このエントリーをはてなブックマークに追加


オートバイ基本講座「心」のページへ移動します オートバイ基本講座「技」のページへ移動します オートバイ基本講座「体」のページへ移動します オートバイ基本講座「バイク」のページへ移動します


 
「グリップ力」とは?

Think about Grip Force



オートバイの
常識と非常識
  
Common
Sense
& Insane

タイヤの “グリップ力”を高める事は、安全に楽しく走るのに欠かせませんが、決して、高性能タイヤへの交換は必要ではありません。どんなタイヤでも、適切な空気圧とグリップ力を高める法則の理解と運転方法の実践が最も大切です。
Increasing the "Grip Force" of tires is essential for safe and enjoyable riding, but it is by no means necessary to replace tires with high performance tires. The most important thing for any tire is to maintain proper air pressure and to understand and practice the laws of improved grip force.



概要  Summary


セミナーは、参加した人の質問や提案をテーマに、簡単な物理法則での解析を交えて、丁寧に掘り下げて、オートバイへの理解を深める「場」を一緒に創りあげるのを目的にしています。

今回は、気温や路面温度が低い時期という事もあって、タイヤの“グリップ感”が暖かい時期と較べて不安に感じるという声がありましたので、“グリップ力”について一緒に解析を進める事になりました。

 

  
 
 
 

 
 
 
  
  

“グリップ力”は、大きいほど安心で安全
The larger "Grip Force", the more contorol and safety



今回の 「セミナー」のテーマは、“グリップ力”になりました。
 
最新型の多くには、ABS や トラクションコントロール が装備され、タイヤのスリップを防いでいますが、どちらもグリップ力が不足した場合の装備です。グリップ力はタイヤだけでなく、ライダーの操作で大きく変化するもの。理解した運転が一番大切で、可能な限りグリップ力を高めて、それを保ち、ライダーによるコントロール領域を広げておく事が楽しく安全に走らせるには欠かせません。 グリップ力を高める手段の一つとして、タイヤの「空気圧」を下げて設置面積を・・・など言われていますが、タイヤ設計者の意図を考慮せず、路面温度や車重、ライダーのスキルの違い言及せず、無責任な定説だと思います。 ・・・と言う所まで、

「車体バランス」を考えてみよう / Consider the Vehicle Balance


“グリップ力”を大きくすれば、より安全に思い通りに走れます
If you can increase the "grip force", you will be able to ride
more safely and exactly as you want.
ABSやトラクションコントロールでは、グリップ力は増えません
ABS and traction control cannot increase "grip force".
   
< What this section says >
The “grip force” of the tires must always be kept greater than sufficient for safe and enjoyable motorcycle riding. Many of the latest vehicles are equipped with ABS and traction control, but they are safety devices when the grip of the tires is insufficient, not a device to increase the grip. "Grip force" changes greatly depending on the rider's riding operation, so it is most important to understand it.
          
    
   
  
   

 

  
 

“グリップ力”は、簡単な物理法則で決まる 
Effect of changing Tire Size on Vehicle Balance



「セミナー」の途中経過です。

グリップ力を摩擦力とすれば、物理法則の通り、摩擦係数と設置面への荷重の積で、基本的には設置面積ではなく、荷重を大きくして保つ事が一番大切だと解析と理解は進みました。(一部、半信半疑ですが・・) 次は、荷重はライダーの操作と車両のセッティング次第の話題へ進みますが、果たして、理解がついて来れるのか、時間が足りるのか心配です。
 

「車体バランス」を考えてみよう / Consider the Vehicle Balance


“グリップ力”は、「摩擦力」の物理法則で決まります
The magnitude of the "grip force" is determined
by the physical laws of friction force
“グリップ力”は、接地面への“荷重”で大きく変化します
Grip force varies greatly with the "load" on the tire's contact surface.

グリップ力/Grip force、タイヤのグリップ力は、摩擦係数とタイヤでの荷重の積で決まる
    

< What this section says >
Since the "grip force" of a tire is a frictional force, according to the laws of physics, it is determined by the product of the "friction coefficient" between the tire and the road surface and the "load" on the tire. In other words, the driving operation that always keeps the "load" high keeps the "grip power" high.
    
 
 
 


  
 
  
   

加速と減速で大きくなる“グリップ力” 
Do you know the Shell Life of your Tires

  
 

残り時間も わずかになり、いよいよ、“グリップ力”の核心に迫っています。

グリップ力を高めるには荷重を大きくするしか無い事は解析が終わり、オートバイの走らせ方ひとつで、前後の分布荷重は変化する事と、前後輪への荷重の合計量を「車輛重量」と「体重」の合計よりも大きくする事が出来るという所まで解析が進んだ所です。
さて、どんな走らせ方、走行ラインが、最も荷重を大きく保てるのか?、いよいよ佳境へ続きます。
 
「車体バランス」を考えてみよう / Consider the Vehicle Balance 
 

定常走行時、前後輪“荷重”の総和は車両重量と体重の総和です
In steady driving, the total "load" on the front and rear wheels
is the sum of the vehicle weight and body weight.
加速や減速により、前後輪“荷重”の総和は大きく出来ます
You can increase the sum of the front and rear wheel "loads"
by accelerating and decelerating


グリップ力/Grip Force、減速度によって増える荷重によって増えるグリップ力


< What this section says >
The sum of the "load" on the contact surface of the front and rear wheels is the sum of the weight of the vehicle and the rider during steady driving, but it is possible to greatly increase it by being aware of acceleration and deceleration.
       
 
 
 


 
 

 

“グリップ力”を大きくする走らせ方とは・ 
Front Brake is important when turning



本日の セミナー、最後の解析です。

グリップ力を高め、コントロール領域を広げ、安全で楽しい走り方をするには、加速と減速で荷重を増やし、それを効率よく利用する走らせ方、つまり、定常円的走り方ではなく、『コインの法則』に従ったクロソイド的ラインの実践が大切。旋回中にFフォークが上下動している走らせ方では、グリップ力を無駄にしている証だという事まで進みましたが、理解と実践には時間が必要かも知れません。

  

「車体バランス」を考えてみよう / Consider the Vehicle Balance


“グリップ力”を高めるには、加速と減速の交互操作が有効です
Alternating acceleration and deceleration is effective in increasing "grip force"
一定速度旋回では、“グリップ力”はさほど大きくなりません
Grip force is not so great when turning at a constant speed.


< What this section says >
In order to increase grip force, expand the control range, and ride safely and enjoyably, it is important to increase the load through acceleration and deceleration and use it efficiently. In other words, it is important to practice a clothoid line according to the "Law of Coins" instead of riding
in a steady circle. And the analysis at this seminar has progressed to the point that it is proof that the grip power is wasted in the way the front fork moves up and down while turning. However, it may take time to understand and practice.

    
  
 
    


  
  

 

<補足説明> あとがき・まとめ 
Additional Explanation

 
 

ライダー にとって、安全に楽しく走り、転倒などの事故を防ぐ為にも、いつもタイヤが路面をグリップしている感覚が頼りにしています。その事が、少しグリップを失っても転倒しない四輪車の運転と一番大きく違うところです。 その違いは安全装備(装置)に対する接し方でも同じ事が言えます。ABS(アンチロックブレーキシステム)やトラクションコントロールなど、四輪車で多く装備されている電子制御の安全装置が、最近では新型のオートバイで多く採用されています。しかし、これらの安全装置は、タイヤがグリップを失ってスリップをするのを少なくする為の装備であって、決して“グリップ力”を大きくする作用はしない事に注目する必要があります。
つまり、転倒のリスクがあるオートバイライダーが大切にすべき事は、タイヤの“グリップ力”を常に意識して、運転操作で“グリップ力”を高めて、タイヤの性能を大きく引き出して、コントロール領域が広い安全な運転を実現させる事ですし、四輪車の運転者以上に大切な運転技量である事は間違いありません。
 
しかし、“グリップ力”を意識する運転やそれを高める運転操作は、残念ながら 教習所でも講習会などでも教える事はなく、ただ運転者の操作の“見た目”に注目した指導に終始し、刻一刻と変化する“グリップ力”の状態を観て適切な指導が行われる事は殆どありません。
同じ様に走行している様に見えても、ライダーの運転操作によって“グリップ力”は大きく異なり、その違いによって車体の安定度や安全性も大きく差がついている為、安全に走行を楽しむ為なら、“グリップ力”を意識した運転操作を習熟すべきです。
つまり、見た目だけのライディングスタイルを模倣したり、教えられた運転操作や走行ラインをなぞるのではなく、グリップ力の大きさが変化する条件を理解して、グリップ力を常に感じながら、グリップ力を高める為の運転操作を行なう事が大切です。決して、力まかせのハンドル操作をしたり、無理やりオートバイを深くバンクさせる事を行ない、グリップ力を無駄にしたり失う事態を招かない事が大切です。

例えば、直線路からコーナーへと旋回動作に入る際、フロントタイヤのグリップ力を大きくするには、アクセルをオフ(閉じる)にした直後に旋回動作に入る習慣を身に付けたり、フロントブレーキを軽くかけてバンクを始めるなど操作をすれば、全く行わない場合よりも、フロントタイヤのグリップ力は大きくなり、安心して旋回が始められます。ただ、間違っても、フロントブレーキを離した直後に旋回動作を始めるのは避けるべきです。その理由は、ブレーキでフロントタイヤに掛かっていた “荷重” が抜けるタイミングになるからです。つまり、フロントフォークが一度沈み込んでから伸び始めているタイミングは、 “荷重” が抜け始めている状態ですから、グリップ力も抜け始めているからです。

そして、意外と意識されないのが、一定の速度で一定の大きさ半径を描く様に走っている時、前後輪ともに “荷重” はさほど大きく掛かっていない事、つまりタイヤのグリップ力もさほど大きく保てていない事です。タイヤに掛かる “荷重” の大きさは、ライダーによる加速や減速の操作によって大きく増えるものです。タイヤのグリップ力を大きく保ち、安全で楽しい走る為には、特にコーナリング時には、加速も減速も行なっていない定速定常走行の状態は少なくして、減速と加速のメリハリある運転操作を意識する事が大切です。


< What this section says >
It is important to understand the conditions under which the amount of "grip force" varies, to feel the grip force at all times, and to operate the motorcycle to increase grip force, rather than just imitating an apparent riding style or following a pre-taught driving maneuver or riding line. It is also important to avoid wasting or losing grip force by steering too hard or forcing the motorcycle into a deep lean.

For example, when turning from a straight road to a corner, in order to increase the grip force of the front tires, get into the habit of turning immediately after closing the accelerator, or apply the front brake lightly. If you start leaning with it on, the grip force of the front tire will be greater than if you didn't do it at all, and you can start turning with confidence. However, even if you make a mistake, you should avoid turning immediately after releasing the front brake. The reason for this is that it is the timing when the “load” on the front tire is released by braking. In other words, when the front fork sinks once and then begins to stretch, the “load” is beginning to be released, so the grip force is also beginning to be lost.








担当講師:小林 裕之
  
Instructor : Hiroyuki Kobayashi






わからない用語は、ページ下段の【用語の解説辞典】で確認できます
「質問」を送信される方には説明を返信しますので、利用してください



【 関連する記事、資料 / Related and Reference Articles

  フロントブレーキ、「旋回時」こそ大切
  Using the Front Brake when Turning 
  殆どの教習車や講習会では、旋回中にはフロントブレーキを使わない指導をしていますが、公道走行中の事故を防ぐ為にも効率の良い安定した旋回の為にもフロントブレーキは大切です

 “コインの法則”を体感しよう!
Let's experience the "Coin's Law"
  オートバイは、自然法則“コインの法則”に従って動く物体です 思い込みの走り方を離れ、オートバイと生の会話で学びましょう













クリエイティブ・コモンズ・ライセンス ページ中の画像は クリエイティブ・コモンズ 表示 - 非営利 - 改変禁止 4.0 国際 ライセンスの下に提供されています
文章等は許可無く転載することを禁じます / Copyright GRA All Rights Reserved.