習ではその理解と“会話”が求められるのです。
多くのライダーが行なう基本練習で抜けている点はココで、オートバイ自身の声を聴かず、その都度ブレーキを調整してライン修正
を行なっており、オートバイ本来の能力を活かしていないばかりか、ブレーキングの練習にもなっていないのです。

実際、今回初参加の方もこの練習法にすっかりはまってしまい、セクションを独占しての走行練習を連続30分以上も続けた程で、見る見るうちに“会話方法”をマスターしていったのです。


【 実力を知る大切さ 】

“4本四角パイロン”での基本練習は様々な事を教えてくれます。
単に、安定したラインで、全ての 90度ターンを安定して走行する事は、ある程度の修練を重ねれば殆どの人は出来る様になるでしょう。
但し、それはこの基本練習の入り口に過ぎません。

次の段階はタイムトライアル(タイム測定)です。
セクション上にスタートとゴール地点を決め、例えばスタートしてセクションを3周回してからゴールするまでのタイムを測定します。そして、それを何度か繰返して、毎回ほぼ同じタイムを残せる事を目標にするのです。

実際に、当日初参加の人もタイム測定を 3回行ないましたが、練習では出来ていた走りを毎回・毎90度ターンで実現する事の難しさを体験した様ですが、当講座では「それが貴方の実力です」と伝えています。
更には、このタイムトライアルでタイムを最大限縮める試みをすれば、更に多くの事を学べるでしょう。 そういう場面でこそ、オートバイとの“会話”や整備、セッティングの大切さなどが更に理解出来るのです。


【 “サークル理論”という考え方 】

実は、“4本四角パイロン”で 90度ターンの走行練習は、オートバイ本来の運動特性“サークル理論”を理解する良い機会にもなります。

“サークル理論”については改めて別の機会に解説しますので、ここでは簡単に述べます。

1 バンクさせている時の走行ラインは、そのバンク角や速度に応じた特定の半径の
円弧になる
2 バンクさせて減速している時の走行ラインは、円弧の半径が小さく変化していく
放物線的なライン(クロソイド的ライン)になり、加速では逆のライン(クロソ
イド的ライン)になる
3

一定のバンク角と速度を保つならば、その走行ラインは必ず特定の半径の円周に
なる。


最も理解しやすい 3番の理論を、今回の“4本四角パイロン”のセクションで解説します。
下図は“4本四角パイロン”の一つのコーナーを拡大した図ですが、ターンの際の最も低い速度とバンク角を保ったとした場合、その時に描く特定の半径の円周がある筈です。


この円周を“基本サークル”(またはベースサークル)と呼びます。
オートバイ自身の理想的なラインは、減速して最も低い速度になった時、“基本サークル”に到達した時から、次には加速へと移行させるのがグリップ荷重の保持利用や運動特性から最善です。
その為、今回の“4本四角パイロン”(90度ターン)の場合は、45度 ターンを終えた時点から加速へと移行するのがベストであり、それに近づく為には基本練習が大切なのです。

別な言い方をすれば、走行する際には、コーナー毎に適切な半径の“基本サークル”を適切な場所に想定して走行し、オートバイの能力を最大限に活かすのがライダーの力量であり、その能力を養えるのが“4本四角パイロン”などの基本練習です。



【 皆さんへ提案します 】

皆さんには、オートバイと会話をする機会を提案します。
オートバイと会話をする事で、オートバイの特性や言いたい事を直接聴く事をお勧めします。

他から聞いたり読んでの知識ではなく、直接オートバイから聴く事は充実したオートバイライフを過ごすには大切な事です。

しかし、一般道で安全にそれを行なうのは限界があり、時には大きな危険を伴います。
『 GRA講習 』では、オートバイの基本的な運動特性の解説や、それを実際に体験して会話を深められるカリキュラムを提供していますし、随時その内容を公表しますので、活用される事をお勧めします。

きっと、オートバイに更に大きな発見や喜びを見つけられるでしょう。


では、また次の機会に。


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