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YOKAI's murmur 



  『 フロント車高の調整と失敗 』
       「 妖怪ガレージ日誌 」より
  Adjustment and failure of
  front height 


   
   前回まで、バンク走行時にフロントフォークが寡黙になってしまう事に困り果て、
   トラ君の生まれつきのトレール感の無さに対処したフォーク油面設定を一度見直し、
   一度、思い切って油面設定を低くする事にした。
   11/1 に 6t 抜いて、その際にフロントタイヤが優しく接してくれる様になった
   のに気を良くして、更に 5t 抜いて、合計 11t 抜いて更に良い印象を受けたが、
   大切な事は 安全な専用エリアで実際に走らせなくちゃ分からない。
   そこで、フォークオイルを抜いて下がったフロント車高(1G'時)を、前後車高
   バランスを補正する為に、1o 上げる修正をして、11/3 開催のクリニックで
   試してみた。


『 11/3 ・ クリニックにて 』

昨日開催したクリニックで、空き時間に少し走り込んでみた。
30km/h 以上で一気にバンクさせて入るセクションでも、以前よりは、嫌がる素振りを見せず、一昨日までに施したセット修正は 「 ハズレ 」ではない事を確認。

しかし、バンクさせた後で、遅らせたフロントブレーキで前輪の向きを変えようとしても、無情に時が流れるだけで、前輪は反応せず、ただただ、スピードが無駄に落ちていくだけ。
それに、切り返しにもっと軽快感が欲しいし、バンクさせる掛け声を掛けても無表情な事、そして もっと路面を身近に感じたいので、まだまだ満足できない。



『 11/4 ・ ガレージにて 』

イベント翌日、ガレージに出向き、コラム掲載用のタイヤ表面の摩耗痕の撮影は終わった。
後は、昨日の汚れを拭き落としてやって、次の修正セットを考えなくては。

きっと、再度、フロント車高を 更に 1mm 上げてやって、フロントの主張と初期反応の声を大きくしてやって、試走、その結果で フォークオイルを更に抜く方向もアリだと考えている。

以前は、追い込んだ時の フロントの巻き込みを嫌って、トレールが十分に残るよ、オイルレベルを下げ過ぎないようにだけ注意を払っていたので、袋小路に入っていたかもしれないからだ。
その場合でも、トラ君の前脚、物理的に 110mm 以上のストロークは強いられない構造だから、そこは要注意だ。
  




『 更に、フロント車高を上げた結果は 』


試走を完食。 一言で言えば、良い結果になった。

まっすぐに走っている時から、フロントが存在をはっきりと表して、バンクしてターンの最中も変わらない感触が続くようになった。
ただ、フロントの締め付け時、ストレスが入ったような、少しツンツンする感触も同時に現れたので、一度リラックさせてから、もう一度、きちんと整列を取ってあげる必要がある。

それと、フロントがしっかりと主張してくれるので、フォークオイルを 5 cc 追加で抜いてみる予定だ。 良くなぁれ、もっと良くなぁれ !!

フロントの主張、声は大きくなったが、今回、フロント車高を 1o 上げる修正を行なった際、ビデオ撮影もしていた関係(言い訳)で、フロント周りにストレスを残してしまった様で、一般道を普通に直進していても、「 ツン ツン 」とフロントの動きに 引っ掛かり感 が出てしまっている。
それと、バンクの際、初期反応は上々になったけど、フロントブレーキで追い込んだ時の “ 反応無し ” が “ 反応薄し ” に変わった位だから、更に フォークオイル を抜いて、「 よっしゃ 」と言ってくれる様になるかを期待してみたい。

オートバイに限らず、何事もバランスが大切。
「明」と「暗」、「ダル」と「ピーキー」、「平安」と「冒険」、その中間を探し当て、そのエリアを確保して大きくする作業こそ、人生だと思うし、それがセッティングだ。

更に、5t 抜いて、“分岐点”(境目)を超えて、向うの世界に入ってしまったら シメタモノ。 その、バランス点を超えてしまった分だけ、例えば 2t とか 戻せばっ良いだけだ。

さあ、フロントフォーク周りを リラックスさせて、フロントフォークオイル、更に 5t抜きだ。 さあ、どうなるか? 外はとっくに暗い。
僕のエネルギー残量も明るくない。
でも、誘惑の力は大き過ぎる。



『 後日談 』

やっぱりと言うべきか、11月4日、試走から帰った後、誘惑に負けて、フォークオイルを更に 5t 抜いた。
と言うか、先の フロント車高の変更作業(ビデオ紹介分)の時、フロント周りにストレスを残してしまい、「ツンツン感」を感じるようになっていたので、もう一度、フロント周りを触る必要もあったというのが言い訳でもあった。

で、追加で 5t 抜いた後は、やっぱり試走に出た。結果は、更に良い感触が得られた。

バンクさせた後、フロントブレーキでのフロントタイヤのラインコントロールが簡単になったのだ。 つまり、ブレーキをかけて、フロントタイヤを思った通りにイン側へ向けていく事が簡単になったのだ。
簡単に出来る分だけ、ブレーキ使用量は少なく、それだけスピードロスも少ないから良い事づくめだ。

更には、コントロール量を誤ると、思った以上にイン側へと向き過ぎて、それに合わせて速度は落ち、車体が立とうとするけど構わない。
フォークオイル量の調整・セッティングが “分岐点” を 超えたのが確認できたから、それは良いサインだ。

今回は、追加で フォークオイル 5t 抜いたので、2〜3t 戻すとか、フロント車高を 0.5 〜 1 o アップさせて、フォークオイルを 1〜2t 戻すなど、適した方法でバランスを取る選択肢が見えてきたからだ。


『 データ 』
フロント車高(1G'時 /乗車時)

〇 11/4、 5cc 抜く前、   112.0 - 4 = 108.0 mm ( タンクは 3分 )

〇 11/4、 5cc 抜いた後、  112.2 - 4 = 108.2 mm ( タンクは 2分 )

  ( 倒立式の為、現状のフロントフォークつき出し量 4 mm を差し引く )








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